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コロナ禍で変化する飲食市場の変化と新たなビジネスモデル

今回、Ordeeリリースに伴い、弊社が向き合っている市場の一つであるデリバリー市場について考察を書いてみたいと思います。

初回の記事はアメリカのデリバリー市場に関する考察です。

※社内メンバーとの共著です。

はじめに〜コロナ禍での飲食市場の変化

コロナ発生後、外食産業は軒並み打撃を受けており、全体で昨月比79%にまで落ちています。
特に、コロナの煽りを受けている業態ははっきり分かれていて、居酒屋業態は昨月比25%と絶望的な数字になりました。

緊急事態宣言解除により一時的に回復するものの、コロナ前まで回復することはほとんどないのではないでしょうか。

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さらに、坪単価売上15万円の店舗でも、昨対70%を割ったタイミングで営業利益が赤字になります。
下記シミュレーションに基づくと、一部の店舗を除いてファストフード以外のほとんどの業態は赤字店舗を抱えることになっているのが予想されます。

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そのため各社生き残りをかけた事業転換を発表しています。
特に、外食産業が昨対16%で減少しているのに対し、デリバリー市場は昨対44%で急成長していることからデリバリー・テイクアウトへの参入が相次いでいます。

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コロナによって変化した価値観が後押しになり、減った来客数を補填するための重要な集客チャネルとしてデリバリーに挑戦する企業が増えている状態です。

このように注目されているデリバリー市場ですが今後どのような市場になっていくのでしょうか?
今回は3回にわたり、アメリカ・日本の市場の比較から未来の飲食店のあり方について考察してみました。

アメリカのデリバリー市場規模

先行しているアメリカ市場ですが、まだ成熟していない成長市場です。2025年には4.2兆円にまで成長することが予想されています。

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市場の成長を受けて、主要プラットフォーマーのシェア率も変化してきています。
かつてはGrubHubというアメリカ版出前館のプラットフォーマーがシェア率1位でしたが今やDoorDashがシェア率を獲得しています。

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DoorDashのシェア率獲得は主に下記要素を押さえたことが大きいと言われています。

1.品揃えの拡大
DoorDashは非掲載店舗もデリバリーの対象となっています。選択肢が豊富になりユーザーが使う理由となります。

2.郊外への積極的進出(Tier3以下の市場成長率がTier2以上よりも高い)
郊外を中心に進出することでUber Eatsなどの先行サービスとの競争を避けながらシェア率を獲得していきました。

この戦略は日本でも通用する可能性があり、woltが郊外への積極的進出をしているのはDoorDashを参考にしているのかもしれません(後述)

デリバリー市場で成長する新たなプレーヤー郡

アメリカでは様々なビジネスモデルが立ち上がっており、ゴーストレストランだけではないレストラン形態が広がっているのが特徴です。

ビジネスモデルを「自社運営有無」・「自社ブランド有無」の2軸に分けて下記図に整理してみました。

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1.ゴーストレストラン
日本でも注目されているレストラン形態。イートインを持たずデリバリー専門で売り上げを立てるレストラン。
2.バーチャルレストラン
他社レストランの非稼働のキッチンを活用して自社ブランドを展開するサービス。
3.フルフィルメントパートナー
自社キッチンの非稼働の時間帯を活用して他社のブランドを販売する飲食店。
4.KaaS(Kitchen as a Service)
上記プレーヤーに対してキッチンを貸し出すサービス。初期費用を抑えたり、デリバリーが人気な地域に素早く展開できるメリットがあるのが特徴です。

参入プレーヤーの事例

このようなビジネスモデルの広がりを受けて、アメリカでは既に大手飲食店がバーチャルレストラン事業に乗り出すことを発表しています。

特に、earl enterpriesという会社が運営しているvirtual dining conceptsという会社はyoutuberや芸能人と積極的にコラボすることでブランド認知度を一気に高めています。

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バーチャルブランドは日常生活の導線上に看板がないため、第一想起をどうとっていくかが重要になります。
そのため、投資対効果よくリーチができるインフルエンサーを積極的に活用していくのがセオリーとなりそうです。

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・YoutuberとコラボするMr. Beast Burger
Youtuberがバーチャルブランドを発表してから1日で300店舗拡大。特徴として短期間で全国にブランド展開をすることができるのが魅力的です。
・マライアキャリーがクッキーを販売開始
あの歌姫、マライアキャリー がついにクッキーを販売開始!一時期サイトはシャットダウンされるほど人気に。
しかし、なぜクッキーなのかはわからない、、、

一方でデリバリープラットフォーマーは自身のビジネスモデルの垣根を超えて事業の展開を始めています。

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・Ordermark
注文管理一元化のOrdermarkはバーチャルブランドのプラットフォーム、next biteを開始。
・DoorDash
KaaS事業に参入しており、土地代が高い場所で安く出店できることを売りにしてます。

デリバリーの媒体数が増えることで業務を効率化するサービスも登場してます。

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・Ordermark
デリバリーの注文一元管理サービスを提供。
アメリカではデリバリーの複数掲載が当たり前で、それによりデバイス地獄が起きています。Ordermarkを利用すればデバイス一つで注文一元管理ができるので便利。
ソフトバンクビジョンファンドから125億円の調達を受けて話題に。
・Cloud kitchens
イギリス・アメリカだけでなくドバイといった全世界にゴーストレストラン専門のキッチンを提供しており、元UberCEOのトラビスが経営に関わっているサービス。
・Reef kitchens
駐車場を買い取り、ゴーストレストランにするReef Kitchens。
車社会で広大な駐車場が当たり前のアメリカならではのサービスです。
こちらもソフトバンクビジョンファンドから調達済み。

まとめ

このようにアメリカではデリバリー市場の立ち上がりに伴い様々なプレーヤーが参入を始めています。

特にバーチャルレストランは自社ブランドを展開したい飲食店とキッチンの非稼働時間を売り上げに変えたい飲食店をマッチングする飲食業界のシェアリングエコノミーとも言えるのではないでしょうか。

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