『ウイスキーは儲かる』⑤〜では『カクテルは儲からないのか?』バーテンダーししょーのBAR&飲食店の経営学

今までの『ウイスキーは儲かる?』シリーズの新たな観点から

対比として、『カクテルは儲からないのか?』

文章の中からカクテルを作るのを想像しながら考えてほしい。

今回は『マンハッタン』を例に挙げてみよう。

当店のマンハッタンの価格は¥900

マンハッタンのレシピは

ライウイスキー 45ml
スイートベルモット 15ml
アロマチックビターズ 1dash

これをミキシンググラスに入れてステアする。そしてチルドされたグラスに注ぐ最後にマラスキーノチェリーをカクテルピンに刺して飾る

と、これがマンハッタンの一連の流れだ

それに対して、

マンハッタンで使われているライスキー(当店ではワイルドターキーライ)ストレートで注文されたとしよう。

当店でのワイルドターキーライの価格は1ショット1000円だ。

メジャーカップに30ml。それをテイスティンググラスに注ぐ。そして、チェイサー(水)を添える。

これで終わり。

比べてみると、一目瞭然であるのがわかるだろうか。

マンハッタンには本来30mlで1000円のウイスキーが45ml使われているのだ。その時点で既にウイスキーの方が儲かるという結果が出ている。

そして、手数の多さ、使う道具の多さ、さらにはそれによって出た洗い物の多さ、これらを加味すると、ウイスキーをストレートで注いだのに対してかなりの負荷が伴ってしまう。

単純に損得だけで言ってしまえば、ウイスキーだけを売っていくのがかなり得であろう。

では、なぜカクテルと言うメニューが存在するのか?

正確にいうと、カクテルをはじめとしたBARにおいてのスタンダードメニューが必要なのである。

ウイスキーだけしか注文しないとか、もしくはウイスキーしか飲まない、というお客は実はそうはいない。

よく考えてみよう。

まずは喉が渇いてるからジントニックが飲みたい

とりあえずジントニック!

もしそこでジントニックがないと言われたら?

ここから先は

1,263字 / 2画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?