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ミライの小石01. 人とAIの適度な距離感を考えてみよう

デンマークで新たに結成された「人工党」は、政策立案をAIに全面的に委ねる、新たなタイプの政党です(※1)。1970年以降に存在したデンマークの政党の刊行物を分析することで、庶民の政治理念を代表すると思われる政策を立案するとのこと(※2)。経済学者の成田悠輔さんも、著書の中で「選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」と言っています。政策立案がAI主導になるのも、時間の問題なのかもしれません。

政策については、人口規模の大きい高齢者世代を優先した「シルバー民主主義」であったり、地方議員であれば地元の経済を重視した「ハコもの政治」であったりと、誰かに忖度することで政策がねじ曲げられることがあるとすれば、AIによる政策提案というのも、同じテーブルに並べてみても良いのでは無いでしょうか?

人生の大切な選択という意味では、出会いや婚活にAIを活用するのも、いまではすっかり当たり前になりました。20の都道府県では、婚活AIを導入しているとのこと(※3)。自分では選ばないようなタイプの人が推薦されてびっくりすることもあるようですが、話してみると、意外といいなということも。AIを妄信するわけではなく、新たな気づきを与えてくれる存在として受け止められているようです。

暮らしのさまざまな領域に入り込んでくるAIですが、「新たな選択肢を増やしてくれる存在」ぐらいの感覚でつきあうのが、まずは適切な距離感なのかもしれないですね。

(注1)政策はAIに全面委任、デンマークで「人工党」結成:時事ドットコム―時事通信ニュース 2022年8月5日
https://sp.m.jiji.com/article/show/2794919
(注2)デンマークで、AI主導の政党が誕生。民主主義はどう変わっていくのか―IDEAS FOR GOOD 2022年11月22日
https://ideasforgood.jp/2022/11/22/denmark-ai/
(注3)【進化する婚活】「AIマッチング」――利用者は? 「AI通した方が見える」「趣味とAI的相性見て」 22県が導入…広がる理由―日テレニュース 2022年8月6日 https://ideasforgood.jp/2022/11/22/denmark-ai/

参考
成田悠輔『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』(SB新書、2022年)

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