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noteを始めて感じたこと

 2022年、トレーニングの話を中心にこのnoteを書き始めました。私が当初、イメージしていたよりも多くの方たちに読んでいただけたようで、感想や意見など試合会場で声をかけてもらいました。私自身、書くこと自体が楽しかったのですが、そうした声を聞くことも同じくらい楽しく嬉しく思いました。
 なかでも以下の2つはとても反響が大きく、皆さん、これまでの常識に疑問を抱いたり、新しいトレーニングに興味があるんだなと感じました。

 もともと私は自分自身の経験や考え、トレーニングの取り組みについて発信することに消極的で、10年ほど前、低酸素トレーニングに取り組み出した時も、始めは全く公にはしていませんでした。それはSNSを通じて一方的に伝えるのはどうかなと思っていたからです。
 ただ年齢を重ね、現役学生はもちろん社会人になっても慕ってくれる選手たちを指導する中で成長のためのHow toが鮮明になってきたこともあり、陸上競技を頑張っている若い選手や指導者の方々にそれを伝えておきたいという思いが芽生えてきました。それがこのnoteを始めたきっかけです。そして自分の考えを整理したり、これまでの指導内容を振り返って言葉にすることは、私自身の指導にもいい影響を与えているのも間違いないと思っています。選手にどんな言葉で伝えれば理解してもらえるのか。そして自分自身、理解していたつもりでも曖昧な点があることに気付いたりなど、新たな発見が多くありました。それもnoteを始めてよかったなと思う点のひとつです。

コミニケーションはマスト

 間もなく2022年が終わりますが、来年も引き続き勉強を重ね、トレーニング方法を改善し、選手の能力開発を進めていきたいと思っています。量に頼る伝統的なトレーニングから脱却しないことには、日本の長距離界の未来は開けてきません。最近発表されたパリ五輪男子10000mの参加標準記録は27分00秒です。このタイムだけでも私たち日本人にはかなり難易度が高い数字ですが、将来的にさらに上がってくる可能性もあるでしょう。同時にカーボンプレートが搭載されたシューズが出てきたように、さらなるギアの進化もあるはずです。この流れに取り遅れることなくトレーニング方法を進化させることは、ある意味、私たち指導者の義務でもあると思うのです。現状に満足せず頑張ります。

感覚は大切、科学と融合させたい 

 そして年が明ければ箱根駅伝があります。城西大学を応援していただきたいのはもちろんなのですが、結果だけでなく、選手の個性、特性にもぜひ目を向けてください。ハーフマラソン対策は普段、集団で行うことが多いのですが、箱根駅伝に向けては「ひとりで走る練習」を多く行ってきました。集団だとペースメイクは交互に行い、そこに任せて走る場面も多いですが、終始自分でペース管理しなければならないとなると、多くの選手がその難しさを痛感し、なかにはうまく走れず落ち込む選手もいました。本戦ではこうした困難を乗り越えて身につけた力を発揮して欲しいと願っています。

結果と評価、次へ繋げる

 今回の箱根駅伝の目標はシード権獲得です。それは次の大会に必ず出場できるということだけが理由ではありません。私は駅伝はもちろん、将来、世界で戦う選手になるためのスピード強化も同じくらい重視しています。年間を通じて強化計画を立てるにあたって、10月にハーフマラソンで競われる予選会に合わせて最高の10名を選出しなければならないのは、どうしても負担になるからです。そもそも箱根駅伝は世界で戦うことを目指す選手育成のために開催されたものですので、その本質や信念を追求するためにも絶対にシード権を確保したいと思っています。
 100回大会はズバリ3位以内を目指したいと考えています。これはチーム史上最高の目標です。そこに向けての戦いは今大会から始まると言えるでしょう。そのチャレンジを選手と共に私も楽しみたいと思っています。

 2022年、ありがとうございました。2023年も皆さまのご多幸をお祈りしております。箱根駅伝、頑張ります!

些細なことから気づきが生まれる

追伸
個人的には「U20世界選手権は見えないものとの戦い⁈」の内容は思いも強いのでぜひご一読ください。

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