シールとのリラックス・タイム 盲導犬と暮らし、盲導犬と語る(14)

先日、朝の散歩の後半、いつもは曲がる右折ポイントで、シールがまた「今日は曲がらずにまっすぐ行きたい」というサインを送ってきました。
シールの希望通りにまっすぐ歩いていくと、やがて向うから、シールと仲良しの黒ラブのSちゃんを連れたおとなりのパパが現れました。シールはしっぽを振って大喜び。私はシールのハーネスをはずして仕事モードをオフにしてSちゃんとふれ合えるようにしました。
さきほどの右折ポイントでそのまま右折すると、おそらくシールとSちゃんはすれ違いで出会うことはなかったはずです。

これまでも何回か同じことがあったので、もしかしたらシールとSちゃんは数百メートル離れた地点で、お互い相手がいることがわかるのかも知れません。

そこで私は、Sちゃんのパパとシールが少し離れたところでふれ合っている時、私のそばにいるSちゃんにこっそり聞いてみました。
「ねえSちゃん、もしかして、シールと待ち合わせしているの?」
Sちゃんは、ちょっと私の顔を見てから「そうだよ」と言っているみたいに私の顔をペロっとなめたのでした(笑い)。

今日の午後には、シールのスプーンケアをしました。シールはこれが気持ち良いらしくかなり気に入っているようです。私がスプーンを見せて「シール、これやるよ」と声をかけると、離れたところにいたシールは「やるやる!」と駆け足でやって来て、床の上にゴロンと横になりました(笑)。

私はスプーンの柄の部分を使って、頭のてっぺんのツボから徐々に背中に並ぶつぼ、、最期にはしっぽの付け根のツボに当てていきます。
これをやると、シールはたいてい、気持ちよくなってお腹を上にして、しばらくするとまた横になります。
今日はスプーンケアが終わった後「フゥ~」と気持ちよさそうに長いため息をついてから、お腹を上にしたまま前脚と後脚を開いた大の字の姿勢で、じっと動かなくなりました(笑)。
すっかりリラックスした無防備な姿勢がちょっとかわいかったです。

夜、シールが寝る少し前にも、たいていシールとのリラックス・タイムになります。
男の子のシールはおかあさんにもよく甘えます。床の上でおかあさんにぴったりくっついてまったりすることも多いです。おかあさんもシールとの「ひっつきタイム」を楽しんでいます(笑)。

前の盲導犬シジミは自己主張がはっきりしていたので、たいてい自分からグイグイ甘えてきましたが(笑)、シールはまだあまり自己主張せずに遠慮していることも多いです。
でも「シール、おいで!」と声をかければ、うれしそうにいそいそと駆け寄って来ます。

シジミは家に来たてのころから、私が床にあぐらをかいていると、自分からトコトコとやってきて、グルグル回ってから私の脚の間にうまくおさまり、前脚と頭を私の左のひざあたりに器用にのせるのがお決まりのポーズでした。
シールは、私があぐらをかいているところに来ても、どういうポジションをとればいいのかまだわからないみたいです。いきなり私の腿の上にドデン!と乗ってきたりします(笑)。
「シール、それじゃ重いよ
私がシールの体を床におろすと、今度は不器用に上半身を私のひざの上にもたせかけます。すそんなに重くはないけれど、どう見ても姿勢が不自然です(笑)。
「シール、それだと前脚がつらいんじゃない?」
私が前脚の位置を無理のない姿勢に変えると、シールはぎこちないながらうまく私の脚の間におさまり、やっと「フゥー」とため息をついて、ようやくリラックスするのでした(笑)。

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