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「ニコニコ歴史戦略ゲー」の動画を紹介してみる

ニコニコ動画の中でも、かなりマニアックな動画群である「ニコニコ歴史戦略ゲー」の動画を紹介してみようと思います。少し長くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。
なお、見出し画像は以前に撮影した「備中松山城」です(「天空の山城」として人気がありますが、最近は「猫城主」でも話題です。「松山」とありますが、場所は岡山県高梁市です)。

1.  初めに

「ニコニコ歴史戦略ゲー」とは、ニコニコ動画における歴史を題材にした戦略シミュレーションゲームの総称です(ニコニコ大百科より)。
歴史を題材にした戦略SLGの例としては、「コーエーテクモゲームス」の「信長の野望」や「三國志」といったテレビゲームが挙げられます。
私が紹介しようとしている「ニコニコ歴史戦略ゲー」の動画は、「三國志」などのゲームにおいてアニメなどのキャラクターを登場させて、ストーリー展開する二次創作です。分かりやすく言うと、スーパーロボット大戦の戦国版のようなイメージです。
私が今まで見てきた中で面白かった作品(なるべく完結しているもの)を4作紹介しようと思います。

2.  新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~

未完の作品になりますが、この「ニコニコ歴史戦略ゲー」の走りとも言える作品であるため、紹介します。

タイトルで分かる人には分かると思いますが、「新世紀エヴァンゲリオン」「東方Project」「ひぐらしのなく頃に」「涼宮ハルヒの憂鬱」のキャラクターが三國志の世界に登場します。
ただし、主人公は「働いたら負けかなと思っている」の人です。本作品はファンから『ニート三国志』と呼ばれています。

この「ニコニコ歴史戦略ゲー」の特徴は、キャラクターを知らなくてもストーリーを楽しめることです。
当時の私は同人作品である「東方Project」のキャラクターにあまり詳しくありませんでしたが、楽しく視聴できました。
主人公であるニートには全く感情移入できませんが、作者のオリジナル要素があって、いいキャラをしています。

全70話。第一部完で終わっており、第二部がありませんが、作品としてはキリのいいところなので、見て後悔はしません。

3.  ひぐらしのなく頃に ~三国し編~

「ひぐらしのなく頃に」と「ひぐらしのなく頃に解」のアニメを見たことがあれば十分に楽しめる作品です。「ひぐらし」のキャラクターが三國志の世界に飛ばされ、雛見沢へ帰るために奮闘する話です。

「ひぐらし」以外の作品がゲストキャラとして登場しますが、「ひぐらし」中心で話が進むので、部活メンバーが好きなら楽しめます。
惨劇(雛見沢大災害)を乗り越えた後の話にしていて、「ひぐらし」という作品への愛を感じられる優しい作風の二次創作です。

全264話。毎週日曜の夜9時に動画公開されていて、面白いアニメを見るのと同じような感覚がありました。4年以上かけて大団円を迎えた力作です。

4.  101匹阿斗ちゃん

三国志演義は劉備玄徳が主人公ですが、この「101匹阿斗ちゃん」シリーズでは息子の劉禅りゅうぜん(幼名:阿斗。蜀の第2代目皇帝)が主人公です。
一説に阿斗(あと)は「アホ」の語源であるとされているように、一般に劉禅は暗愚であったと評価されています(蜀滅亡が大きな要因)。「コーエーテクモゲームス」の「三國志」においても、能力値は最低の評価です(能力値は100が上限ですが、各能力値を3・5・9・4と付けられたこともあります)。
「101匹阿斗ちゃん」では、劉禅でも101人いれば三國志の世界で天下をとれるので再評価を求めるというストーリーです(101人いても暗愚は暗愚ですが)。

上記の説明で分かると思いますが、全編ギャグでストーリーが展開されます(よくドラが鳴ります)。
色々なアニメのパロやコラがありますが、一番ネタにされているのは横山光輝先生の三国志(学校の図書館にあるマンガ)なので、「横山三国志」を読んだことがある方には特にお薦めです。

全83話(4部構成)。三國無双で劉禅が仁君かつイケメンで登場した時は笑いました。この作品のおかげかは分かりませんが、魅力値が少し高くなるなど、最近のゲームでは劉禅への再評価がされているそうです。

5.  鍵山雛の野望

「信長の野望」を舞台に、色々なキャラクターが戦国時代に召喚されて戦うという作品です。
「色々なキャラクター」と書きましたが、アニメ・ゲーム・マンガ・ラノベから多士済々といった感じで、私は1割ほどしか知りませんでした。そのため、次はどんなキャラクターが登場するんだろうというワクワク感がありました。
18禁ゲームのキャラクターも出ますが、厨二系・燃えゲーの類であり、エロ要素は出てきません(ラブラブなキャラはいますが、コメディ調です)。
本作品はファンから『ひなやぼ』と呼ばれています。

主人公の「鍵山雛かぎやまひな」は「東方Project」のキャラクター(風神録の2面ボス)ですが、私は『ひなやぼ』を視聴するまで知りませんでした。作者の最推しで、この作品を見れば「鍵山雛」をよく知ることができます。
「東方Project」のキャラクターや、キャラクターごとの持ち曲が分かるのはこの作品のおかげです(この作品の影響で、「レミリア・スカーレット」の「亡き王女の為のセプテット」が大好きになりました)。
また、その他のキャラクターも丁寧に描写されており、作者は登場するキャラクター全部が好きなんだろうなと思います。おかげさまで、やったことのない18禁ゲームのキャラクターの性格や能力が分かるようになりました。「ムシウタ」とか、自分にとって縁の遠かったラノベも知ることができました。

もう一人の主人公が「徳川家康」で、二次元キャラと戦国武将との間の友情や信頼関係を描写しているのも魅力的です。

全151話。続編の「真・鍵山雛の野望」は未完ですが、この「鍵山雛の野望」だけで作品として完成されています。五大家が出揃ってからが本番で、熱い戦記を魅せてくれます。こういうゲームをやってみたいと思わせる作品です。


6.  最後に

4作だけですが「ニコニコ歴史戦略ゲー」の動画を紹介させていただきました。どれも10年くらい前の作品ですが、ストーリーがよくできていてドラマがあります。

私は著作権の点でこういった二次創作がどこまでなら許されるんだろうと思いますが、どれも原作や「三國志」「信長の野望」への深い愛情が感じられます。私自身、ゲーム自体をやりたくなって、「三國志9」と「信長の野望・革新PK」を購入しました。
お金にもならないのに、3~4年かけて月に1~4本の10~30分程度の動画を全て1人で作成していた労力を考えると、作者には尊敬の念に堪えません。視聴者が喜ぶストーリー、動画に出すキャラクターを好きになってもらうストーリーを考えるだけでも大変だったと思います。
現在「ニコニコ歴史戦略ゲー」は廃れており、私も関心は薄れていますが、このオーパーツのような作品は今もニコニコ動画に残っているので、紹介してみました。

やはり長い文章になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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