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櫻田さん名古屋イベント 熱量高く本質に触れる質問会


櫻田サロンの守隨(しゅずい)です。
10月14日に名古屋で行われた、櫻田サロン初の地方イベント「ビジネスに必要なデザインマインド」ではトークやワークショップに引き続き、櫻田さんへの質問会も開かれました。

今回は質問会の様子をレポートでお届けします。

(レポート第1弾はこちら)


この質問会は、事前に配られていた付箋に参加者が質問を書き出しておく形式です。休憩時間中に次々と貼られていく付箋。その数は30を軽く超え、40に届きそうな勢い!

櫻田さんへ直接質問できる貴重な機会ということで、期待がふくらんでいる様子が伝わります。

質問時間は30分程度しかありません。ここからはサロン運営メンバーでもある柴山さんの進行が入って進められていきます。


出された質問は、櫻田さんの人となりや物事に向かう姿勢、尖ったものを生み出す秘訣、今後の図解の展望などの質問が多かった様子です。

好評だったものをいくつか紹介していきます。

◇ ◇ ◇

どうすれば自分の「好き」を我慢しないでいられますか?

柴山:櫻田さんは徹底的に自分の「好き」を知っている人だなって思うんですけど、大抵の人はそれを押さえちゃってるんですよね。どうやってこんなに(自分のスタイルを)守れたんでしょうか。

櫻田:ああー、そこは我慢しない。(笑)

柴山:(笑) 我慢しろって言われなかったんですか?

櫻田:いや、言われた気がする。反抗心。でも、好きなものはめちゃくちゃオープンにしているので。NewsPicksの人は僕が何を好きで、今どんなモードかというのをだいたいわかってくれているので、そういう戦略をとっていますね。「好き」を外にどんどんオープンに出してしまうことで、自分の「好き」を追求しやすい環境にしていますね

柴山:私、ヅカオタで…宝塚が大好きなんですけれど、オタクを頑張って公表すると、いい話がいっぱい入ってくる。そういう感じですかね?

櫻田:その通りですね。たとえば、僕はWIREDがめちゃくちゃ好きだから、そこを読んでるのを出しまくっていました。かっこいい、かっこいいって。

柴山:好きって言われると、WIREDさんも嫌な気がしないですもんね。

櫻田:そういう感じですよね。いつか仕事したい、みたいな感じのテンションだったはずです。

(VoicyでもWIREDについて話していた櫻田さん)


櫻田さんは炎上しない?

櫻田:炎上ってなんかしないんですよね。気づいてないだけかなあ。

柴山:櫻田さん、してないですね。言葉の選び方が上手なので炎上しないんじゃないかと思うんです。「コミュニティを運営するなど人を巻き込む活動をされていて、言葉の選び方が素敵だと感じています。そのような言葉を使う力をデザイン思考で得たのか、アートの部分を磨いていらっしゃるのか?」という質問がきていますよ。

櫻田:それはアートな気がしています。純文学がめちゃくちゃ大好きで、日本の古い小説がすごく好き。芥川龍之介(の文章)を400字詰め原稿用紙に写経しまくっている時があった。あとは村上春樹さん。なので、そのせいだと思います。

柴山:炎上しない櫻田さん!

櫻田:そういうこと言うと炎上しそう。こわい。

柴山&会場:(笑)

切り口をどのように、どの程度まで決めますか?

櫻田:今日は一方通行のフローで説明したんですけど、実際は考えながらループしている、という感じ。たとえば、データを集めていって、形にならなさそうだなと思ったらデータをもう一度集め直したり、リサーチに戻るとか。グラフィックに落とし込んでいってつまらないなと思ったら、また企画に戻るとか。そういったことがまず前提としてあります。

柴山:はい。

櫻田:僕が気をつけていることは、作りたいものだけ作るというのが大前提にあるということ。自分が見たいものを作るというのが企画としてあって、切り口も自分が楽しめるか、新鮮な気持ちで見れるかというのを結構大事にして選んでいます。会社でも(グラフィックを)作ったりするんですけど、なるべく自分が興味を持てる、自分事にできる企画に入るようにしています。だから、切り口に迷わないように元々の企画を選んでいると思います。


「分析」「編集」「デザイン」3つの要素を、それぞれどのように鍛える?

櫻田:分析は、スキルベースというよりは好奇心を持てるかどうかというところだと思っています。

 ウェブだとリンクを辿っていく感覚があるじゃないですか。あの感覚を持てるものがまずひとつあれば、それで練習するのがいい。僕、今日名古屋城へ行ってきたんですけど、「お城が好き」から始まると「日本の城」→「名古屋城」→「徳川義直」→「関ヶ原の戦い」というふうに掘り下げていけますよね。それが訓練になる。好きなものにマニアックになる時期というのがだいたいの人にあると思うんですよ。それを思い出して、その感覚を一番忠実に現在に置き換えてやるのがいいと思います。

 編集に関していうと、架空のメディアとか雑誌を自分が発行していくような感じ。たとえば、自分は雑誌を出版したくて、そこにこんなのが載っていたらいいだろうなと妄想すると、編集力が高まると思う。編集というのは切り捨てる行為なんですね。で、切り捨てられないとうのが大体の悩みなので、だったら自分が欲しい雑誌はどうなんだろうとやると、結構クリアになる。あとは自分の部屋に飾っておきたいものはなんだろう、二度見したくなるのなんだろう、と(考える)。

 デザインに関していうとまずは、見た目と設計を分けるという話がコアにあります。設計のところはフレームワークなので、学問でなんとかなる。ベーシックなものはすでに出回っているので、まずはそれをインストールしてみて、その上で独自性を出す。僕は守破離を徹底的にやっています。まず型通りやってみる。ちょっと離れてみる。そして、これいけるんじゃない、みたいなものがでてきたら、最後にそれを自分のものとする、というふうにやっていますね。
学生時代に戻るってことです。感覚として高校生くらいの時がたぶんピークだと思うんですよね、その時の感覚を持ち続けるということですね。


今後、図解を求められる領域は?

櫻田:僕の感覚だと、図解に限らずイラストやグラフィックレコーディングなども含めて、どの分野でも求められると思う。その裾野が今年あたりからすごく広がったなという気がしています。それは、多分「図解」というワードとか「インフォグラフィック」というワードが含む範囲が広がったからだと思ってて。教育だろうと企業だろうと、境界が下がったおかげであらゆるところで使われるっていう気がしています。図解の良いところは語学と一緒で「×(掛ける)X」が何にでもいけるから。便利だとわかったら全部に展開する可能性があるなと。特に教育分野で適応されていくといいなと思うんです。

わかりやすいとわかりにくいの違いは?

櫻田:「わかりやすい」と「わかりにくい」の差というのは、一言でいうと主義が入っているかどうかかなと思っている。何を言ってるのかわかるということは、わりと主観が入っていないと作れないので、そこにすごく誤解があるなと思っています。主観を押さえて一般的にしていくと、何にもならないですね。そっちを目指さないで、主観を込めることを恐れない。

 それはただ主観を込めるというのは、恣意的に事実を嘘として捻じ曲げるのとは違う。データにないことをあるように言うのはフェイク(偽物)ですよね。だけど、データに裏付けがあって自分もそう思うというのは悪くない。そっちの方の主観を込めて作るのが大事だと思ってます。

 あと、完璧を求めないっていうところですよね。主観を込めると、そうじゃないってさされやすいわけですよ。それを気にしない。それくらい割り切って発信することが大切ですよね。



質問の数が多い中、櫻田さんと対話をしながらまとめつつ質問を投げ続ける柴山さん。まるでキャッチボールのようでした。




質問会の後は、懇親会もあり、盛りだくさんの名古屋開催でした。





櫻田潤の「図解・インフォグラフィック」サロン
現在、満員(100名)です。2018年内は増枠の予定がありませんが、月初に空きが出ることがあります。気になっている方はチェックしてみてください!

お問い合わせ:junsakurada.salon@gmail.com

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テキスト、イラスト:守隨 佑果
編集:石川 遼
写真:池田 実加

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