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ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」を見て 助産師の勝手な感想

こんばんは!助産師RICA🦊です😊

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画像:TBS

今日は昨夜放送されたTBSドラマ「婚姻届けに判を捺しただけですが」第5話を観ての感想を書いてみました📒
※ネタバレ注意。ご自衛ください。

これは個人の意見です。ドラマ関係者の皆さま、この投稿を見た方で気分を害された方がいたらごめんなさい🙇
あとちゃんと毎週観れていないのであらすじや登場人物で語弊があったらごめんなさい。。。

でもこういう話、よく聞くし、そこが夫婦の中で問題になることもあるなって思って書きました。


登場人物

大加戸明葉(清野菜奈さん):OL。仕事にやりがいを感じ独身を謳歌していたが、出会ったばかりの百瀬柊から突然結婚を申し込まれ、ひょんなことから偽装妻になる。

百瀬柊(坂口健太郎さん):広告代理店の営業マン。堅物で変人。外見がよく、仕事も真面目。ある理由から”既婚者”の肩書を手に入れるために、出会ったばかりの明葉に結婚を申し込む。

百瀬美晴(倉科カナさん):柊の兄である旭の妻。柊とは高校の同級生。ナチュラル美人で天然。なんでも器用にこなせるタイプ。

百瀬旭(前野朋哉さん):柊の兄。柊とは見た目も中身も正反対。妻の美晴とは仲良し夫婦...(?)おおらかな性格。


第5話のあらすじ

美晴が離婚届を残していなくなった。

身寄りのない美晴の行先が分からないまま、時間が過ぎる中、不動産屋の前に美晴の姿を見つけた柊は自宅に連れてくる。

なぜ離婚届を残して消えたのかを美晴に聞く柊。

そこで美晴の口から理由が語られる。

それを聞き、柊はしばらくうちにいればいいと提案し、不思議な3人同居生活が始まる。

柊は明葉に促され、旭に美晴が自宅にいることだけを伝えると、旭は心配で柊の家まで来てしまう。
しかし柊は美晴の意思を尊重し、美晴に会わせない。理由も聞いていないという。

後日、柊と旭は美晴との離婚について話す。旭は「美晴が俺への気持ちが分からなくなったなら、無理して夫婦でいても意味ない。美晴には笑っていてほしい。笑っていられるなら、それが俺の隣でなくてもいい。」
と告げる。それに対し、柊は「本当にそれでいいのか。」と強い口調で感情をぶつける。


私がドラマを観て感じたこと

※ここからネタバレの可能性あります!ご自衛ください!

私が感じたこと。それは上に書いたあらすじの太字の部分です。

美晴が離婚届を置いたまま家を出たことを告げに、旭は柊と明葉の家にやってきます。

そこで、

実は旭と美晴はずいぶん前から妊活をしていた。
しかし先週病院で自然妊娠は難しいかもしれないと言われた。
旭は美晴の家出の原因がこれだと柊に話す。

美晴を発見し、自宅に連れてきた柊は、離婚の動機と家出の理由を訊きます。すると美晴は
(ここからは語弊がないように、ドラマで放送された通りのト書きで書きます)

柊:兄貴とはこのまま会わないつもりなの?

美晴:旭くんから聞いたでしょ。妊活のこと。

柊:(うなずく)美晴の気持ちもわかるけど、ショックなのは兄貴も・・・

美晴:違うの。

柊:え?

美晴:子どもができないのがショックで、離婚したいって言ってるんじゃないの。旭くん言ったの。

旭(回想):俺はどっちでもいいよ。このまま妊活続けても、そうじゃなくても。美晴が後悔ない方を選んで。

美晴:どっちでもいい。今までもずっとそうだった。旭くんは私の気持ちばっかり気にして、自分がどうしたいか全然言ってくれないの。

柊:それは兄貴が優しいから

美晴:それって優しいっていうの?私たち夫婦なんだよ?子どもを作るかどうか、夫婦にとって大事なことでしょ?ちゃんと向き合わなきゃいけないことなんじゃないの?

柊・明葉:(美晴を見つめる)

美晴:うちの両親、お互い不満があるのに、何にも言わないで、いつもうわべだけの会話しているのすごい嫌だった。私はお互いに自分の気持ちをまっすぐぶつけて、ちゃんと、向き合っていける夫婦になりたかったの。

柊:兄貴とはなれないの?

美晴:やっぱり間違いだったんだよ。理想の家族を作るために結婚相手を選ぶなんて。

明葉:そんなことないと思います。始まりはどうあれ、夫婦になってから相手を好きになることだって...

美晴:私もそう思ってたよ。でも旭くんへの気持ち分かんなくなっちゃったの。だから...旭くんとはもう一緒に暮らせない。


以前美晴は柊に、「旭との結婚は、旭を好きになったからではなく、理想の家庭を作るために結婚した」と言っていたことがあります。


妊活や不妊治療は、、、

近年不妊治療で生まれた子は6人に1人とも言われ、不妊治療をすることは珍しいことではなくなりました。最近は不妊治療の前に、まず妊娠しやすい体や生活習慣をつくる【妊活】も聞きなれた言葉になったと思います。

でもその反面、
以前結婚したら子どもができるのが当たり前、子どもができないのは女性が悪いと言われていた時代があったように

結婚したら妊活するのが当たり前、妊活したら子どもができるのが当たり前
と言われ、プレッシャーを感じているご夫婦が増えていないか、心配です。


今回のドラマではセリフから、まだ不妊治療は行っておらず、妊活の段階。しかし、病院で自然妊娠が難しいと言われたということは、検査をしているか、基礎体温をつける、何度かタイミング法を実践するなどは既にしており、今後妊娠を希望するなら、治療に踏み切るかを考える必要がある。という状況だと思われます。

美晴は子どもを作るということについて夫婦で考えたい、一緒に向き合いたい

旭は美晴の意思を尊重したい

二人の思いが食い違っていた(と美晴が感じた)ため、今回のことが起きた。

このようなことはよくあります。

子どもは夫婦にとって重要な問題。
妊活や不妊治療は身体的にも精神的にも辛いことが多い。不妊治療に踏み切れば、金銭的な問題や受診のために仕事を休むなど社会的な問題も発生します。

周りからは「子どもはまだか」と言われるプレッシャー
いつできるか分からない、できても無事に出産を迎えられるか分からない
流産や死産をご経験された方は、また同じようになってしまうのではないかという不安もある
ゴールが見えない
次こそは、次こそはと思って続ければ経済的な負担が大きくなる

だからこそ夫婦で思いや熱量に差があったり、意見が一致していなければ
簡単に夫婦の関係性なんて壊れてしまう。
どちらかが疑ったり信じられなくなれば、どんどん疑心暗鬼になる。

そんな夫婦はたくさん見てきました。それで離婚まで行った夫婦もいます。

子育てもそうだけど、妊娠も出産も夫婦のどちらか一方が頑張るものではない。二人で協力して協働するものだと思います。

相手のいいようにすればいい
どっちでもいい
は絶対NG!!!


私は助産師として、どんな決断をしても、それが夫婦で納得した結論であって、二人の思いが一致していて、夫婦にとって幸せならそれが正解。

その決意がぶれてもいい。ぶつかってもいい。すぐに納得できなくて迷ってもいい。その度に二人で話して決めていけばいい。

と思っています。

周りがなんて言おうとそんなのどうでもよくて、夫婦のことです。
もし周りが子どもはまだ?なんて言ってきたら
「二人の生活が幸せなんだけど、文句ある?」
「私たちだって二人で考えて二人で頑張ってるの。その過程を説明する義務ある?」って言ってやれ!って笑


妊娠や出産はゴールじゃない

不妊治療を何年も頑張ってご妊娠され、ご出産を迎えられた方で時々あるのが、

【妊娠や出産がゴールになっている】

というパターン。

妊娠生活が無事に経過することだけに意識が向きがちで、育児のことを考えてなかった。
子どもが産まれて育児のグッズや環境が全く整っていない。育児のイメージがわかない。どうしよう...

そんなことあるわけないでしょ?って思われると思いますが、本当にいるんです。

もちろんその方は否定しません。その方にとって妊娠することや妊娠生活が無事経過し、無事に出産を終えることがそれだけ大事なことだったのだと。それだけ愛されて産まれてきた子なんだと思います。

それも一つのゴールですが、同時に育児のスタートでもあります。


先日お会いした、妊活のセミナーをやってらっしゃる方が仰ってました。

「不妊治療をするとき、次の治療はどんなものなのか、どのくらいのお金がかかるのか、一つひとつ理解して納得して進んでほしい。そうでないと心やお金の負担が増えるだけで辛くなってしまうから。」

と仰っていました。本当にその通りだなって思ったんです。

妊娠っておめでたいことなのに、それが原因で辛くなってしまい、ストレスがかかれば妊娠もしにくくなります。

そうならないためにも、助産師が

妊活や不妊治療を始める前に、始めてからも

夫婦の意見に相違はないか、ちゃんと納得しているか、無理していないか、迷いや不安があるまま進んでしまっていないか

をきちんと確認し、

気持ちに寄り添いながら、正しい知識を伝え、

夫婦の選択を支援する”味方”みたいな存在
(この表現が正しいか分からないけど)

にならなきゃいけないと改めて感じました。

最後に

あくまで個人の意見、ドラマや内容を企画を批判するものではありません。
ドラマ自体はステキなものだと思いますし、このようなナイーブな内容もドラマで表現するのはすごいなって思います。

妊活や不妊治療はまだまだ偏見が強かったり、家族や周りからの圧力と、治療や生活に強いられる負担から、夫婦の関係性が悪化してしまったり、心が疲れてしまうということも多く見受けられます。

こうしてドラマで発信されることは、この現状を知らない方に、ノンフィクションという形で訴えかけられる素晴らしい手法の1つだといつも感じます。

ドラマの最後では...ぜひ見てみてください!!


こんなゆるゆる記事もたまに書きます笑
ダラダラ書いて長文になってしまいました…すみません💦
へー程度に読んでいただけると嬉しいです😊

以上助産師RICA🦊でした。


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