今だけだから許してほしい
午前10時、目が覚める。昨晩やけに身体が怠かったけど、よく寝たせいか少しスッキリしていた。
ここ最近日曜日になると向かいのマンションの一室から複数の大人が笑う声が聞こえてくるようになった。
大通りを走る車の音は聞こえないのに、その笑い声は騒音と言ってもいいほどによく通り、我が家の寝室にまで響いている。
でも、今日そのマンションから聞こえてきたのは歌声だった。合唱のような、優しい歌。これなら毎週聞こえてきても悪くないな、なんて思いながらベッドからのそのそと這い出した。
休日の朝食には納豆ご飯を食べるのが習慣になっている。
東京にはなかったけれど、こちらのスーパーには甘いタレがついた納豆が売っていて。お醤油も甘口が通常だから、納豆のタレに甘いものがあってもおかしくはないか、と納得した。
正直私は甘いタレの納豆はなんだか物足りない気分になる。だから、塩気のあるものを追加して食べるのにハマっている。
例えばキムチ、わさび、梅、柚子胡椒、塩昆布など。これらは間違いなく美味しい。卵に胡麻油を少し垂らしたものも満足度が高い。
意外だったのは、トリュフ塩をパラパラとかける食べ方。これはお店のスタッフさんが教えてくれたんだけど、トリュフの香りがよく楽しめて思いのほか納豆とマッチするので大好きになった。
そして、朝食を食べながら溜めていたドラマやアニメを消化する。
今まであまりアニメは見ない人間だったけど、アニメの面白さに気づいてしまったかもしれない。せっかくアマプラに登録しているわけだし、たくさん見ないともったいないよね。
ふと携帯が鳴った。仕事中の夫からLINEだ。
「身体は大丈夫?」
普段具合が悪くてもあまり心配した素振りを見せてくれないので、こういう風に心配してくれるのは素直に嬉しい。
「よく寝たから大丈夫」と返しておいた。
そうこうしているうちに午後になり、急いで夕食の買い出しにスーパーへ向かう。
日曜日の昼間は商品が豊富に並んでいるから選ぶのが楽しい。平日の夜に行くと野菜やお肉は売り切れてしまい、欲しいものが手に入らなくて悔しい思いをすることがよくある。だけど今日は半額のお肉が買えたのでとても機嫌がいい。
買い物を終えて帰宅した後は、おやつをつまみながら本や漫画を読んだり、みんなのnoteを巡ったりする。この上なく幸せな時間だ。
よく学生時代を人生の夏休みだというけど、ほどほどに働きながら好きなことをして過ごすこの日々の方が、私にとってはよっぽど人生の夏休みだと思える。
何にも縛られず、誰にも邪魔されない私だけの時間。思う存分自分の時間を満喫したい。きっと、こんな過ごし方ができるのは今だけだから。
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