#11【過去に遡る2】検査 2022年6月10日

6/10(金) 日本赤十字社医療センター

朝一で仕事を終わらせて、タクシーで広尾にある日赤医療センターへ。

母親の付き添いではこの病院には何度か来ているが、自分のための通院は初めて。というか骨折もしたことがない自分にとっては、みるもの全てが新鮮だ。病院ってこうなのね。

11時、予約時間通りに受付を済ませる。初の病院過ぎて、勝手がわからない。がいろんな人に聞きまくってなんとかなるもんだ。
しかしお年寄りの人数が多いな。となんか冷静に病院内を見回している自分がいた。

1時間くらい待って、診察に呼ばれた。年配の女性の医者。
冷静にでもしっかりとした話し方は好感を持てる。淡々と普段の自分について質問をして、カルテに記入してく。あまりにも他人行儀で、自分のことなのに、なぜか笑えた。

今日の予定を聞かれ、大丈夫ですと答えたら本日造影剤のCTをやってくれるとのこと。「自分の状態が早く分かったほうがよいでしょ?」と俺が思っていることを言い当ててくれた。どっちに転ぶにせよ、早く自分の状態は知りたい。そう、どっちに転ぶにせよ。

すぐに予約してくれて、CT受けられることになった。当たり前だけど人生初のCTだ。採血をして、その結果待ちで1時間程度待たされたが、CT室に通された。

よく映るようにだと思うが、造影剤を入れられて(造影剤という言葉を知らなかったが、造影剤とは、画像診断検査をより分かりやすくするために用いる薬剤全体を意味するそうだ。 主にCT検査、MRI検査などで用いられる造影剤は静脈に注射し、血管造影検査(ANGIO)ではカテーテルを用いて直接血管内に注入する。ということらしい。)トンネルに入れられた。造影剤の効果で下腹部が熱くなりながら、人生初CT。これで俺の体の内部がみえてしまうんだなと思うと、なんか不思議な感じがする。CT自体は10分もかからず終了。
検査結果は来週の金曜日。さて、どうなるか。

正直不安しかないし、今の段階で誰かに相談も出来ないので、祈るしかない。特にやれることは、今はないんだろうな。

その夜、妻と話した。

家族が全員落ち込んでもよいことはないので、無理をしてるんだと思うが、妻は変に慰めることも、頑張ることもなく、いつも通りの通常運転。
非常に助かる。

「大丈夫。あなたは死なないわよ。だから私はいつも通りに過ごすからね」

今の自分は前がちょっとむけない。自分がなんとかして踏ん張って、頑張らなくちゃいけないんだと思ってた。
子供もまだ小さいし、私がいなくなったら家族はどうなるのか。弱音は吐けないなと。不安は非常に大きかったのだが、知らず知らずに無理をしていたのかもしれない。
そんな中私に、妻のこの一言は大きな安らぎと勇気をくれた。
寝るときに、自然と涙が流れた。

病気になってから初めて、泣いた。


いつもありがとう。

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