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料理を覚えたのは、小学4年生の時。
我が家は共働きで、夕飯作りはこどもの仕事。
中学生の姉と交代で夕飯を作っていました。
見様見真似にも限界があり、家にあったレシピ本を見ながら、レパートリーを増やしていきました。

その名残か、私はいまだにレシピ動画よりも文字で書かれている方がスッと頭に入ります。

社会人になり、一番忙しい時期の私を支えてくれた本があります。
それは「小林カツ代のクッキングベストヘルプ」という私のお気に入りのレシピ本。
1月〜12月まで毎月届いたその本は、その時期の旬の食材、その栄養価や選び方など、レシピ以外にもいろいろな情報がありました。


そして毎月楽しみにしていたのが、食材を使い切る、1週間分の夕食の献立コーナー。

金曜日の献立には、「1週間働いた金曜日の夜は、がんばらなくても作れる料理がうれしいですね」と書いた簡単レシピがあったり、冷蔵庫を空っぽにしてくれるレシピがあったり。

ターゲットを働く女性にしていたのでしょう。
当時よく見かけた、おしゃれな料理がずらっと並ぶレシピ本とは違い、家庭的な食材と発想が詰まったその本は、小林カツ代さんを料理の先生というよりは、「働く女性の大先輩」として、とても親しみを覚え身近に感じさせてくれました。

そして毎月届くその本は、
「自炊してる?」「無理しなくてもいいから、簡単なものでもいいから栄養のあるもの食べるんだよ」と一人暮らしの私を心配し励ましてくれる手紙の様にすら感じたものでした。

今ではもう滅多にそれを見て料理をすることはありませんが、どうしても手放すことができず、私の本棚の一角で、今も私を見守り続けてくれているのです。



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