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こんな夜は、ふたりに会いに行こう

ありきたりで使い古された言葉やなって
いうひとがいても 構へん。

わたしはやっぱり思う

笑っていてよ

笑っていようよ

笑えたらいいね

このしあわせかみしめよう

小さな 消え入りそうな、それだけど

そうなんだ
わたしは それをくれる
あなたのその笑顔がすきなんだ
いつまでもその風に吹かれていたい

泣き笑いでもいいよ

そして 一緒に笑おうよ

森はな先生の子どもの本にじろはったんがあるの

賢治の子どもの本に『虔十公園林」がある

ほんとうの さいわいって なに?って問う

みな変わっていく中で ずっと
変わらずにいて 子どもたちの憩いの場であった
公園林が育んだもの

「はあはあ」と笑っていただけの男の話。

どんなインテリの言葉より素晴らしいと
あの頃思えた。子育ての頃。

途方もなく大きな町で 出くわした
つぶやきの棘が 胸に刺さって
少しの血が流れそうな時も
あのふたりに会いに行くと癒されたんだ

また
泣けるんだ

そう
わたしも あの日 笑うしかなかったな



親友のしんやんが 戦死して帰ってこない。
それが理解できないじろはったん。
では、お手紙を書こうと言われ 字の書けない じろはったんは一生懸命字を勉強し、「し・ん・や・ ん」の文字が書けるようになる。
 和尚さんの、「し・ん・や・ん」の文字を丈夫な泰山木(た いさんぼく)の葉っぱに書き、しんやんが眠っている海に流そうという考えに従い
じろはったんは流す。

 このじろはったんといい、けんじゅうと言い なぜこれほどに
こころ休まるのだろう。体温の温かさが伝わる。木枯らしの夜、
あのねこは寒さに震えてないかなんて思いながら このふたりの
物語を読み返すのが眠れない夜の一番の薬になった。

ああ 冷たい冬の雨が降り出した。あのこは大丈夫かな。。濡れて
震えてないだろか。
 こんな夜、忘れているものを思い出すんだな。

胃の不調が続きお医者様に行った。
原因はわかっているので 結構きつめの薬を出された。
「ねえ 眠れない時 どうしてる?」と同僚に訊くと
今更だけど「眠たくなるまで起きてる」という。
横になると夜間痛のように胃痛が襲ってくる。
起きてよう。あたたかい白湯がしみいる。
そう
眠たくなるまで こうしていよう。
PCも落として 夜のしじまで このふたりに
また会いに行こう。


湯布院の茶房天井桟敷で流れる曲。(曲名は合ってるかどうかわからない)グレゴリア聖歌。
この茶房に 初めて訪れたのは30年前だったか。ずっと また行きたいと
思ってやっとこの秋に行けた。外国観光客でごったがえす道とは違い
金鱗湖を臨む店は やはりあのままだった。

待っているひとがいるっていうことの
しあわせ。

あなたへ
 おやすみなさい。



もし 心に留まって下さったら、、、本を出すと言う夢に使わせていただきます。