私が苦しんできた発達障害の症状【ADHD編】

前回は、自分自身が苦しんできたASDの症状を紹介した。
同じようにASDを抱えている方からコメントを頂けて、大変嬉しかったです。
いつも本当にありがとうございます。

さて、今回はその続編と言うことで、筆者がこれまでに苦しんできたADHDの症状を紹介したい。
ただ、一つ注意しておかないといけないのは、ADHDは見方によってはASDによりもはるかに深刻度は低いという点だ。ADHDの人は意外と快活な方が多く、業務上のミス等は目立つ一方で、そのコミュニケーション能力の高さから社会で普通に活躍している方も多い。
あくまで筆者個人の感想ではあるが、ASDの方が症状としては深刻である。


今回は、ASDの時よりも軽い気持ちで読んでいただけると幸いである。
まずは、基本的な知識として、ADHDの三大特徴は以下の3点に集約される。
・不注意
・多動性
・衝動性

これを踏まえて、筆者に当てはまる特徴を以下で羅列していく。

1.落ち着きがない、周りにちょっかいを出して怒られる
これは幼い頃、どちらかと言うと小学生の頃の症状である。
これまでも当該ブログでは何回か述べてきたが、筆者は幼少期を海外で過ごした。
海外の児童は、基本的に日本の小学生よりも多動の傾向が強い。彼らは基本的にじっとしていることが出来ない。ただ筆者はその中でもかなり上位にいたようで、親が複数回に亘って注意されていたようだ。その時は周囲の生徒にはちょっかいを出し過ぎて特別学級に入れられそうになったこともあった。

実は、日本に帰ってきてからは、改善したというか封印せざるを得なかった。理由はシンプル。
田舎の公立小中学校であったので、ヤンキーが授業中に歌を歌い始めたり、急に立ちだしたりするので、先生も筆者みたいな生徒にいちいち注意してられなくなったのだ。
筆者の通っていた学校では、授業中にヤンキーたちが「世界に一つだけの花」を合唱し始めたりするような荒れ狂いぶりだったので、もはや筆者レベルだと大して目立たなくなった。またそこの学校では、少しでも目立つことをするとヤンキー連中に「調子に乗ってる」といちゃもんを付けられる有様であったので、気が抜けなかったのもある。
人間、ADHDの症状よりも生存本能の方が上に来るみたいだ。

2.業務上のケアレスミスが無くならない
これは割と深刻である。金融業界というところは、基本的に事務仕事が多い。しかもその難易度が高く、細部にまで気を配る必要がある。
新人は基本的に最初はこのような事務仕事から始まることが多い。
筆者はこれが壊滅的に出来なかった。ちょっとした入力やマクロをマニュアルの手順通りに押すみたいな作業が太宗を占めるのだが、ノーミスで行けた日は殆どなかった。なぜこんなにミスをするのか、周囲も不思議がっていたが、筆者は以下の点に集約できると考えられる。

✓後述するが、基本的にいつも睡眠不足
✓ADHD特有の注意散漫
✓ワーキングメモリーが脆弱で短期記憶が出来ない

ちなみにこのようなミスは今でも平気でしてしまう。
筆者はこれまで、何度か医者になっていれば良かったと述べたことはあるのだが、実態としてはこのような次第なので下手に手術が必要な専攻医になっていたりしすれば、オペミスをしかねないので、意外と人命は関わらない今のブルシットジョブで良かったのかもしれないと考えている。(ミスしても事務事故になって筆者の人事上の評価が下がるだけ)

3.不眠症に苦しんでいる
ADHDの人は結構な割合で不眠症に苦しんでいるみたいだ。筆者の場合は、頭の中でグルグルと思考が回り始め、なかなか寝付けない。医学的に調べてみると、ADHDの人は夜間のメラトニンの上昇値が定型発達の人よりも1時間半遅れていることが原因で、夜型になりやすいみたいだ。
筆者の場合は、高校時代くらいから不眠症が始まり、大学時代はずっと不眠症に苦しんだ。
社会人になってからも絶賛継続中で、最近は諦め気味だ。ただ、不眠症に苦しんだ翌日は、疲れすぎて布団に入るとすぐに寝れてしまうので実は不眠症の中ではマシな方なのかもしれないと思っている。

4.待ち時間や講座中に無性にイラつく
これは落ち着きがないという点と関連していると思う。
とにかく何かの待ち時間や講座形式でじっと座っている必要が時間はイライラが止まらない。
高校の時もよく寝ていたり、内職をしたりで注意されていた。
予備校でもずっと授業を聞いているのは難しかったので、必要そうな講座だけ集中して聞くようにしていた。
ちなみにADHD人は、貧乏ゆすりがひどい人が多いらしい。
筆者も当てはまっていて、今でも会議中はいらつき過ぎて気づいたら貧乏ゆすりをしていることが多い。

5.思い付きで行動してしまう
これはADHDの衝動性に当てはまるやつだ。
脳内に思いついたものは、すぐに実行に移そうと体がまず動く。ただこれがASDと相反するところなのだが、ASDの特徴として不安障害を抱えており、不安がその後に出てくる。そのためそこで一旦冷静になることが出来、行動に移した場合のリスクとリターンを天秤にかけて、行動実行にブレーキがかかる。
ASDの衝動性をADHDの不安障害が抑制してくれており、これまでの人生で大きなリスクは取っていない。ある意味、ASDに救われているのかもしれない。

そこでリスクがないと判断した場合には、すぐに実行に移してしまう。
大学時代には、これで公認会計士の講座に何も考えずに50万円くらい課金してしまった。。。。
他にも衝動買いは止まらないし、旅行も思い立ったときに計画を立てずに一人で行くみたいなことを何度も繰り返してきてしまった。

6.人間関係の維持が難しい
これは主に20代の頃に苦しんだもので、とにかく恋愛が長続きしなかった。付き合っても大体3ヶ月~6ヶ月で終わってしまっていた。
自分から飽きてしまう時もあれば、相手から見切りを付けられる時もあった(後者の方が多かったかな。。。。)
何回もそのようなことをして、その度に毎回反省して。これの無限ループが続いていたので、本当に情けなかった。
自分はどうすれば普通の人間になれるのだろうかとその度に悩んでいたものだ。
ネットで調べてみてもやはりADHD人の恋愛は難しいみたいだ。恋愛のスタートはうまくいくみたいだが、その後の関係性の継続に難があるみたいだ。

ちなみにADHD人は転職回数も多くなる傾向にあるらしい。
外的要因、内的要因の両方から、一つの組織に長くいるのは難しいのだろう。ADHD人は、プロジェクトベースで業務が進むコンサルのような組織が合っているのかもしれない。

7.作業の途中の完遂が難しい、たまに過集中になる
これは例えば勉強している時も10分に一回くらいは携帯をいじってしまうみたいな症状だ。そうかと思っていれば、過集中の状態になると何時間でも作業出来てしまうので、ADHDとは本当によく分からない。
筆者の場合は、数学の問題を解いている際は過集中状態になっていて、昔はよく「湯気が出てる」と言われることもあった。
その一方で、英語や国語のような科目を解いている時は退屈なので、すぐに携帯を見ていた記憶がある。
少し脱線するが、科目でいえば、世界史と数学は勉強していて楽しかった。
東大文系の合格者は基本的に、英語が得意なものが多いが、よくよく聞いていくと数学と世界史が得意な者も多い。一見全く関係ない科目に見えるが、頭の使い方は、数学と世界史で似ているような気がしている。

業務中もそうだ。すぐにつまらなくなって手が動かなくなる。トイレ休憩に行く。そわそわが始まって、離席してしまう。頭の中では別のことを考えている。ずっとこんな感じで社会人生活を送ってきた。

8.無くしものや落し物が多い
これも昔から絶賛継続中だ。
幼い頃は消しゴムをすぐに無くしていたし、とにかく身に着けていたものは全部無くしてきた。他にも忘れ物も異常なほど多かった記憶がある。

社会人になってからは、社員証をなくした。この時ばかりはかなり怒られた記憶がある。
対策として今ではスマホの中のメモ帳機能を駆使して、逐一メモするようにしている。


書いていて思ったが、やはりASDよりは生きていく上での深刻度は低い。
この中で深刻なデメリットになりそうなものは2,3くらいで、実は2も職種を適切に選択すれば問題にならないかもしれない。

他の方のnoteでも言及されていたが、ADHD人はASD人ほど困っていない。
ADHD人には突破力もあるし、コミュ力もある場合が多い。(筆者は残念ながらその限りではない)
減点主義が蔓延る組織に行かなければ、問題になることは少ないと思う。

ADHD人は流動性が高く、プロジェクトベースで働け、転職の機会も多いコンサルやIT業界が向いているのではないかと思う。