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「させていただく」は、丁寧か?

「ご用意させていただきます」
「お値引きさせていただきます」
「確かめさせていただきます」

「させていただく」って、丁寧な表現ですか?
私には、なんだか違和感があります。

「これだけへりくだって言えば、文句はあるまい」
「どうだ、私は客(相手)をたてているぞ」
そんな風に聞こえて仕方がない。

 昔、そう、十五年ほど前、担任をしていた卒業生(大学浪人中)がやってきて言いました。
「センター試験を受験させていただいてから、その結果を見て国立は決めさせていただきたいと思います。。私立大学はまず○○大学を受けさせていただいて・・・」
「いやいや、君が君の意志で受けるんだから、『させていただく』は要らんよ」

 おそらく、「させていただく」を使っている本人は、丁寧な上にも丁寧に話しているつもりなんです。
 でもなあ、やっぱりくどいというか、しつこいというか、なんだかなあ。
「です」「ます」か、せいぜい「いたします」でどう?

 丁寧さを表現するためには「させていただく」を使っておこう、そうすりゃ文句も出るまいよ。
 
 でも、それじゃ、日本語の微妙な言い回しは伝わらないし、使えなくなっちゃいますよ。

「ご用意いたします」
「お値引きいたします」
「確かめます」
これ、丁寧な表現とは言えませんか?雑な言い方ですか?

 表現しすぎない表現って、言語にとっては大事だと思いますよ。
 ちょうどいい頃合いの表現を見つけましょうよ。
 
 そのためには、お手伝いさせていただ・・・、いや、お手伝いしますよ。

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