金融関連のおススメ書籍【金融+資産形成】


筆者は受験関連や学歴関連の話をしている時が一番筆が進むし、残念なことに一番スキが来るのもそういったネタなのであるが、今回は読者の方からのリクエスト∔従前から自分自身も執筆したいと考えていたので、金融関連のおススメ書籍を記載していきたいと思う。
もしよければ過去の記事もご参照いただきたい。

今回はざっくり以下の項目に分けて、書籍を列挙していきたいと思う。
直接的に投資に役立たない本も多分に含まれているがと思うがご容赦いただきたい。


【金融業界全般】
1.外資系金融の終わり

難易度:☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:金融業界の仕組み

ブログ「金融日記」の著者として有名な藤沢数希の書籍である。
ネットでは、賛否両論ある著者ではあり、本当は業界関係者ではないのではないかと言った声もあるが、こちらの書籍やXのツイートを拝見している感じ、大方言っていることは正しく信ぴょう性は高いのではないかと思う。
こちらの書籍は、金融業界に対する理解を深めるという観点では非常に分かりやすくかつ面白くて分かりやすいので、入門にはおススメである。
投資を行う上では、まずはその金融商品を組成・販売している金融業界に対する理解を深める必要があるのでこちらに記載した。

2.ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち

難易度:☆☆☆☆
投資有用度:☆☆
テーマ:クオンツ、マーケットの歴史

こちらの書籍は、クオンツが開発した証券化商品やデリバティブによって、いかにしてリーマンショックが引き起こされたのかといった内容がメインの書籍である。それに加えてクオンツの台頭の歴史や2000前後のLTCM破綻やITバブル崩壊等のマーケットのうねりを知ることが出来るので、おススメである。
必ずしもすぐに投資に役立つわけではないが、マーケットの歴史を知るという観点では非常に有用であるし、単純にクオンツの生態が知れて興味深い。

3.敗者のゲーム

難易度:☆☆☆
投資有用度:☆☆☆☆
テーマ:インデックスファンドの有用性

こちらの書籍はまだインデックスファンドへの投資が市民権を今ほど得ていなかった時代に筆者が読んだ書籍で、そこからインデックスファンドへの投資を始めるきっかけになった一冊である。
アクティブファンドや個別株投資は平均的に見ると、インデックスファンドには勝てないと言うのが当該書籍の主張したいところであり、今ではこの主張は市民権を得たのではないか。

4.インデックス・ファンド革命

こちらはつい最近刊行された書籍で、どのような経緯でインデックスファンドが組成されるようになり、どのようにして市民権を得たのかを記したノンフィクションである。
投資の現場で直接役に立つことはないかもしれないが、マーケットの歴史と金融業界の仕組みの理解につながるので、おススメ本として記載させていただいた。

【アセットマネジメント業界】

5.アセットマネジメントの世界

難易度:☆☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:アセットマネジメント業界

こちらの書籍はアセットマネジメント業界の仕組みや資産運用の領域におけるホットテーマについて記した書籍である。
個人投資家が購入している投資信託を組成しているのは、銀行でも証券会社でも保険会社でもなく、このアセットマネジメント業界であるので、投資信託を購入して資産運用を行う方は当該業界がどのような仕組みになっているのかを知ることは投資有用度が高いと考えこちらに掲載した。
尚、アセットマネジメント業界は筆者が学生の時にはまだそこまで認知されておらず日陰の存在だったが、ホワイト高給、転勤なしの実態が周知されるにつれて、近年では急速に人気が高まっているようである。

【中央銀行の金融政策】
6.日本銀行 虚像と実像 検証25年緩和

難易度:☆☆☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:日銀の金融政策

こちらの書籍は日銀の金融政策に関して、過去の日銀総裁の金融政策から現在の植田総裁に至るまでどのような背景でどのような金融政策が実施されてきたのかを記すものである。
従前のブログでも記したが、マーケットを考える上では、まずは全てのアセットクラスに波及する金利を見るべきで、そしての金利の短期の部分に働きかけることが出来るのは中央銀行であるため、マーケットの動向を予測する上では中央銀行の金融政策やポリシーを把握することはかなり重要である。
ある程度の金融知識が無いと理解できない内容になっているので難易度は☆☆☆☆とした。

7.FRBの仕組みと経済への影響がわかる本

難易度:☆☆
投資有用度:☆☆☆☆
テーマ:FRBの仕組み

ちらの書籍ではFRB(米国の中央銀行)の基本的な仕組みや金融政策が記載されており、内容も平易なのでおススメである。
現在のマーケットを考える上では、まず何よりアメリカ経済の動向を知ることが重要で、その命運を握るのがFRBの金融政策である。
FRBは二つのターゲットを有しており、それが「物価」と「雇用」である。
物価を2%程度に抑制しつつ、雇用を最大化するためにFRBは政策金利を引き上げたり、引き下げたりするので、アメリカ経済の動向を考える上では、物価と雇用は真っ先に注視すべき項目である。
物価や雇用に関しても言及されているので、経済全体の仕組みを知る上では大変有用である。

【金利】
8.金利の本

こちらの書籍は、金利に関する基礎的な内容を記した書籍である。
金利を直接指標とする金融商品には国債や社債があるが、一般投資家がこれらに手を出すことはあまりないので、実はあまり馴染みが無かったりする(住宅ローンは金利が関係あるが)。
ただ金利は全ての金融商品に影響を与えることもあり、金利に対する理解は非常に重要であるためこちらに記載した。
ちなみに金利はかなり奥深い商品で根本的に理解しようとすると実は一番商品性も難しくかなりの理系の素養が必要になる。ただ一般投資家レベルにおいてはそこまでの知識は必要ないのであくまでこちらをおススメの書籍として記載した。

9.日本国債入門

難易度:☆☆☆☆
投資有用度:☆☆
テーマ:国債

こちらは最近刊行された書籍であり、内容もプロ向けであるが、金利を根本的に理解するためにはやはり国債の理解が必要になるためこちらに記載した。

【株式投資】
10.日本株を動かす外国人投資家の思考法と投資戦略

難易度:☆☆☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:外国人投資家と日本株

昨今の日本株市場を動かしているのは日本人投資家ではなく、外国人投資家である。
今回、日本株が最高値を付けたのも新NISAの開始に伴い、日本人投資家が買ったという側面もあるがそれよりも何よりも外国人投資家がこぞって日本株に投資していることが挙げられる。
外国人投資家が何を考え、どのような投資戦略を有しているかを知ることは今後の日本株投資を考える上でも有用であると考え、こちらに掲載した。

【不動産】
11.不動産投資の羅針盤
難易度:☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:不動産投資

とかく批判されがちな不動産投資であるが、筆者自身は一回自分で話を聞いて、実際に自分でCF表を作成できるようにならないと実際のところは分からないと考え、数年前に不動産投資の会社と何社か面談した。
結局購入はしなかったものの、不動産投資を勉強する過程で、以下の内容が学習出来、業務でも話せる内容が増えたので(決して)悪い経験ではなかった。何事も試しもせずに一刀両断するのは良くないと思う。(とはいえワンルームマンション投資は儲からないと思う)

(学習出来た事項)
・戸建てとマンションの資産性の違い
・日本の人口動態
・税制
・不動産投資の形態(ワンルームマンション投資vsアパート投資)
・金利や株式と不動産の関係
・各エリアの特性
・不動産関連のCFの計算の仕方
・各エリアの相場観(首都圏、関西、福岡、愛知)

12.最新J-REITの基本と仕組みがよ~くわかる本

難易度:☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:REIT

こちらはJREITの基礎的な内容を記した書籍である。
REITは不動産市場を理解する上では結構見逃せない存在であるし、現状日本のJREIT市場には上場しているREITだけでも60種類を超えており、それぞれが色んな顔を有しているので、その決算資料を眺めるだけでも面白い。
JREITには、大まかに物流特化型、住宅系特化型、ホテル特化型、商業型特化型、オフィスビル特化型、総合型、複合型等様々な種類があり、その時々の経済動向や情勢によって価格が変化するので、世の中の流れを知る上で参考となる。
また首都圏の商業施設の中には、REITが保有している物件も多くあるので、そこを訪れた際には、確かこの物件、あのREITが持っていたよなあとか考えるのが楽しかったりもする。
一例として、二子玉川のライズという商業施設は東急リアル・エステート投資法人が有しているし、埼玉や千葉の高速沿線に広がる物流施設を有しているのは、GLP投資法人というREITだったりする。
ただ日経平均が足元絶好調であるのに対して、REIT市場は低迷しているので、投資判断には注意が必要である。

【個人投資家・FIRE関連】

13.87歳トレーダー
難易度:☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:個人投資家

こちらは最近読んだ書籍である。専業投資家の方の話であるが、その生活様式は参考になる部分はあるので、取り上げさせていただいた。
日本株は上がらないというイメージだったのだが、その日本株でここまで資産を築いている事実がすごい。

14.FIRE関連本
難易度:☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:FIRE

筆者は、昔から金融の仕事の内容自体には興味があったが、とにかくサラリーマン自体が嫌だったので、少しでも気持ちを落ち着けるためにFIRE関連本を数冊読んだことがあった。大体書いてあることは同じで米国株に投資して、節約して、複利の効果を活かそうという趣旨であった。
FIREするには現実としては元金が必要なので、サラリーマンを続ける必要があったのだが、コンセプト自体を知ることで気持ちは少し楽になった記憶がある。
ちなみに早期リタイアを狙うのであれば、インデックスファンドだけではやはり無理で、個別株投資で一発当てるしかないが、それが制限されているのは本当に悔しい。

【マクロ経済】

15.経済指標
難易度:☆☆
投資有用度:☆☆☆☆
テーマ:経済指標

こちらは経済指標の読み方に特化した書籍である。
CPI、雇用統計、日銀短観、ISM製造業景況指数等様々な指標が存在するが、それらの見方やどのようなポイントに着目すればよいかの記載もあり、たまに見返すことがある。

16.マクロ経済学

難易度:☆☆☆☆
投資有用度:☆☆
テーマ:マクロ経済学


こちらは学問としてのマクロ経済学を学ぶ際に、有効な書籍である。
東大のマクロ経済学の授業においても教科書として活用されていた。
実際のマーケットは机上のマクロ経済学通りには動かないし、IS-LM分析やフィリップス曲線なんかを意識することはないと言えるが、それでもアカデミックな理論は怪しい投資の勧誘のような偽情報が含まれていることはないと考えて良いので、投資を考える上での土台というか判断軸の一つにはなる。

17.インフレ関連

難易度:☆☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:インフレ

コロナショック以降に世界を襲ったインフレの原因に関して記載した新書であり、読みやすくまた労働市場と物価の関係性を深く考える上で非常に有用な新書であった。

こちらも同様にコロナショック以降に世界を襲った急激なインフレとインフレファイターとしてのFRBのパウエル議長の闘いの記録を記した書籍である。

【会計・簿記・決算分析】
18.財務会計講義
難易度:☆☆☆☆
投資有用度:☆☆
テーマ:会計学

こちらは簿記や決算分析で活用するというよりは、まず会計学とはそもそもどのような学問であるかに関して記載した書籍である。
ここまで深い知識は必要ないし、正直会計分野においては、簿記2級や会計士のテキスト等が一番有用なのであるが、ここで簿記2級のテキストを載せるのも変かと思ったので、こちらをピックアップさせていただいた。
個別株に投資する際にも実際には、決算分析のようなファンダメンタルズ分析よりもチャート分析の方が短期的には儲かる可能性が高いのだが、長期的には株価は企業が将来生み出すCFによって決まるので(理論的には)、会計や簿記の知識は企業分析に当たっては有用である。
一応、簿記2級のテキストも掲載しておく。笑
工業簿記の知識は使わないので、商業簿記のみ記載した。


【富裕層】
19.元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

難易度:☆☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:富裕層

筆者の場合は、高校が私立、大学が国立だったこともあり、実は高校時代の方が富裕層の友人が多かった。また中学は普通の公立だったのだけれども、その際にも地域に根付いた地主がいたりして、実は富裕層が一定数存在した。
東大は、確かに親の世帯年収が1000万を超えていると指摘されることもあるが、サラリーマン家庭も多く、そこまで富裕層という感じはしなかった。
こちらの書籍でも記載ある通り、サラリーマンは富裕層にはなりにくく、意外と職業寿命が長い専門職の方が生涯賃金が高かったりする。
そのような富裕層の実態を元国税専務菅を務めていた方の立場から記載した書籍である。
富裕層の実態、マインドを知ることが出来参考になったため掲載した。

20.日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか

難易度:☆
投資有用度:☆☆☆
テーマ:最近の日本の富裕層の実態

こちらは、最近日本で増加している富裕層の実態をタイプ別に分類し、記載した書籍である。
タワマンの購入と売却を繰り返して資産を築くサラリーマンやCFを潤沢に有する中小企業のオーナー、仮想通貨で一発当てた仮想通貨ドリーマー等が登場する。

【デリバティブ・金融工学関連】
→ここは正直個人投資家には役立つテーマではないが、一応掲載しておく。

21.フィナンシャルエンジニアリング
難易度:☆☆☆☆☆
投資有用度:☆
テーマ:デリバティブ

こちらは、大学時代のデリバティブの授業で初めて触れた書籍で社会人になってからも辞典代わりで用いている。
デリバティブがそもそも難解であり、かつ前提知識が無いところからいきなりこの書籍に入ったので、最初はかなり面食らったい記憶がある。
マーケット部門の中のデリバティブ関連職に就いた場合は、こちらの書籍を輪読形式で読む金融機関もあると聞く。
実際デリバティブに関することであれば何でも載っているので便利ではあるが、鈍器と同じくらい重い上に値段も張るので気軽に買える書籍ではない。

22.スワップ取引のすべて

難易度:☆☆☆☆☆
投資有用度:☆
テーマ:スワップ取引


デリバティブ取引の中でもスワップ取引のみに着目して取り上げた書籍である。
こちらもデリバティブ関連職に就いた場合は、教科書的な立ち位置でまず初めに読むことが多い。
フィナンシャルエンジニアリングよりも実務家向けの書籍で、一般投資家であれば殆ど関係ない書籍と言ってもいいのではないかと思うが、純粋にスワップ取引自体が面白いのでこちらに掲載しておく。

以上が筆者がおススメする金融・資産形成関連の書籍である。
余談であるが、結局投資で収益を生むには、CFが一番大事で、手取りの給与を最大化させることが重要である。
これだけ投資や金融の本を羅列してはみたが、どれだけ投資の腕を磨いても結局AGAクリニックの医師や元々の資産家には勝てないのである(笑)
ああ、AGAクリニックで筆者も働きたかった。。。。
(ちなみに筆者はAGAクリニックに通ってAGAがきちんと治った立場なので、AGAクリニックの医師にはかなり感謝している)