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アーユルヴェーダの領域①健康な人の健康を守る方法

こんにちは!
鍼灸マッサージ師・アーユルヴェーダセラピスト&ライフカウンセラーのくぼいりつこです。
 
前回は、アーユルヴェーダの定義、生命の定義、健康の定義について触れ、アーユルヴェーダがなぜ「生命の科学」といわれるのかについてお話ししました。

アーユルヴェーダは「生命について知り、人生を楽しむ方法を教えてくれる知恵」であり、「幸せな人生や不幸な人生、生命について良いものや悪いもの、寿命を測る方法」を教えてくれます。
それらすべては生き方につながっているため「生命の科学」といえます。

今日はアーユルヴェーダの領域についてお話ししたいと思います。
先日の記事で、アーユルヴェーダは体系化された医学の知識であるということについて触れました。それがどのように活用されているのかというお話になります。
 
アーユルヴェーダの領域は大きく分けて二つに分かれます。
(1)健康な人の健康を守る方法
(2)病気の治療

今日は(1)健康な人の健康を守る方法についてお話しします。


(1)健康な人の健康を守る方法

ひとつめは、健康な人の健康を守る方法(以下アーユルヴェーダ式健康法)です。

アーユルヴェーダは予防医学であるという記事や本をよく目にします。
私の先生は、アーユルヴェーダ式健康法を実践することで健康を守り、もっと健康になる結果的に病気を予防することになるため、アーユルヴェーダ=予防医学は正しくないと言っていました。
それを聞いたときに、どちらに重きを置くかによってポジティブさが変わってくるなと思いました。

アーユルヴェーダは健康を守り、より健康になることを目指すもので「健康」の意味合いが強く、予防医学は病気にならないことを目指すもので「病気」に着眼点を置いています。
 
私は「健康になる!」ほうが「病気にならない!」よりもイキイキして前向きな感じがして、やってみたい!ワクワク!となりました。
 
少し前置きが長くなりましたが、アーユルヴェーダ式健康法とは「健康を守り、維持し、もっと健康になるための方法」です。

これらは大きく5つに分かれます。
① ディナチャルヤ
② リトゥチャルヤ
③ ダルマチャルヤ
④ ブラフマチャルヤ
⑤ ラサーヤナ

それではひとつひとつお話ししていきます!

① ディナチャルヤ

ディナチャルヤとは「1日の過ごし方」、「ライフスタイル」です。
起床してから就寝するまでの過ごし方が約40項目あります。例えば、起床時間は48分~96分前にするといったことです。
 
これらは古典の内容に書かれているものなので、現代に生きる私たちが40項目を全て実践するのはなかなか難しいです。

ですので、ディナチャルヤのなかでも重要な食事、運動、マッサージ、瞑想を実践するだけでも体の変化を感じられるのではないかと思っています。
ざっくり説明すると、腹八分目の食事一日30分以上の運動オイルマッサージ呼吸に集中する時間をもつことです。

言葉でいうのは簡単ですね~(笑)
これらはその人の体質や季節によっても異なりますので、詳しい内容や方法はまた別の機会にお話ししようと思います!

② リトゥチャルヤ

リトゥチャルヤは「季節の過ごし方」です。代表的なものは「パンチャカルマ」があります。
 
アーユルヴェーダでは、季節によって蓄積しやすいドーシャがあり、ドーシャが過剰になったことでなりやすい病気があると考えます。
たとえば、冬~春にかけてはカパ(水)の時期なので、冬の間に溜まったカパが、春になると鼻炎や気管支炎などの不調として出てきやすくなります。
 
「パンチャカルマ」は季節の経過とともに蓄積したドーシャを季節の変わり目に排泄する方法です。
 
パンチャカルマについては今後触れることはあまりないかと思いますので少し詳しくお話しします。
 
パンチャカルマは5つの治療という意味で、私たちアーユルヴェーダセラピストが提供できるものではなく、アーユルヴェーダ本場であるスリランカやインドに行って、アーユルヴェーダドクターの指導のもとで受ける治療になります。最低3週間はかかる大掛かりな治療です。
パンチャカルマは前処置、本処置、後処置に分かれています。
 
前処置は溢れてしまったドーシャを元に戻す目的で行います。食欲と消化力を向上させ、オイル療法や発汗療法でデトックスを行います。
 
本処置は点鼻療法、嘔吐療法、下剤療法、浣腸療法、瀉血方法の5つがあり、5つの療法はこれらのことを指します。
全てに共通していることは「吐き出すこと」です。パンチャカルマはわかりやすく言うと「ドーシャが異常に溜まっているところの近い穴から薬を投与して、近い穴から排出させること。」です。
 
ヴァータは大腸に溜まりやすいので、肛門から薬を入れて、肛門から吐き出させます。
カパは胃に溜まりやすいので、カパが増加したら口から薬をたくさん入れて口から吐き出させます。
ピッタの場合は小腸に溜まりやすく、口と肛門の中間にあるため、口から薬を入れて、肛門から出します。
これらをその人の体質や状態に合わせてドクターが判断して行っていきます。
 
本処置のあとは後処置を行います。
後処置は体をとにかく休ませることで、いろいろな制限があります。
消化の良い食事をしなくてはいけない、昼寝、性行為、テレビ鑑賞もNGとされています。
このほかにラサーヤナといって若返りの薬を処方したりします。
 
私はまだパンチャカルマを受けたことがないのですが、受けた人に話を聞くと、かなり辛いそうです(笑)。
特に薬をたくさん飲まなくてはいけないのがキツイと言っていました。
でもパンチャカルマを受けた後は体が生まれ変わったように感じると言っていたので、私もいつかスリランカで受けてみたいな~と思います。
生まれ変わったまっさらな状態の体に若返りの薬を飲めばとっても若返るんじゃない!?なんて期待してしまいマス。

③ ダルマチャルヤ

ダルマチャルヤは「道徳的な過ごし方」のことです。
ダルマは正しい行い、道徳、礼儀を意味します。ダルマチャルヤは個人の健康にももちろん必要ですが、社会の健康にも必要になります。
人を疑ったり、蔑んだりすることアダルマ(正しくない行い)は相手を傷つけることにつながり、それを見た人は傷ついたり、イライラしたりとほかの人にも伝搬していきます。
 
人にやさしく、礼儀正しく、愛情深く接することで社会全体の健康へとつながるのではないでしょうか。

④ ブラフマチャルヤ

ブラフマチャルヤとは「神様みたいな過ごし方」です。
ブラフマは、創造の神で、アーユルヴェーダを作った神様でもあります。
その神様のように過ごすということですね。

⑤ ラサーヤナ

ラサーヤナとは、「若返り法」です。
 
ラサは栄養、アヤナは行き渡るを意味し、ラサーヤナは「栄養が行き渡る」という意味です。
 
ラサーヤナで得られる効果は、若返り、長生きできる生命力が得られる、記憶力や免疫力を高める、病気の予防です。
 
年を取ることは止められませんが、ラサーヤナを実践することで、正しく年を取り、老化を遅くすることで病気の予防につながります。
 
ラサーヤナの意味である「栄養が行き渡る」というのは、食べ物を消化して栄養を作り、それらが細胞に届けられてエネルギーとして使われる状態であるといえます。
ラサーヤナを実践することで、内臓や細胞までも元気でいられ、活発に動けるようにエネルギーを生み出してくれるからだを手に入れられるといことですね。
 
最初に紹介したディナチャルヤ(一日の過ごし方)で早寝早起き、腹八分目の食事、1日30分以上の運動や瞑想を実践することもラサーヤナにつながると私は思っています。
また、私が提供するオイルマッサージや鍼灸といった施術も若返り法のひとつと言えると思います。
 
ラサーヤナには栄養価の高いハーブを使った特別なサプリメントがあるのですが、それは(2)病気の治療 のなかで触れていきますので今日はこの辺りで。

今回はアーユルヴェーダの領域のひとつである「健康な人の健康を守る方法」についてお話ししました。
今日はお話しした内容は、アーユルヴェーダ式健康法にはこんなものがあるのか~という概要になりましたが、ディナチャルヤ、リトゥチャルヤ、ラサーヤナに関してはこれからもちょこちょこ触れていきますので、その時に具体的にお話しできればと思います!
 
ここまで読んでくださりありがとうございました~!

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