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会員制の粉雪【毎週ショートショートnote】


掲示板に、城からの張り紙が出された。

『粉雪配付。会員限定』


会員たちは、すぐ桶を手にとり城へ向かった。
すでに行列。
皆、珍しい粉雪を手に入れようと、寒い門の前でその時を待った。


この国では、雪を食べる。
食べると、長寿になれるとか。
殆どの国民は地面に積もった雪を食べるが、会員は王が手配する新雪を口にできる。
会員費は高いが、美しく甘い白雪に魅了される者も多い。

その中でも粉雪は、格別に甘いとか。
会員たちは、桶に山盛りの粉雪を入れてもらい、ホクホクと帰路についた。




「搬入トラックはまだか!」
王が怒鳴る。
家来たちは、せっせと倉庫から"粉雪"の入った袋を運ぶ。

家来の一人が恐る恐る口を開いた。
「大雪で、輸入先のトラックが立ち往生を‥」

「ならばすぐに迎えに行け!愚民共から金を取るチャンスを逃す気か!」
王におびえ、家来はすぐに指示を出した。

「倉庫の“砂糖”の運搬が終わった者は、雪かきに迎え!」

この国では、誰もが雪に支配されている。


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2回目の参加にして、すでにお題の発表が楽しみになっています。
決められたお題で考えるのって楽しい!

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