見出し画像

ワーナー・ブラザース ~映画と体験でファンを増やす映画会社~

概略

ワーナー・ブラザースはアメリカのカリフォルニア州に本社を置くマスメディアとエンターテインメントを手掛けるメディア企業です。

「ハリーポッターシリーズ」やバットマンをはじめとする「DCシリーズ」などの映画やアメリカで大人気ドラマとして有名な「ビッグバン★セオリー」など多数の作品を手掛けています。

2023年に創立100周年を迎え、現在はメディアだけでなくテーマパークの運営を行うなどエンターテインメント全般の事業を行う企業と言えるでしょう。


ビジネスモデル

劇場と配信

ワーナー・ブラザースは劇場と配信を両輪とする戦略を展開しています。

コロナ禍において映画館は休館となったり、座席数を制限しての上映となったり厳しい状況が続きました。

また、一方で動画配信サービスの台頭により劇場に行かなくても家で映画やドラマを楽しめるようになり、二重で厳しい状況が続いたのです。

映画の難しいところは公開時期を遅らせればいいという簡単な話ではありません。

映画にも鮮度というものがあり、遅らせればその鮮度が落ちてしまうことになります。

さらに宣伝のタイミングや劇場の編成など簡単に遅らせることができるかというとそうでもないのです。

そこでワーナー・ブラザースは劇場と配信の両輪でビジネス戦略を行うことにしています。

「ビッグスクリーン&デジタル」と呼ばれる戦略は映画会社が直接消費者に映画を届ける配信(=デジタル)と映画館の音響やシートの体験(=ビッグスクリーン)をしてもらうというものです。

ワーナー・ブラザースの配信プラットフォームである「HBO Max」はアメリカでシェアを拡大しており、競合である「ディズニー+」と熾烈なシェア争いを行っています。

映画の配信を劇場公開と同時にするか期間を開けるかという難しい問題はありますが、今後も各社が自社メディアで顧客の囲い込みを行っていくと考えられます。

テーマパークでの体験

ワーナーブラザースは映画事業だけでなく新たな事業で成長していく必要があると考えています。

その一つが配信サービスであり、もう一つが体験サービスです。

2023年にオープンした「スタジオツアー東京-メイキングオブハリー・ポッター」は一般的なテーマパークとは異なり、撮影手法から衣装づくりまで映画製作の裏側を体験できます。


ロンドンの同施設では学校の社会科見学や修学旅行などでも学んでもらう施設にもなっています。

また、オーストラリアには「ワーナーブラザーズムービーワールド」というテーマパークがあります。

絶叫マシンをはじめとする各種アトラクションや映画のヒーローと写真が撮れるなど人気のテーマパークです。

こうした体験ツアーやテーマパークで新たなファンを増やせば、そこから映画にファンを戻すことができます。

このような新たな戦略も進めることで顧客の囲い込みを行っています。

各種指標


ここからはワーナー・ブラザース・ディスカバリーの売上高、営業利益、営業利益率を見ていきたいと思います。

2022年にワーナー・ブラザースとディスカバリーの統合によりワーナー・ブラザース・ディスカバリーが誕生しましたのでこちらの数字で確認していきます。

まず売上はコロナ禍の2020年に微減しました。

しかしその後は映画需要も回復したため売上は増加しています。

2022年は統合によりディスカバリー売上が加算されているので大幅に上昇しています。

営業利益については統合に関連した費用がかさんだため、マイナスの数字となっています。

また、シェアは拡大していますが未だに配信サービスが黒字ではありませんので今後カギとなる配信事業をどう成長させていくかが大事になってくるでしょう。

今後の展望とまとめ

以上のようにワーナー・ブラザースは映画を軸としつつも配信や体験の新事業を行うことでさらなる成長を目指す企業と言えるでしょう。

ワーナー・ブラザースは素晴らしい映画をつくるというシンプルなビジョンに基づいている映画会社です。

今後は洋画だけではなく、日本では邦画を増やすなどその土地での映画を増やすことでファンを増やしていく見込みです。

また、シリーズ物の映画がヒットすると続編もある程度の興行収入が見込めますのでシリーズものの映画を増やしていくかもしれません。

それと同時に激戦市場である配信サービスのシェアを広げ、黒字化を目指すというビジョンでしょう。

その土台にスタジオツアーのような体験型の利益が乗ってくるとさらなる成長につながるでしょう。

人々の心を動かす映画やドラマを手掛けてきたワーナー・ブラザース。

今後は目で見て楽しむコンテンツと同時に全身で体験するコンテンツを提供することでさらなるワクワクを提供してくれるに違いありません。

このような企業研究をブログでもしていますので読んでいただけると幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?