目的ごとにやり方を変えよう コミュニティのコミュニケーション設計

コミュニティマネージャーのための無料マガジン「コミュニティマネージャーズ」の連載も第8回になりました。

今回はコミュニティにおけるコミュニティ設計についてお話していきます。


コミュニティではオフラインのコミュニケーションとオンラインのコミュニケーションの組み合わせ方が非常に重要です。

オフラインでのコミュニケーションをするためには「時間を合わせて会う」というハードルがどうしても出てくるため、普段はオンラインのコミュニケーションを活用して、コミュニティ参加者の日常の中にコミュニティの情報が入り込むようにします。

そうすることで、常に意識のどこかにコミュニティが存在している状態になります。とはいえあまりにも頻度高く出現すると逆に「うざい」と思われてしまうデメリットも出てきてしまうのが難しいところだったり。

コミュニケーションについては他にも、コミュニティを運営している組織と参加者の1対Nのコミュニケーションなのか、参加者同士のN対Nのコミュニケーションを起こしていくのかによっても、取るべきコミュニケーションのチャネルや方法は変わって行きます。

今日はそんなコミュニケーション設計について述べていきます。

前提:コミュニティ参加者の生活動線に存在するチャネルを選ぶ

これからご紹介するコミュニケーションのチャネルはそれぞれメリット・デメリットがありますが、原則としては「コミュニティ参加者の生活動線に存在するチャネルかどうか」でどのチャネルを使うかを選んだほうが良いです。

例えばオンラインでのコミュニケーションが必要なのは、コミュニティ参加者のネットリテラシーが高い場合のみです。

ローカルコミュニティですと「PCを持っていない」「スマホじゃなくてガラケー」という人が存在する可能性は十分あります。その場合はオンラインのコミュニケーションをするのか?ということ自体も問い直した方が良いです。

参加者の普段使用しているツールの中に存在しないと、なかなかそのコミュニケーションチャネルが使われず、機能しないこともありえます。

なので参加者が普段どんなサービスを使っているのかをインタビューした上で使用するチャネルを選定するようにしましょう。

オンラインのコミュニケーションチャネルについて

▼コンテンツ中心のコミュニケーション

Twitter

▼メリット
・拡散性が高いため、コミュニティ参加者を増やすためにはぴったり
・拡散力や発信力の高い人にコミュニティの情報が届きやすい
・たくさんの情報を細切れに伝えても嫌がられない(限度はあるが)
・1対N寄りのコミュニケーション
▼デメリット
・運用が大変
・キャラクターの維持が属人的になる
・炎上リスクも高い
・届く人が限定される

Twitterは使っている人は非常に頻度高く使用するため、とても多くの情報を伝えても嫌がられることが少ないです。
また拡散性が高いため、コミュニティのメンバーを増やしたり違う質の人を集める時には有効です。

ただしTwitterは逆に「つぶやき続ける」ことをしないとメディアとして確立することが難しいため、そういった発信に慣れている人をアサインしないとなかなか継続しません。

Twitterアカウントを始めてみたけど続かない…という話はよく聞きます。

企業としてやる場合も私的なコミュニティの場合も、発信慣れしている人がだれなのか?を常に見極めていくことがとても重要です。

またTwitterは使っている人は多いですがかなり限定的であることや、プッシュ通知の仕様を考えてもコミュニティの方全員が見逃さないようにすることが難しいため、コミュニティ内の連絡手段として活用するのは避けたほうが良いでしょう。

ブログ・note

▼メリット
・よりストーリーが付随した情報を発信できる
・自己紹介がわりのコンテンツになる
・うまくやれば流通もしやすい
・1対N寄りのコミュニケーション
▼デメリット
・作るのが大変
・コミュニケーションはしづらい

ブログやnoteで定期的に発信するという方法も場合よっては有効です。

日々コンテンツがうまれるようなコミュニティであれば、それを残しておくことによって文脈を伴った情報を伝えることができます。

またコミュニティ外の人に「このコミュニティはどんなコミュニティなんだろう」と興味を持ってもらえた時に、自己紹介がわりのコンテンツになりやすいため、その観点でも非常に有用です。

しかし長い文章を書くというのはTwitterと同様になかなかハードルが高いため、こちらも継続性が難しいです。

なので文章を日常的に個人的に書いている人が社内なりコミュニティメンバー内にいるかどうかで、やるかどうかを決めた方が良いでしょう。

また文章って一方的に伝えるだけで終わってしまうため、相互性は薄いです。そのため「読むだけの人」が増えやすくなってコミュニケーションが生まれづらくなるというデメリットもあります。

しかし西野亮廣さんのオンラインサロンでは読者だけの人も多数いるため、決してそれがダメというわけではなく、コンテンツ力が高い文章を書き続けられる場合はむしろ有用になることもあります。

音声メディア

▼メリット
・炎上しづらい
・どんな人でも「クリエイター」にしやすい
・情報だけでなく感性も伝わる
・1対N寄りのコミュニケーション
▼デメリット
・継続が難しい
・拡散性が薄い
・なかなか聞かれない

最近はVoicyによって、音声メディアの価値が再度注目されつつあります。

音声メディアは文章と違って「聞く」という行為にコストがかかることと、話の流れを理解する(=全部聞く)ことをしないと正確に話を把握できないという特性を持っているので、一部だけ切り取られて炎上する可能性が低い、というメリットがあります。

また音声は文章以上に感情や気持ちといった「感性」を伝えやすいコンテンツなので、そこに強みがあるコミュニティであれば音声メディアを活用するのも手です。

むしろ音声メディアを中心としてコミュニティを作り上げる事例も出てきています(例:畳み人サロン)。

しかも音声メディアも収録の手間もかかりますし、自由度の高いトークをコンテンツにするとはいえ、ある程度のテーマを考える必要もあるため、継続性のハードルが高いです。

また聞く行為自体のハードルの高さゆえに拡散性が低く、コミュニティ参加者でも全然聞く時間が取れない…といった現象が起きることもしばしば。

Instagram,Youtube(考察中)

InstagramやYoutubeについてはまだ私たち自身も事例をそこまでおいきれていないため言及は避けるのですが、1つ言えることは、Youtubeは「新規ファンの獲得」、Instagramは「ファンとの関係性を深める」、という目的において非常に有効であると言われています。

YouTubeのいいところは、新しい層にリーチが取れるところと、その中でも若い人たちにアプローチが出来るところ。
Instagramは、一つひとつファンを巻き込んで、イベント化することで盛り上げています。

▼双方向コミュニケーション

Facebook

▼メリット
・発言者の顔が見えやすい
・管理をするための機能はかなりそろっている
・N対N寄りのコミュニケーション
▼デメリット
・発言のハードルが高い
・雑談が生まれづらい
・参加者が少なくなってきている
・投稿が多いとプッシュ通知がうざい

Facebookはそもそもグループ機能を「コミュニティのための機能」と位置付けて開発をしていることもあり、コミュニティ管理において非常に便利な仕様になっています。

また実名アカウントに紐付いているので、どんな人がどんな発言をしているのかも見えやすいため、安心・安全を作りやすいというメリットもあります。

しかし掲示板としてのUIや機能が強いため、発言がなかなか流れて行かず、雑談をする雰囲気がなかなか生まれませんし、発言のハードルが非常に高いです。

ちなみに雑談はコミュニティ内の心理的安全が担保されているかどうかの重要な指標になるため、それが発生しない状態はコミュニティとして健全ではありません。

またFacebookグループは発言をすると、都度参加者に通知が行ってしまうので、活発であるほど「うざい」と思われて、コミュニティ内で温度差を生む温床になってしまいがちです。通知を切ることはできるのですが、その手間をわざわざやる人のほうが圧倒的に少ないです。

そもそもFacebookのサービス自体の人口が少なくなってきたこともあり、Facebookを使いたくても「全然使ってない」「アカウント登録していない」という人も出てきています。

Slack

▼メリット
・雑談が生み出しやすい
・テーマによってスレッドを変えられる
・発言やファイルの検索性が高い
・N対N寄りのコミュニケーション
▼デメリット
・使用者のネットリテラシーを高く求める
・見ない人は本当に全く見ない

Slackはチャット形式なので非常に気軽に発言ができます。そのため雑談が生まれやすい=心理的安全を担保しやすい環境を作りやすいです。

またFacebookグループだと全員が渾然一体となってコミュニケーションをすることが多い(※グループとグループをうまくひもづけて分ける方法もある)ですが、Slackは簡単にスレッドを作ることができるため、グループ内グループをたくさん作れるので、疎外感を少なくする効果もあります。

しかしSlack自体使っている人がまだIT業界の人くらいなので、ネットリテラシーの高い人が参加するコミュニティでないとそもそも使ってくれないリスクが高いです。

現にSlackを使い始めましたが使われずに、Facebookグループに移行したというコミュニティをいくつか聞いたことがあります。

オフラインでのコミュニケーション

オフラインでのコミュニケーションは、ほとんど「イベント」に近いと考えて良いでしょう。

ただコミュニティの種類によってやるべきイベントも変わってくるので、そのあたりについて言及して行きます。

情報とつながりの強さでイベントの種類を分ける

以前、長田さんが書かれていたnoteでも言及していましたが、情報を求めているコミュニティなのか、つながりを求めているコミュニティなのかで、イベントの種類が変わります。

情報を中心としたイベントの場合は、勉強会・講演・ワークショップといった学びを得られるイベントを設計した方が満足度が得られます。ちなみにコミュニケーションとしては「1対N」になりやすいです。

つながりを中心としたイベントの場合は、交流ができるイベントにしたほうが良いでしょう。こちらは「N対N」のコミュニケーションになります。

もちろん情報もつながりも求められているコミュニティであれば、混ぜた形でイベントを実施するべきです。例えば勉強会の後に交流会を用意しておく、などですね。

ちなみに交流を意図したイベントの場合、「交流会」という名目でイベントを開催すると、「つながりは欲しいけれども話しかけたりすることは苦手」な層(しかもそれなりに人数がいる層)から敬遠されてしまうので、交流を目的とした名目にせず、別の目的を設定したイベントにしてみると良いでしょう。

例えばみんなで食べ物や飲み物を持ちよる「ポットラック」や、スポーツや舞台を一緒に観戦するイベントなどです。

交流を目的としていないですが、自然発生的に交流を生み出すような仕掛けを用意しておくほうがスマートでしょう。


いかがでしたでしょうか。

コミュニティにおいてコミュニケーションの設計は欠かせません。コミュニティを運営されている方はこの記事を参考に、設計をしてみてください。


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