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Runaway girl

♪ラーンナウェイ~とぉっても好きさぁ~
ラーンナウェエ~イ♪
唐突にシャネルズ登場!すいません…歌ってしまいました。

今回のキーワード「家出」
英語でなんて言うんだろうって調べたら
「Runaway(ランナウェイ)」とでた。
おお~!知らなかった!なんか かっこええ!
シャネルズのお陰で知ってる単語だ。
「逃亡者」とか「駆け落ち」とかもランナウェイだって。
なんか面白くなってきたぞ!わくわく…
そんなかんなで脳内でシャネルズがwow wow woo~♪

…シャネルズ愛を語りたい訳ではない。アブナイ アブナイ。

むかしむかしの出来事を
回想記として書きたいなと思いたちまして。
そんなものが面白いかはわかりません。
何回か書きたいな。
思いっきり自己満です。はい。

「もう!出て行くから!」

今回は
家出願望というか
家出にあこがれていたっぽい
私の子ども時代の話でも。


私は良く母親に怒られる子どもだった。
怒られる理由は覚えていない。怒られることをした自覚がない。

怒られると
押し入れに締め出されたり、
外に追い出されたりなんて当たり前。
今の時代は、締め出しなんてしたら!恐ろしい!通報されるかも!
大きな声で怒るだけで虐待と疑われて近所から通報されるかもしれない。
そうなるのを防ぐため、怒鳴ってしまう前にスーッと窓を閉めたりと、
なんか気を使いながら怒っていたりする。(経験ありません?)
が、しかし!
昭和って、全然そういうのが普通だった時代。
まぁ分かりやすく言えば
サザエさんとかジャイアンのお母さん、のび太君のお母さんといえば
ピンとくるはず!

そんなんなので、当時、正直あまり母のことは好きではなかった。
でも私も私でかなりやんちゃだったことは認める。
負けん気が強いから手を焼いたとおもう。
幼稚園の頃から親は呼び出されていたことも
当然知る由もなし。
そういう情報はある程度大きくなってから聞かされるから
恥ずかしいったらありゃしない。

まあそんな性格だったからしょっちゅう怒られ
あの常套句「家出するから!」を言い放ち
よく家出をしていたのだ。

家出といっても、
近くの団地のポスト下にうずくまって隠れてみたりとか
木に登って探されるのを待っていたりとか
なんともかわいい家出ですよ。(たぶん)
親の気を引くためにやっていたのか、困らせたかったのか。
本当に母親には申し訳ないのだが
そこは幼き記憶で定かでないのだけど、
たぶん家出って感じが
実は好きだったのかもしれない。
その場の勢い、ノリってやつです。困ったやつだ。

ただこの日はちょっと違った。
いつもの「かわいい家出」ではなかった。
やっぱり怒られて、お互いかなり気持ちもヒートアップしたのであろう。
泣きながらも、いつものようにノリで家出を考えたのだろうけど
その日はそれこそノリで遠くに行こうと決心したんだと思う。
もうそれは想像でしかないんだけど…。

夏のとある日。
ビーサンかピコピコ歩くと鳴るサンダルを履いていたような。
Runaway girl 我が道をゆくの巻
はじまり はじまり

バスに乗って行ける距離に従妹が住んでいた。
何回も母親に連れられてバスで遊びに行ったことがある。

従妹の家に行こう…無意識でバス停がある大通りのほうに歩く。
当時お小遣いはもらってなく、
当然、お金は持っていない。
バスでは行けない。じゃあこのまま歩いて行こう…。
子どもが考えることなんて
そんな感じだろう。

なんか家出って楽しい!
てくてくバス通りを歩いて、冒険者のごとく
ゴールを目指して!
あ!突然私があらわれたらなんて思うかな!びっくりするかな?
ドキドキする!…くらいは思っているはず。
(叱られて家出中を忘れているかも。)
とにかくひたすら歩く歩く。

まるで、あの人気番組「はじめてのおつかい」みたいだ!
カメラマンがいたら安心なのに。

晴れていたこの日。のどが渇いた。あ、水道あった!飲んじゃえ。
うわ。ぬるくてまずい…。
ん?道はこっちであってる?バスが通り過ぎた。バス停がある。
うん。これであってるはず。

アナログな時代だから知らないということが怖くないんだろう。
目印がバス停とか、行きかうバスだけなんて
今思えば、なんと無謀な。
心底、自分の子どもがこんなんでなくて良かった…。
今だったら、いや
私が親だったら心臓がいくつあっても足りないぞ。
(おいおい…)
当然、怒られて家出したのだから準備なんてしていない。
地図なんて持ってないし、スマホなんてものなんてない時代に
いつものバス停があるからこっちで大丈夫だなんて、
根拠のない自信は一体どこから生まれたのか?!
それともこういう体験から作られていくのか。

色んな風景が見えたであろう。気持ちは高ぶっているけれど
さすがに風景までは覚えていない。
でも私とすれ違った人がいて、
子どもが一人で歩いているのに気が付いただろうか。
どう思っていただろうか。少なくとも家出って思わないよね。

「あそこの曲がり角に見覚えがある…たぶんこの坂を上ったら
従妹の住んでいる団地があるはず!ここだ!!」
やったー!
迷わず、誘拐されず、事件に巻き込まれず、事故にあわず
無事に着いたのだ!
最強ラッキーガール!最強ランナウェイガール!!

調べてみたら片道8キロ弱。遠い遠い道のりをひたすら歩いていた。
子どもながら、達成感でいっぱいだったとおもう。そうとう疲れたとおもう。
そして怒られて家出しているのなんて事実を忘れてないけど
どうでも良かったと思う。

さてここからが問題だ。私は家出してきたのだ。
のこのこ能天気に従妹の家に行けるかといったら
事情が事情なので、さすがに子どもの私でも躊躇したんだろう。
行けなかった。行けるはずがない。

そこである作戦を考えた。
従妹は団地の上の階に住んでいたので、
窓から見えそうな角度の下に立ったのだ。
そしてひたすら眼を飛ばし続ける(笑)
なんて陳腐な作戦。工夫もなんにもない。
見つからなかったらどうするつもりだったのか、
このころの自分に聞いてみたい…。

しかし!こんなちびでも神は見放さなかった。
ラッキーガールは運の強さをここでも発揮し作戦成功!
従妹にまんまと見つかり1人で来たことを驚かれ
とうぜん家に呼ばれた。
従妹のおばさんから事情聴取。すこしのお叱りを受ける。
とうぜん母親に通報。
こうしてあっけなく家出は幕を下ろすのであった。

後になって幼馴染に聞かされたのだが
警察に通報一歩手前だったらしい。
そしてこれも叔母さんから聞いたのだけど、
私を叱りすぎだと母は父さんに叱られたらしい...。
あ~想像がつく。夫婦間が冷たくなってる感じがわかりすぎる。
すまん、母。
当人はそんなことになっているとは知るよしもない。
その日は従妹の家に泊まって浮かれて楽しく過ごし
とにかく私は怒られたことを除いて、とても楽しい1日になった訳である。

次の日に母が迎えに来た。
どうやって家に帰ったかはなぜか覚えていない。
人間、都合の悪いことは忘れるようにできている。それだ きっと。
でもちょっと怒っていて、心配で疲れた母の顔はうっすらだけど覚えている。怒られると思ってるからまともに顔を見れなかったから、
記憶の中のその時の母の表情はぼんやり。
家出して困らせた後ろめたさがあっただろう。

わたしの家出史上、遠出した家出はこの時だけ。
(黒歴史…確定)
そして
たぶんこれが最後の家出だったと思う。
かわいい家出も封印した。


あれからずいぶんと歳を重ね
昨日のご飯は何だっけ?とか
あの人の名前よ!アレアレ!のアレアレ問題とか
記憶の引き出しがかなり開き辛くなりつつあるのに
不思議に幼き日々の出来事は鮮明に覚えていたりするのは
なんでだろう。ふと思う。
そして記憶はとつぜん降りてくる。
神様のしわざなのだろうか?

最近、電車に乗ったら、乗り変え間違えをして
待ち合わせに遅れてしまった。
また、ある日は
一人で初めて訪れるところに向かうために、
スマホを持ってグーグルマップ片手に
現地を目指したが、音声ガイドの
「南方向300メートル先、右に曲がってください。」
南…?
地図が苦手な私はそもそも南がどこかわからず、
丸く点滅をした現在地マークを見ながら
その場をグルグル回ってみた。独り言いいながら…。

はたから見たら、なんと滑稽な姿だろう。
おばさん。方向音痴がすぎますぞ。

文明の利器をもっても道に迷う私。
そしてなんでも忘れる脳みそ。
もうあの頃のように
野性的なカンは無くなってしまったのだろうか?
もう無理なのか…?
本当に情けなくて、あの頃の野性的な感覚を返してほしい思う
今日この頃なのである。





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