遺伝子主義は人間を滅ぼす

 自分もIQが高ければ、身長が高ければ、白人金髪イケメン野郎だったら。そう思ったことは誰しもが一度はあるだろう。しかし、それは危険な考えだ。これは倫理とか道徳の話ではない。

品種改良

 人間が人間を品種改良することは今のところないだろう(ロシア中国辺りならやってそうだが)。そして我々ホモサピエンス、言ってしまえば大型哺乳類の品種改良は結構難しい。生殖行動が可能な年齢になるまで時間がかかるからだ。
 人類と密接に繋がっている家畜と言えば犬が代表的だが、その品種改良はご存じの通り凄まじい。犬の家畜化は一説によれば一万年以上前から始まったとされているので、その歴史の結果がバリエーションを生んだのだ。
 さて、皆さんはドゴ・アルヘンティーノという犬種をご存じだろうか。南米で作られたこの白い犬は、狩猟のパートナーとして品種改良を受けた。大型なのに中型犬の身のこなしを持ち、力もメチャクチャ強い。一般人なら平気で嚙み殺すだろう。元々は闘犬として使われていたのでファイティングスピリットも中々の物らしい。犬の世界なら彼らは「強者」だ。
 人間の世界には面白い部族が居る。ムンドゥルク族だ。戦闘能力が高い男性がモテるという文化を持っている。選択圧、ある意味では品種改良の結果、彼らは血糖値が上がりやすいそうだ。つまり一族皆キレっぽい性格で、非常に競争的に生きている。
 そのような文化を持っている部族の土地は豊かなことが多い。他人と協力しなくても食べ物が手に入るから、男がモテるにはシンプルに強いかどうか、闘争に抵抗が無いかが重要になる。
 読者諸君、ムンドゥルク族で一番の男を日本に連れて来た時、果たして強者になれるだろうか?普通に就職して働くのならキレっぽい性格は不利だし、協力して何かを成し遂げる能力が無いのはキツイ。もし乱闘騒ぎでも起こそうものなら刑務所に入れられてしまう。
 結論、強者はある環境に適応的かどうかで決まる。ありきたりだがこれが答えだ。
 「iqが高いのは、どんな環境でも有利だろ?」
 そうでもない。IQが高い人は精神病にかかりやすい。自己免疫疾患、喘息も多いらしい。知能の高さと比例してストレスが増えるのだ。人間関係の構築に障害を抱えやすい。親の理解が得られず家庭でも孤立しやすい。
 IQが高い人には一兵卒は難しいだろう。敵兵と撃ち合っているときに、「そもそも、この戦争には意味があるのか?」「指揮官の命令が非効率的で従いたくない」などなど、頭が良いがゆえに自立した考えを持ってしまえば、使い捨てのコマとしての能力は低いと評価される。反抗的だとみなされやすいのだ。
 人間関係でも落ちこぼれ扱いされ易い。なぜなら、本当に頭が良い人がエンジンフルスロットルで喋り出すと、殆どの人が理解できないからだ。理解できないことを喋る→あいつは馬鹿、あるいはオカシイやつ。普通の人はそう考える。
 馬鹿な人がそう思うのではなく、普通の人がそう思うのだ。世の中は偏差値45~55の人間が大多数だ。馬鹿は少なく、賢い者も少ない。才能あふれる人間は「普通の人」に弾かれるのだ。
 これは私の偏見でしかないが、高IQ男性を求める女性は、多分「普通の人」だ。もし運よく賢い子どもが生まれてきても子供を理解してやれないし、間違った育て方をする可能性すらある。父親がいるのならまだましだが、精子バンクで子供を作った場合地獄だろう。子供にとっての地獄だ。

おわり


 この文章は割と思い付きで書いたので、なにか間違っている点があったら指摘してくれ。では、良い一日を。


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