日本総研 未来デザイン・ラボ

未来は、「一方的にやってくるもの」なのでしょうか? 私達は、そうではないと考えています…

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未来は、「一方的にやってくるもの」なのでしょうか? 私達は、そうではないと考えています。 あまり明るいニュースが無い世の中に、 みんなが自由に未来を考えるヒントを。 https://www.jri.co.jp/service/special/content14/

マガジン

  • 未来洞察・実践の記録&告知

    私たちが未来の可能性を伝えるために実施している活動について、紹介しています。

  • 未来洞察と私

    未来洞察実践へのいざない。自由に未来を考えるという態度や方法論を実践し広める存在としての私たちによる、生活者が自律的に自分の未来を考え/組織の中に未来洞察が浸透するための「自分語り」です。

  • ミライの小石を拾いに行こう

    日本総研のメンバーが、日々のニュースや研究成果(Weak Signals)をもとに、今よりも少し自由に、少し遠く、少し広く、こんなことが起こるかもしれないという未来の可能性に思いを馳せてみた記録です。

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少しだけ自由になるために、「ミライの小石」に目を向けよう

「“未来”という絵を描いてください」と言われたら、あなたは、何色の絵の具を手に取るでしょうか? もしあなたが、今年、成人式を迎えた新成人ならば、子供が描く太陽のような明るい色合いではなく、やや暗めの、例えば灰色のような絵の具を選ぶ可能性が、ほんの少し、高いかもしれません。 インターネット調査会社マクロミルが、2022年の新成人500人に対して行った調査によると、約62%が、日本の未来に対して「暗いと思う」と回答したそうです。「新型コロナウイルスの長期化」「少子高齢化」「地

    • 未来洞察×人類学へのチャレンジ②

      こんにちは、あわたです。 前回は人類学的なアプローチが企業のマーケティングやイノベーションにおいてどのように役立ちうるかについて、私の経験をもとに紹介しました。 (前回の記事をご覧になっていない方は、下記リンクから!) 今回は、その人類学と未来洞察とがどのように関われるかについて、 人間や社会、そしてイノベーションを捉える私自身のまなざしがどのように推移していったかを通じて紹介していきます。 4.未来洞察は需要側視点でイノベーションを発想するもの?「未来洞察の現在地」

      • 未来洞察×人類学へのチャレンジ①

        こんにちは、あわたです。 今回は、「フォーサイター宣言」で紹介した「Futures Literacy:フューチャーズリテラシー=自分の頭で未来を洞察・想像し、実現していく態度やスキル」を有するフォーサイターが、同時に養うべき態度やスキルのヒントは「人類学」にありそうだ、というお話です。(人類学にもいろいろありますが、ここでは主に文化人類学を指しています)。 未来洞察と人類学。一見何の関係もなさそうなキーワードが2つ並んだように見えるかもしれませんが、私の中では密接につな

        • ミライの小石24.臆病さんが孤独にならないための緩やかな意思表示

          毎晩寝る前に、娘から今日あった出来事を聞くのが私の日課になっています。娘は「今日は学童クラブで○○ちゃんがレゴで大きなおうちを作ってたから『いーれーて』って言って一緒に遊んだんだ。」と楽しそうに話す日もあれば、「『あーそーぼ』って誘ったけど、『だーめだよ』って言われた・・・。」と思い出し、落ち込む日もあります。 自分のことを振り返ってみると、大人になるにつれ、『だーめだよ』の精神的ダメージは大きくなり、いろいろと言い訳をつけて『いーれーて』を言わなくなってきたように思いま

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          ミライの小石23.未来の「消費」と「体験」はどうなるのか?~Z世代を起点に改めて考えてみた~

          こんにちは、段野です。 年末にニュースサイトを斜め読みしていたところ、Z世代の倍速視聴・ネタバレ視聴に関するニュースが目につきました(注1)。 Z世代がタイパ (タイムパフォーマンス)を重視して、倍速視聴やネタバレ視聴を駆使し、自分が気に入った作品の視聴だけに時間を費やすことはよく知られた行動です。 私もコンサルティングの仕事では、市場調査や技術調査に臨む際、市場調査報告書の概要、技術論文のアブストラクトなどだけを読んで、読む価値がなさそうであればさっさと次に移る

          ミライの小石23.未来の「消費」と「体験」はどうなるのか?~Z世代を起点に改めて考えてみた~

          VRワークショップをして何が分かったか

          ■はじめにこんにちは橘田です。このノートでは、2023年10月24日のサイエンスアゴラオンラインでVRワークショップを実施した「スナック☆mirai」について、実体験を基に振り返りを綴っていきたいと思います。 ■未来洞察×VRで何がしたかったか?未来洞察は平たく言えば、未来のことを考える活動です。 私たちは、未来を考える空間を用意し、複数人の参加者で代替的な未来や望ましい未来について話し合っています。 そこになぜVRなのか?正直に言うと私自身もまだ明確化できていません。ただ

          VRワークショップをして何が分かったか

          ミライの小石22.中国の新語から見る未来

          毎年恒例の「新語・流行語大賞」。 年の瀬をしんみり感じたり、聞いたことのない言葉が入選していて時代遅れになったかと嘆いたり、ともあれ話のネタとしてすっかり定番化しています。 実は日本のみならず中国にも同様の試みがあるそうです。 2023年12月20日、複数の団体が共催する「漢語盤点2023」で、「流行語」「ネット用語」「新語」のトップ10が選ばれました(大規模データを解析し、言語情報処理技術を活用したうえで、最終的に専門家が選定するようです)(※1)。 「新語」のランキン

          ミライの小石22.中国の新語から見る未来

          フォーサイター(フォーサイトの実践者)宣言 ~シンポジウムを終えて~

          こんにちは、あわたです。 先日ご案内した「未来を先読む力を組織に実装する~欧州・日本の官民フォーサイト活動から学ぶ~」と題したシンポジウム*1は、会場参加約40名、オンライン参加約100名と、盛況のうちに終了しました。 ※シンポジウムの告知記事 1.フォーサイトシンポジウム開催による気づき本シンポジウムでは、フォーサイトに取り組む欧州と日本の公共セクター(いずれも普段我々との接触機会は限られている)の皆さんとも密に交流することができましたが、約20年前にフォーサイト(未

          フォーサイター(フォーサイトの実践者)宣言 ~シンポジウムを終えて~

          実践!フューチャーズ・リテラシー(futures literacy) ~「みらいのかけらを釣り上げて、へんてこなみらいを考えよう」の巻~

          こんにちは、八幡です。最近、秋がなくなったとよく言われますが、今年は特に「秋不足」を実感する気候でしたね。 食欲の秋、運動の秋、芸術の秋などといったフレーズも、心なしか、あまり耳にしなくなった気がします。皆さんは、短い秋をどのように楽しまれましたか? さて、いきなりの話題転換で恐縮ですが、未来デザイン・ラボでは、「思ってもみなかった未来に目を向けることで、少し自由になれる」との考えのもと、次世代を担う子どもたちに、いろいろな機会で"フューチャーズ・リテラシー(※1)"と銘打

          実践!フューチャーズ・リテラシー(futures literacy) ~「みらいのかけらを釣り上げて、へんてこなみらいを考えよう」の巻~

          【告知】フォーサイト・シンポジウムを開催します!(2023/11/28)

          こんにちは、あわたです。 日本総研 未来デザイン・ラボでは、来る11月28日(火)に「未来を先読む力を組織に実装する~欧州・日本の官民フォーサイト活動から学ぶ~」と題したシンポジウム(※1)を開催します。 今回は、なぜそのようなシンポジウムを開催するに至ったのかについて解説しますね。 『未来洞察の現在地』でも紹介したように、新規事業開発や長期ビジョン策定のためだけでなくVUCA時代に適応すべく、組織的なフューチャーズ・リテラシーを高度化する動きが官民ともに広がっ

          【告知】フォーサイト・シンポジウムを開催します!(2023/11/28)

          未来洞察と私04.未来洞察で言う「気づきが大切」ってどういうこと?

          ■はじめに 「未来洞察は当たることを狙った予測ではありません。未来洞察をする過程における気づきが大切なのです。洞察とは物事の本質を見極めること、見抜くことです。アハ体験なのです。」 こんな説明を先日あるワークショップの中でしました。ちょっと待ってください。「気づき」って何でしょうか? 株価のように予測が当たって嬉しいのは分かりますが、気づきは何が嬉しいのか分からないとなる方もいるのではないでしょうか。 私も「気づき」の体験は何度も経験してきました。 確かに未来の見え方が変

          未来洞察と私04.未来洞察で言う「気づきが大切」ってどういうこと?

          未来洞察と私03.マジメ人間のためのスキャニング処方箋

          こんにちは、藍山です。 突然ですが、私はマジメ人間です。どのくらいマジメかと言うと、どんなに作り慣れた料理でも、使う材料をきっちり計量することがやめられません。(「適量」は論外) このマジメ行動の原因を私なり考えてみたところ、枠外にはみ出すことで、失敗したり、想定外のことが起こったりするのを回避する気持ちが強いようです。 そして、この枠外にはみ出したくない性格が、明らかな解がないことが特徴である「スキャニング」をする上では思考の障壁になっていました。 『未来洞察の現在地』

          未来洞察と私03.マジメ人間のためのスキャニング処方箋

          仮想未来人になる?フューチャー・デザインとは?

          こんにちは、段野です。 日本総研は、スローガン「自律協生社会」を実現するために、シンクタンク、コンサルティング活動にデザインのケイパビリティを取り込むべく、武蔵野美術大学と提携し共同研究を進めています。 「デザイン」とは程遠い人生を送ってきた私も、いまでは美大との共同研究に参画することになり、「次世代起点のデザイン」というテーマでデザインリサーチを進めています。 具体的には「ある地域の2050年のまちづくりコンセプト」を次世代起点で考える手法を開発するという研究を進めてい

          仮想未来人になる?フューチャー・デザインとは?

          【告知】VR空間で未来を語り合う「スナック☆mirai」、一夜限りで開店します(サイエンスアゴラ・オンライン)

          こんにちは橘田です。 このnoteでは2023年10月27日(金)に実施されるサイエンスアゴラ・オンラインでの企画出展に向けた準備の様子についてご紹介します。 ※前回の告知記事 コンセプトは「スナック☆mirai」 タイトルにある通り、「スナック☆mirai」という店舗型イベントを実施することにしました。 このコンセプト自体が決まったのは、出展当選の通知があったすぐ後の今年8月9日でした。企画メンバー4人で集まって、企画全体の背骨となるコンセプトを決めようという話にな

          【告知】VR空間で未来を語り合う「スナック☆mirai」、一夜限りで開店します(サイエンスアゴラ・オンライン)

          未来洞察と私02.実践編・発想を飛躍させるため、想定外の変化の兆しを掴む手法~「スキャニングの楽しさ」について

          未来洞察に携わるわたしは日頃からスキャニングを楽しんでいます。趣味がスキャニングと言えるかもしれません。 1.スキャニングとはスキャニングは、想定外の「未来の芽」「変化の兆し」をつかむ手法です。 具体的には、既存の視野の範囲外にある情報媒体に目を向け、「不確実性」の高い未来を示唆する記事を拾い上げ、分析を加える作業です(noteでは、その過程を「ミライの小石」としてお見せしています)。本業や経験則から離れた着想を得たい、と考える人々にとって、有効な手法でもあります。 わたし

          未来洞察と私02.実践編・発想を飛躍させるため、想定外の変化の兆しを掴む手法~「スキャニングの楽しさ」について

          未来洞察と私01.未来洞察の現在地

          近年、企業・行政の経営・事業変革(トランスフォーメーション)、あるいはビジョンデザインや人材育成(教育)に取り組む人々が、「未来洞察」という考え方や方法論を主体的に実践し始めているように感じられます。 言い換えると、これまでは新規事業開発のために未来洞察を実践してきた人や組織ばかりでしたが、昨今ではその活用分野が広がってきており、また、未来洞察の実践も単発ではなく継続的・恒常的な活動になってきたようです。 そこで、日本における未来洞察の実践を振り返り、今後の実践の方向や指針

          未来洞察と私01.未来洞察の現在地