見出し画像

ITは日本を救えるのか!

はじめまして、私は株式会社アルベナのCEOという大役を頂いている相馬と申します。小さいITコンサルティング会社ではありますが、閉塞感のある日本の社会を盛り上げ、世界でも打ち勝っていける、そんな壮大でかつ厚かましい信念を持って仕事をしたいと思っております。以後、お見知り置きを!

本コラムでは、私が日頃から思っているITと社会課題、そして今のコンサルタントについて少し書き記したいと思っております。コーヒー片手にお付き合いくださると嬉しいです。

複雑という名の“聖域”


さて、世の中をぐるっと見回してみると、「これわざとだろ!」って思うような複雑怪奇な事がたくさんあります。

例えば、「えきねっと」で特急チケットを購入する場合です。さあ、チケット購入もしたし、駅弁も買ったし、発券するぞー!とウキウキしながら駅に向かうとなんと設置している自動発券機には丁寧に「えきねっと」で購入したチケットは発券できませんと・・・。慌てて取り消して購入しなおそうとしましたが、発車までに間に合わず駅のベンチで駅弁を食す(実話)という悲惨な目にあいました。

実はこのエリアでは「えきねっと」ではなく異なるサイトから購入しなくてはならないのです。

このような事象が出てくる理由は様々あるので一概に文句は言えはしませんが、一方で旧来からの方法が強く根付いており、そこには歴史とその仕組みに関わった人のアイデンティティが複雑に絡み合っている事が原因という事も往々にしてあると思っております。

先の例でいくと、鉄道会社はエリア毎に会社が存在しており、そのやり方が異なるために発生している事象です。そんなの購入サイトを統合しちゃえばいいんじゃないの?って思ってしまいますよね。でもなかなか出来ない壁が存在しているのです。(ちなみに、交通系ICも今でこそ統合されていますが、昔はバラバラだった)

こんな事は企業のあちらこちらで発生しており、それはもはや企業の聖域として存在しております。(悪い言葉でいうと既得権益なんて表現できちゃうかも)時代が変わり、新しい事に踏み出す時に、そのような聖域を壊さない様に、さらに複雑怪奇なルールが出来て、それが積み重なってしまうのです。

シンプルである事


私の好きな人に「リチャード・ブランソン」という人が言います。言わずもがな、彼は、「ヴァージン・グループの創設者」でもあります。彼はシンプルについてこう説いております。
 

「複雑さ」は敵である。
物事を複雑にするのは、どんな馬鹿にでもできる。物事をシンプルにするのが難しいんだ

私はこの言葉は言い得て妙と感じております。
そして私はこれこそが、日本がチャレンジする「社会課題」と感じております。行政や民間も敵は「複雑」である事です。これを適切にシンプル化していく事で、変化のスピード感が増して、強いてはイノベーションへと続いていくのです。
 
ちなみにリチャード・ブランソンは50歳になるまで売上と利益の違いがわからなかったという逸話があるだとか(笑)シンプルすぎますね〜。

シンプルは変化できる最初の1歩です


これから世界情勢は激しく進化していきます。経済状況、政治状況、環境など変化への対応が必須となる世の中で、「複雑をいかに排除するか?」がベースのテーマとなり、これからのコンサルタントと呼ばれる職業はこれに極限までトライする責務があるのです。

そして誤解しないでもらいたいのは、シンプルとは単純化にするという事ではありません。無闇に色々なものをバッサリ切り捨てることでもありません。

シンプルにするということは、以下の4つのポイントが非常に重要になってきます。

  •  バラバラだったものを標準化する

  •  無価値なプロセスを排除する

  •  誰の責任かを明確にする

  •  同じ“モノ”には同じ認識を持てるようにする

さて、こんな難しい事を実行するにはどうしたら良いのでしょうか?昔だったら到底難しかったかもしれませんが、今の世界は違います。こういったシンプルな世界を実現するためにITがあり、逆説的にいうとITを導入する事で、こういったシンプル化を手にいれる「可能性」を手に入れることができるのです。

なぜここで「可能性」という言葉を使ったか?それは“仕組み”としてはITで手にいれる事はできますが、いかんせんそれを利用するのは“人”です。その“人”がその“仕組み”を使わなかったら?はい、そうです。結果的に変わることが出来ません。私は世の中のIT導入プロジェクトの成功率が悪い原因はここにあると確信しております。

理と情で動くという事


かつて日本でリーダーシップをとってきた、松下幸之助氏や田中角栄氏などはこぞって、「人は理と情で動く」と説いております。こうやって書くと、何だか古い時代みたいに思われがちですが、今の日本こそこの卓説が活かされるべきと考えております。

弊社ではITを使って企業の基幹業務を改善するコンサルティングを実施しております。そして、この基幹業務は長年業務として実施してきた歴史を背負っている典型的な企業の“聖域”となっており、企業の業務改革の一番のポイントともなっております。

こういった業務改革は今や「ERPパッケージ」というITのツールを使って実施するのが正攻法なのですが、ここでは非常に多くのコンフリクトが発生することになります。

ウチは特殊だから、ERPでは業務改革が出来ない

この言葉が出たら、もうお客様は“考えること”を放棄しており、ましてやそうさせた原因は、ERPを引っ提げて業務改革を遂行しようとしたコンサルタントの責任です。おそらく「ERPに則ったあるべき論」のみを説明していたのでしょう。そのような振る舞いでは聖域は絶対にくずれませんね。

聖域にメスを入れるためには、「あるべき論」つまり“理”を丁寧に説いているだけで上手くいく事はかなり難しいと思われます。(それこそあるべき論なんて、ChatGPTにやらせたら良い)どんなに素晴らしい内容があっても、お客様が貝のように閉じこもってしまったら、そのプレゼンや内容は、もはや素人が唱える念仏と大して差がなくなってしまいます。

業務改革で伝えるその内容には“聖域を壊すべき”という事が多く含まれています。誰かの業務を“否定”する事が往々にあるのです。その場合は「動機づけ」と「思い」をコンサルタントがお客様に植え付けさせないといけません。つまり、「お客様という人間を動かす」、これこそが究極のコンサルティングです。

遠藤功氏の著作である「戦略コンサルタント」という本に“心の知性”という言葉が出てきます。なるほど、巧い言葉だなと思いますし、一朝一夕では得る事の出来ない非常に難しいスキルだとも思っております。この“心の知性”は優しいとか好かれるとかそういう単純な話しではなく、言葉(理)に魂(情)を乗せて相手に届かせるスキルと私は定義しております。

日本の複雑化を社会課題の一旦とするならば、IT業界の課題として「本物のコンサルタント」の育成が急務である事は断言できます。そして、アルベナはこれに真っ向から立ち向かっていくという強い決意がある集団だと思ってくださったら幸いです。

最後に


ここまでお付き合いくださりありがとうございます。稚拙な文章で恥ずかしい限りではありますが、少しでもアルベナが「ただのITコンサルティング会社になるつもりはない」という事が伝われば幸いです。

今や人生100年なんて言われる時代ではあります。
色々なライフイベントを通して、時には喜び、感動し、傷つき、落ち込み、そんな事を繰り返していくと、今まで感じなかった事も感じる事が出来るようになってくるでしょう。

鄙びた土地に、鮮やかで美しい色のついた花を咲かせて、いずれは花園にしていける、アルベナはそんな会社でありたいと強い決意と共に本コラムの締めとさせていただきます。

お問い合わせ

Contact Us | ALUBENA Inc.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?