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歯医者でひどい目に遭う話 その1

歯医者さんをディスってるみたいなタイトルになってますが、もちろん自業自得の話です。

子どものころ、私は虫歯の多い子供でした。

とかいって、すみません、見栄をはりました。多いっていうか、むしろほぼ虫歯。ハッキリ覚えてないけど、多数決なら虫歯の勝ち。特別に歯を磨かない子だったつもりはないけど、昭和でしたし(言い訳)「虫歯菌が親からうつる」みたいな知識も存在しない時代でしたし、何より親は忙しくて、あまり私にかまってられず「子供がちゃんと歯を磨けているのか」みたいな「仕上げはおかーあさーん♪」みたいな、そんな儀式はほぼ存在しない家庭だったので、仕方ありません。そもそも、母の歯もボロボロでした。昭和でしたし(2回目)、たぶんあの人歯磨き下手です。

そんなわけで、幼少期からみごと「虫歯になりやすい人」の地位を手に入れた私は、永久歯になってからも、それなりの虫歯に悩まされました。しかも私は「歯医者に行くのをギリギリまで先延ばしにしちゃう族」の出なので、より一層歯をダメにし、結果歯医者でひどい目にあう、という一族の伝統を常に守って行動していました。そして大人になってかなり念入りに歯磨き&フロスをするようになってからも、やはり以前の治療の跡から再度虫歯みたいなことも繰り返していました。

とはいえ、30歳手前くらいから、「金かかってもいいから歯を残してくれる歯医者」に行きたいという思いはずっとありました。しかし、そういう歯医者はなかなか見つけられず、ますます足が遠のき、いよいよとなってから一応吟味した保険診療の歯医者に行っては「思てたんと違う…ま、こんなもんか…」という治療を受けてきました。

しかし、およそ10年前、ついに求めていた、「めちゃくちゃ高いけど気合の入った歯医者」を見つけたのです。そこで再根管治療(昔神経取ったところの再治療)をしてもらうことにしました。気合が入った歯医者なので、同意書を書かされ、「成功率はこのくらい。完治しなかった場合の次のステップはこうです。」みたいなことまで説明された後、必要な個所すべて、本気の高額治療を受けました。ついでに被せものも保険診療の銀のクラウンから、白くてセラミックの次に高くて丈夫なやつ(同意書まで書いたのに把握してない)に変えてもらいました。

しかし、やはりというか案の定というか、再根管治療うちの一本は、噛んだ時のかすかな鈍い違和感が完全には消えることなく、数年後には「ああこりゃ治ってないな」とうすうす感じるようになりました。これはたぶんその歯医者さんのせいではなく、そもそも最初に云十年前の保険診療による根管治療がひどいことになっていた箇所のやり直しだったために、成功率が低かったのだと思われます。

それでも「歯医者に行くのをギリギリまで先延ばしにしちゃう族」の誇りを決して失わない私は、再び現実から目をそらし続けました。だって、その「完治しなかった場合の次のステップ」というのは、「歯茎を切って、膿んだ病巣をとり、悪い歯の根を切って、閉じるという外科処置(名付けて歯根端切除術)」というものです。怖すぎじゃん。私ただでさえ怖がりなのに。

さて、おそらく私に残された選択は二つ。
1.このまま放置して、いよいよ手遅れになってから歯を抜き、ブリッジかインプラントで何とかする。
2.手遅れになる前に、次のステップにして最後の手段、外科処置をしてもらう。

果たしてどちらを選ぶのか、それはまた次回の講釈で(昭和の響き)

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