東大の科類別特徴(文科二類編)

筆者が属していた科類である。一番友人も多く、その雰囲気に関しても理解しているつもりである。一言でいうと、普通の人が一番多い科類だと思う。一番チャラ男も多く、インカレサークルでもかなりの頻度で遭遇する。勿論文系のトップ層が進学しているのではあるが、そもそも文一がその上にいるため所属する集団でトップ層ではなかった、文一リスクは取れないため文二にした、特段進路にこだわりがないメンバーが多いためか、プライドもそこまで高くなかった。
出身母体としては、首都圏の進学校がやたら多く、筑駒、開成、麻布、海城、聖光学院、栄光、渋幕等のメンツが多かった。模試の上位層も殆どが東京もしくは神奈川出身者で占められていた。そもそも経済学部に多くが進学する科類であるため、圧倒的に男子が多かった。再び男子校である。
イメージとしては、首都圏のエリサラの息子が中学受験で男子校に進学し、特段苦労なく合格しているイメージである。そういえば帰国子女も非常に多かった。
首都圏以外の地域の進学校出身者は多くなく、筆者の学校でも何でわざわざ文二に進学するの?といった感じであった。首都圏以外の地域では、エリサラが多くないことが背景にあると思う。
地方出身者は文一よりは幾分少なく、また関東のTier2進学校出身者も結構な割合で存在する。そもそも地方から文二に進学するメリットが無いのだと思う。
・関東圏の超進学校(開成、筑駒、桜蔭、栄光等)出身者:25%程度
・関東圏のTier1.5進学校(海城、聖光学院、浅野等)出身者:25%程度
・その他地域の超進学校(灘、東大寺、ラサール、久留米附設等):20%程度
・関東圏のTier2進学校出身者:15%程度
・地方名門進学校:10%程度
・その他:5%
筆者が受験した当時からちょっとずつ文二の難易度は上昇していたが、それでも文一の方がまだまだ難しかった。イメージとしては、文一は少し油断すると優秀層でも普通に落ちるのに対して、文二の場合は、少しミスしても何とか合格圏に入ってくるといった感じであろうか。


その大学生活に関しては、結構忙しいと思う。というのも、文二から経済学部には下2割は進学できないからだ。そのため文二進学後は経済学部進学に向けての進学振り分け競争→経済学部進学→ゼミをめぐる成績競争→インターン等を含めた就活→卒業に向けた単位取得等といった流れで意外と息をつく間もない。
経済学部は基本的に三つの学科に分かれている。経済学科、経営学科、金融学科の三つである。筆者は金融学科に所属し、ファイナンス理論、デリバティブ、統計学、金融機関のリスク管理、財務会計、プログラミングなどを勉強していた。ここで学んだことは社会人になってからもかなり役に立っているのは間違いないので、手っ取り早く実務的な知識を身に着けたい学生は金融学科一択ではないだろうか。また経済学部はリア充が多く、その雰囲気が経済学部棟全体から漂っていたのだが、金融学科の授業に関しては、留学生やオタクっぽい学生が多いので何となく安心感を覚えた記憶がある。ちなみに講義の多くは、一方向の座学形式で出席をとる授業も多くなく、テスト一発形式が太宗を占めるので発達障害持ちであっても難なく卒業できると思う。というか発達障害持ちが授業に積極的に参加することなく卒業できるのは法学部と経済学部しかないと思う。


ちなみに経済学部に進学できなかった文二生は農学部、後期教養学部、文学部等様々な進路に進むものが多い。これらの学部に進学したとしても別に就職にはそこまで支障はないので、あまり悩む必要はない。
個人的な意見であるが、人生の夏休みを複数期間に亘ってエンジョイしたいのであれば、進学振り分けで最低でも法学部や工学部のどこかに進学できる文一や理一のほうがおススメである。


進路としては、最優秀層は外銀、外コン、総合商社、デベロッパー、官庁に難なく就職する。外銀に関しては投資銀行部門とマーケット部門のどちらにも就職可能ではあるが、前者の方が数としては多い。世間がイメージする東大卒外銀マンの誕生だ。
次の層は政府系金融機関である。日本銀行やDBJ、JBICなどである。これらの金融機関は社会貢献性も高く、社会的ステータスも非常に高いので十分にプライドを満たすことが出来る就職先であると思う。ただし、注意が必要なのはこれらの金融機関に就職する際には、金融専門職ではなく、文系総合職としての入社になるのでいわゆるスキルの獲得は期待できない。また地方転勤も普通に存在する。東大卒が多いので、学歴で優位に立つことも出来ない。コスパだけで考えると正直あんまりよろしくない。
その次が日系金融機関の金融専門職である。こちらも投資銀行部門、マーケット部門、アクチュアリー、資産運用部門採用いずれも存在する。アクチュアリーに就職するのは、理系から経済学部に進学した者が太宗を占めるが、文二出身者でも問題なく内定をもらっているのでここも就職可能先として挙がってくる。個人的には日系金融機関はとはいっても安定している上、育成体制もしっかりしており、これらの採用方式ではスキルの獲得も期待できるため、おすすめの就職先ではある。何より、最初の支店営業を経験しなくてよいのは大きい。ここでドロップアウトしてしまうのは本当に勿体ない。
その次が日系金融機関のオープンコースやメーカーであろうか。筆者はここに属する。東大卒の中では特段光るものはなく、少々難があっても学歴でカバーして就職できる先である。
日系金融機関は東大卒を非常に好み、配属等も優遇されることが多いため、コスパは悪くないと思う。ただし注意点を挙げるとすると東大卒は企画畑に配属されることも多く、その組織の中では出世コースではあるのだが、転職スキルが身につかないコースを歩まされる可能性がある点である。またいくら東大出身とは言え、最初は問答無用に支店に配属される。
東大を出ていれば基本的には都心の大型支店もしくは地方政令都市の支店に配属されるケースが殆どであるため、そこまで心配は要らないのだが、社会人スタートの最初の数年をあまりスキルの獲得が期待できない環境で過ごすのは勿体ないので、出来るだけ回避したいところではある。
他にも在学中や卒業後に公認会計士に合格し、監査法人に就職する学生も存在する。
このコースを歩んだ場合、将来的には監査経験と会計士資格を活かして投資銀行部門のM&Aアドバイザリー業務に就いているものも多いので労力はかかるのであるが、おススメの進路ではある。
総括すると、普通の人が多いので、文一ほど大外れを引く可能性は低いと思う。