見出し画像

第八回オフ会レポート 「脳のブレンド」で動物園を作る

櫻田サロンの角田尭史です。10月25日に行われた第八回のオフ会レポートをお届けします!

2018年の3月に始動した櫻田サロンで毎月行われているオフ会も早くも八回目。今回の参加者のうち約三割の方が初参加で、サロンの拡がりを感じられたオフ会となりました。

第八回のテーマは、いつもと何かが違う?

今回のテーマは「脳のブレンド」。そして、ワークショップの内容は「動物園をつくる」です。


!?


どうぶつえんを、つくる…!?


これまでのオフ会のテーマは「ピクトグラム」だったり「図解」だったり、それこそ「シンプル」なものが多かったのですが、いつもとは違う雰囲気にザワザワしながらワークショップが始まりました。


まず「脳のブレンド」について。

一般に知られているように、脳には左脳と右脳があり、その2つは別々の思考回路を持つといわれています。

左脳は具体的・論理的に物事を捉え、右脳は抽象的・直感的。左脳的な人、右脳的な人という言葉がありますが、今回のワークショップで狙ったのはその融合。つまりブレンドです。

デザインには欠かせないというこの脳のブレンド。このワークショップを通じて、両方の思考から何が生まれるのでしょうか。

そして、今回のお題である「動物園をつくる」。

櫻田さんから課されたのは「自分が行きたいと思うような動物園を作ってください」ということのみでした。

つまり、自分が行きたいと思う動物園を左脳で考え、右脳で模造紙に描くというもの。「左脳で考えて、右脳で描く」ということに大きな意味がありますが、そのことはこのレポートを最後まで読むとすっと理解できるはずです。

左脳を使って「自分が行きたい動物園」を考える

まず、自分が行きたいと思う動物園を各自で考え、それをグループでプレゼンし合いました。

ここで使うのは左脳。考えるために使ったのは、達成したいミッションを明確にするピラミッド図、かけ合わせたい要素を書き出すベン図、そして他者との立ち位置を比較するマトリクス図の3つです。

この中で僕が「深い!」と感じたのがピラミッド図でした。
上から順にミッション・ビジョン・アクションが書かれるのですが、これを考えていると「自分の考えはまだ抽象度が低い」と感じることがしばしば。ミッションと思っていたことが実はビジョンだったり、ビジョンにしたものが実はアクションだったり。参加者の中でも、ここに苦戦した人も少なくないのではないでしょうか。

動物の名前がわからない動物園

僕がいたグループを例に挙げてみます。

今日の動物園に感じていた疑問として、「檻の前に動物の名前やその説明など、知りたい情報を簡単に知れてしまう」が挙がりました。

ググれば簡単に情報が手に入る今の世の中で「考える力が低下している」と警鐘を鳴らす人がいるのは周知の事実。いわれてみると、僕が動物園に行っても、特に何も考えることなくただただ動物を眺めている気がします。

そこで考えたのは、この逆の状況でした。

何にも情報が書かれていない動物園ってどうだろう?

この一言をもとに決まったテーマが「名前のない動物園」でした。

「名前のない動物園」とは、文字通り名前が書かれていない動物園です。
動物の名前はもちろん、特徴も何も書かれていない。それどころか、スマホや時計は没収。つまり、何も情報が得られない状態で動物園に行く、というものです。

そこにあるのは、動物ごとにペンとノートのみ。来園者が見て、気づいたことをそのノートに書いていき、また次の来園者が違ったことを書いていく。

耳が長い、リンゴを食べる、夜は寝ている…などでしょうか。この動物園は何泊でも宿泊可で、思う存分動物を観察することができるのです。

そうして、分厚いノートにびっしり書かれた情報の一つひとつがつながり、その動物が語られます。予め情報が与えられた動物園ではなく、来園者全員の知識を集合させた動物園。

これこそが「名前のない動物園」なのです。

どうでしょう。こんな動物園、行きたくなりませんか?
僕は行きたいどころか、実際に作りたいとさえ思いました。

この構想に至るための、ピラミッド図はこんな感じでした。


そして、ベン図とマトリクス図はこのようになりました。



情報過多が謳われているこの世の中。そこに対して「名前のない動物園」が目指すのは「情報が皆無な環境でも、自分の頭を使って能動的に情報を掴みにいく」世界なのです。

右脳が活躍するのはここから

ここまで活用したのは、左脳のみ。次は、右脳の出番です。

グループで知恵を振り絞って考えたものを、直感的に模造紙に描いていきました。

もはや説明は不要でしょう。なぜなら、直感的に描くのだから。筆者の班全員の力が集結し、完成した超大作がこちらです。

おわかりでしょうか? 分厚いノートに描かれている馬の体の一部やその説明。来園者一人ひとりがノートに書き記していくことによって、情報が詰め込まれた図鑑が完成するのです。これぞ集合知!

この「名前のない動物園」は参加者の投票でも最多票を獲得し、櫻田さんのお眼鏡にもかない、堂々優勝。グループ全員のアイデアが詰め込まれた、まさに「集合知」が生んだ優勝でしたね。


ワークショップを通したメッセージ

このワークショップを通じて、櫻田さんが伝えたかったのは「構造化」と「抽象化」。構造化では左脳を存分に使い、右脳は抽象化において優位に働かせました。

ピラミッド図やベン図、マトリクス図を用いて「自分が行きたいと思う動物園」を考えるのがまさに構造化です。3つの図を駆使することで、自分の頭に描いていたものが段々と構造的になっていきました。

そして、今回は抽象化がミソでした。行きたい動物園を考える時間よりも、それを模造紙に描く時間が圧倒的に短く設定されていたのです。

これには理由があって、構造化にしっかり時間をかけたからこそ、抽象化にはさほど時間を要さない。「デザインするときには、その前の準備段階にしっかり時間を使いましょう」。これこそが櫻田さんの伝えたかったことなのでしょう。

最後に

僕自身も4月より櫻田サロンに入会し、ほぼ毎回オフ会に参加しています。月末の平日は色々な予定が重なるのですが、全てを差し置いてでもオフ会を最優先しています。その理由は脳に刺激を与える貴重な機会だからです。

上質なインプットを得られ、それを自分の中で咀嚼(そしゃく)する時間もあり、アウトプットまでできるのが櫻田サロンのオフ会の魅力。この上質な時間を大切にし、日々の生活に還元していきたいですね。

◇ ◇ ◇

テキスト、図:角田尭史
編集:石川遼
写真:池田実加



櫻田潤の「図解・インフォグラフィック」サロン
\櫻田サロンは定員100名になりました/
月1回のオフ会だけでなく、週末に泊まりでの合宿が行われるなど、活動の幅も広がっています。気になる方は、空き状況をチェックしてみてくださいね。今なら、まだチャンスがありますよ(※11月13日時点の情報ですのでご注意!)

今後も、さらに新しい展開がありそうです。



それから…

櫻田さんデザインのオリジナルTシャツ、絶賛販売中ですよ!


櫻田さんオリジナルTシャツが購入できるのは青山ブックセンターさんだけ!お近くにお越しの際は足を運んでみてはいかがでしょう?





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?