見出し画像

外国人採用に3年間向き合った結果、外国人版OB訪問採用サービス「Jopus Connecter」β版をリリースしました

本日、2021年6月1日に約1年間温めてきたサービス「Jopus Connecter(ジョプス コネクター)」β版をリリースしました。自社の外国人社員をリクルーター(通称Connector)として活用できるリクルーティングプラットフォームサービスです。

2018年からの3年間、株式会社ゴーリストで外国人採用支援サービスを展開してきました。オウンドメディア、人材紹介、ダイレクトリクルーティングサービス。人材業界未経験だった自分が、運よくサービスの立ち上げを担当させてもらい、有難いことに約1年半で50名近くの外国籍の方の採用支援してきました。

外国人と「はたらく」を当たり前に 

このビジョン実現に近づくために、既存サービスをクローズし、新サービスを立ち上げました。

なぜこのサービスをリリースしたのか、企画からリリースまでの怒涛の1年間、このサービスで実現したいことを綴ります。


Jopus Connecterとは


応募前に外国人先輩社員への事前相談ができる外国人採用サービス。日本人からすると新卒のOB訪問がイメージに近いと思います。リクルーターを採用担当と外国人社員を繋ぐことを意味する「コネクター」と称しました。

画像1

従来の外国人採用サービスでは、掲載求人に応募した後、人事担当者による選考が始まりますが、「Jopus Connecter」では、採用企業が掲載する求人情報に対して、応募前に外国人社員との事前相談や面談をすることが特長です。

Jopus Connecterができること
1.本音の疑問を解決したい外国人求職者にリーチ
2.一人当たり40万、採用費用を大幅に削減
3.今いる外国人社員を積極的に活用

1.本音の疑問を解決したい外国人求職者にリーチ
選考途中に聞きたいことを聞けないのが外国人求職者の本音です。応募前に母国語などで情報収集ができることで外国人に安心を与えます。

また外国人求職者は、日本国内・国外在住問わず登録可能なため、世界中の外国人求職者の母集団形成ができます。

2.一人当たり40万、採用費用を大幅に削減

「Jopus Connecter」は一律型の成功報酬で費用が発生します。求人掲載・求職者のレジュメ検索・スカウト機能は無料でご利用いただき、「Jopus Connecter」登録者の採用が決定した際に初めて1名あたり40万円(税別)が発生いたします。

そのため、一般的な採用サービスと比較し導入しやすい料金システムを実現しています。

3.今いる外国人社員を積極的に活用

同じ外国人の視点から、外国人社員が求職者へ自社の情報を伝える事ができる為、入社後ギャップの解消に繋がり、スムーズなオンボーディングへ導きます。

画像12


コロナで事業縮小、そして新サービスをリリースした理由

アフターコロナの日本では、人手不足で外国人採用を必要とする時期がくるから。それまでに、いま外国人を採用している企業の採用力をパワーアップし、外国人社員の活躍の場を増やす。そして、はじめて外国人を採用する企業が「自分たちも外国人を採用したい」と思える世の中にしたいから。

冒頭では、人材紹介、ダイレクトリクルーティングサービスを上手くいっていたように書いていましたが、包み隠さず伝えると今までの3年間は失敗、失敗、失敗の日々でした。お客さんから厳しい言葉をもらうことも勿論ありました。

前職でも現職でも外国人と一緒に働いていた私からすると、世間が外国人雇用にこんなにもネガティブイメージを抱いていると思っていませんでした。彼らの活躍を身近で見ていると、そのネガティブイメージが「なんでやねん」と、関西出身じゃない私が勢いよく突っ込みたくなるくらい。

2018年9月に社内外のサポートの下、外国人特化の人材紹介を立ち上げ。既存事業HRogでぶいぶい言わせてた新卒エースに異動してもらい(という名の引き抜き笑)、2019年1月に外国人特化のダイレクトリクルーティングを立ち上げ。メンバーも増え、売上計画にようやく届きそうに。そして2020年がスタート。

HRogの人材業界に詳しい喋るカエルに続く、キャラクター戦略としてJopusサービスのキャラクターのゾウさんが完成(詳細はデザイナーのnoteへ)、4月から新卒を含め10名体制でやっと黒字化が見込める、というタイミングでコロナに。

画像10

ご存知の通り採用をストップする企業が増え、人材業界全般、特にインバウンドやアウトバウンドを強みとしていた外国人採用支援を行う企業にとっては大打撃でした。「無料で外国人を紹介」等のキャンペーンをする企業も少なくありませんでした。

もちろん私たちも大きな影響を受け、新規営業をストップ、事業縮小へ。自分以外は、異動、そして「外国人採用支援事業をやりたい」と言って入社してくれた当時の新卒も別部署配属に。

当時の自分の日報から。(振り返るとこんな弱音を吐いていたのか、、恥ずかしいですね。)

ダウンロード (17)

ただ弊社では、既存事業HRogが順調だったこともあり、事業撤退ではなく、事業縮小に。会社の判断は、長期的には外国人と働く社会は必ずやってくるので、それまではオウンドメディアを伸ばすことに。力不足の自分に悔しさも感じながら、私たちができることをゼロから考え直す充電期間へ入りました。

FireShot Capture 1063 - [1]Chatwork - 日報(神保) - www.chatwork.com

中小企業の外国人採用を当たり前にするメディア「Jopus Biz」

紆余曲折したサービス誕生までの軌跡

企画・仮説検証・要件定義・開発と約1年間、時間をかけてサービス誕生まで進めました。必要とされるサービスを作り上げるために、事業が成功するために、最後のチャンスの思いを込めて。

1.サービス企画

まずメディアの戦略として、3C、SWOT、PEST、4P分析をアップデート。自社の強みを改めてブラッシュアップ。その結果、「デザインで分かりやすく、外国人採用後の事業や組織へのリターンをリアルに伝える」こと。

オウンドメディアのニーズは、外国人採用に不安を抱える企業の負を解消させること。「外国人を採用した結果、企業はどうなったのか?」を伝えるために、様々な企業に取材の協力をしていただきました。

取材させてもらう中で、外国人に踏み込んでお互いを理解しようとしている企業は、また一人、二人と外国人採用がどんどん進んでいくことに気づきました。

そして日本で就職が容易ではない外国人にとって、同国籍の友人が就職に悩んでいたら、自社を紹介する、リファラル採用が日本よりも積極的に行われるのはでないか。といった話も10年近く外国人と一緒に働いた経験のある方からありました。確かに、ゴーリストでも20名近くの外国籍が在籍し、リファラルを依頼しなくても友人を紹介してくれることが、過去に何度もありました。

それらの背景から、日本ではあまり浸透していないリファラル採用。外国人の特性を利用した国ごとのプラットフォームを掛け合わせた【リファラル×コミュニティ】を主軸にしたマッチングシステムのニーズがあるのではないか?

一方で、企業も採用選考時に言語のギャップが要因で、伝えたい情報が伝わっておらず、入社後ギャップが発生し、離職にも繋がっているのでは?外国人を採用するだけでなく、活躍できる場でなければ、外国人雇用は広がりません。

そして「外国人の強みを活かし、入社後のギャップが減らせる仕組みが作れるのでは」といった仮説の下、そもそも外国人は「本当にリファラル採用に協力してくれるのか?」まず日本で働いている外国人にアンケートを実施。

画像4

画像5

【アンケート結果】
80%の外国人が同国籍の方に自社を紹介したい
95%の外国人が採用活動に協力したい
80%の外国人がインセンティブがなくてもリファラル採用に協力したい

今回のサービスの肝である外国人先輩社員は、リファラル採用に協力的であることが判明。これは「いける!」と確信し、プラットフォームサービスとして企画をスタートした9月。

2.仮説検証 (ストーリーボード/ユーザーインタビュー)

そして仮説を洗い出し、アイデアを具体化するためにストーリーボードを作成しました。(愛嬌たっぷりな手書きの現物でお送りします笑)

画像6

 採用企業を対象とした初稿のストーリーボード

「外国人の入社後のミスマッチが減らせるサービスを作れる!」と意気込み、次の検証フェーズのユーザーインタビューへ。

外国人を採用している企業、IT、メーカー、介護、小売、人材など複数社にユーザーインタビューをさせてもらいました。(忙しい中、協力いただいた企業の方々には本当に感謝です)

【企業へのユーザーインタビュー結果】

・採用ニーズで国籍のこだわりがない

・仮設課題の入社後ギャップは、2・6・2の法則くらいにしかならず、それほど大きな課題認識と重要課題にされていない

・一方、外国人採用ニーズとして、母集団確保、応募喚起ツール、求職者にとって新しい価値をもった母集団という価値でニーズに応えることができる。

仮説と異なり、「国籍のこだわりがなく」「入社後ギャップより母集団不足、応募喚起不足を解消できそう」といった結果に。

一方、外国籍求職者のユーザーインタビューの結果は、予想以上に価値あるサービスであることを気付かせてくれました。

【外国籍求職者へのインタビュー】

・相談できる先輩は母国語でなくても外国人であればよい。

・求職者は入社前の意志決定に課題を感じている。(応募時の情報は入手出来ているが、意思決定に必要な正しい情報は不足)

・求職者の安心感を醸成できる採用サービス、求職者の集客としては価値がある。

ユーザーインタビューを通じて、サービスの訴求ポイントを以下のように見直し。

企業への価値:入社後ギャップ → 母集団形成、応募喚起付け
求職者の価値:安心して入社できる → 納得して入社の意思決定ができる

画像7

 採用企業を対象とした最終のストーリーボード

画像8

 外国籍求職者を対象とした最終のストーリーボード

採用企業は、入社後のギャップを現時点では気づいていないが、外国籍求職者からは「ギャップがあった」の声が多く、顕在化されていない課題と私たちは捉えています。その課題を解決するために、採用時の正しい情報提供が双方も求められます。それを実現させるのがJopus Connecterです。

画像9


3.要件定義 / 開発

8月~12月の4ヵ月間、仮説検証。そして1月から要件定義へ。ゴーリストでは、プロダクトの開発、デザインは全て内製です。リリースに向けて、社内の新星アベンジャーズ並みのグローバルなメンバーを集め要件定義、そして開発がスタートしました。

画像11

プロジェクト主要メンバー

結論、リリース時期が5月→6月に遅延、且つβ版でリリースにに。当初1月に機能要件定義したものは、8月に追加機能リリース。

要因は、プロジェクトチーム内のゴール設定・共通認識化にズレが生じたため。社内でよく例えられるのですが、りんごがりんごと伝わっていなく、りんごがアップルと伝わっている状況に。

Jopus Connecterは、採用企業・コネクター(先輩社員)・外国籍求職者とサービスの登場人物が多いので、サービスの開発工数も掛かります。

また顧客にサービス提供の対価を支払ってもらう以上、私たちビジネスサイドもそれに応えられるサービスを届けたい。機能要件も追加で要望する中で、「最短でリリースする」「クオリティの高いサービスを届ける」とゴール設定が曖昧に。そこからプロジェントメンバー全員で一度仕切り直し、ゴールを再設定、チームで本日リリースまで走ってきました。

たちが実現したいこと

私たちが実現したいこと。それは外国人の採用選考時に正しい情報提供が行われ、企業・求職者双方が納得感を持って意思決定ができること。

Jopus Connecterは、はじめての外国人採用ではなく、外国人採用実績のある企業が顧客です。はじめのスタートダッシュではなく、障害物を一緒に飛び越えながら、時には給水タイムを設け、採用活動を伴走することが目的です。そして最終的には、自社だけで外国人をリファラル採用もできるようにり、「Jopus Connecterを利用して良かった」と感じてもらえることです。

Jopus Connecterを通じて外国人の活躍の場が拡大することで、私たちのサービスビジョン、外国人と「はたらく」を当たり前に に近づく社会になると。

リファラル採用の実績がない企業でも、安心してください!外国人へ向けた企業の魅力の伝え方を一緒に考えていきましょう。外国人の採用実績がない企業の方もご相談頂ければ、お力になれることはサポートします。

今回のJopus Connecterのβ版では、実装したいことの30%くらいしか間に合っていません!これから機能アップデートを続け、使ってもらえるサービスになるように一歩ずつ進めていきます。

今まで行ってきた人材紹介、ダイレクトリクルーティングサービスは今月でクローズします。外国人採用を無知だった自分から立ち上げたサービスをご利用いただいた企業の皆様、求職者の皆様、本当にありがとうございました!今後はJopus Connecterとして新しく生まれ変わったサービス、200%ご期待ください。

最後に、チームメンバーへ。いつも現場の私たちの大きな声を受け取ってくれてありがとう!本日からが正しくはスタートですが、ユーザーに喜んで利用してもらえるサービスを目指してアップデートしていきましょう。

ゴーリスト広報が広報活動を頑張っているので、少しでも興味を持っていただけた方はぜひシェア頂けると嬉しいです!

サービスのお問い合わせは以下リンクからお待ちしています!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?