戦術論 第4回 「前進守備」

おはようございます、こんにちは、こんばんは、ジャーナリストの氏原です。

夏の県予選も終盤に差し掛かってきました。

試合を見ていて思うのが野球は試合をして上手くなるということ。遠くに飛ばすとか、速い球を投げるなどの個々の力量は練習をするしかないですが、目まぐるしく変わっていく試合展開でどんなパフォーマンスを発揮できるかは、試合で培われるのだろうなと思います。

ノックをたくさん受けたのはいいけど、アウトにできなければ意味がない。ダブルプレーの練習もシートノックを受けるだけでは本当に上手くなったかどうかは図りかねます。試合をやってこそ、必要な技術が明らかになっていくのかなと思います。

ですので、甲子園などで試合を見ていると、様々な場面での球児のプレー。「ここでなにができる?」って重要だなと改めて勉強をさせられます。

そんな中での戦術論の第4回は「前進守備」についてお話ししたいなと思います。

スタンドで野球を見ていますと、なんでそんなことをするんだろう?と不思議に思う場面に遭遇します。

そのうちの一つが守備シフトで、無死満塁、1死満塁、無死・1死三塁、無死・1死2、3塁においての「前進守備」はその最たるものと言っていいかもしれません。

ランナーが三塁に行けば「前進守備」と盲目的に信じている選手・指導者が結構いるのではないかと思います。そして、その視野が狭いばかりに、大事な試合を落とすケースも少なくありません。



 前進守備を奨励できない理由

前進守備が試合の流れを変えてしまった試合で記憶しているところでは、2011年夏の甲子園2回戦・帝京(東東京)―八幡商業(滋賀)が挙げられます。帝京には松本剛(日ハム)、伊藤拓郎(元DeNA)がいました。

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