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エジプトは若いうちに。

2012年12月 エジプトに観光(ツアー)の為、
入国した。

肌寒いが天気は良く、乾燥していた。
そして空気が悪かった。

朝方は冷え込み、炭を燃やすような臭いがホテルの周囲からしていた。
窓を閉めていてもどこからともなく煙が入ってくるようで、喉が痛い…
と思ったら、窓の密閉加減が大変な事になっている。窓枠周辺のゴムパッキンが役目を果たしていなかった。
なるほど…納得だ。
早速部屋の変更を所望するぞ。


6泊7日の旅だった。
2日目にギザからダハシュールの【赤のピラミット】に行き、入場した。

この赤のピラミッドは、一生忘れない。
2日目にして、足首からモモの付け根まで、筋肉痛になったんだ。

この【赤のピラミット】の内部は大変狭く、ずっと中腰のまま進まなくてはいけないのだ。
そして中が薄暗い。

ポイントだけライトが付いているが、個人で懐中電灯を持っていた方がいいだろう。
実際、自分も持っていって正解だった。
足元が見えないくらい暗くて、中腰で、狭くて、戻れないのだ。

途中、欧米系の御婦人が座り込んでいたので、声をかけた。彼女は進むことも戻ることもできず、
「もうムリ」を繰り返していた。

すまぬ…我々もギリギリだ。
差し伸べるべき手は、懐中電灯で塞がっている。
そして、時間内にバスに戻らないといけないのだ、
許せ!御免!

なんとか最終ポイントまで辿り着き、やっと折り返して外に出た時には、もう家に帰してくれと
言いたいのをグッと我慢するほど疲れ切っていた。
まだ工程7日の2日目だ。
まだまだこれからメンフィスだのサッカラだの
ルクソールに行くのだ。
考古学博物館で黄金のマスクも待っていると言うのに…

3日目の朝、バスに集合した参加者の歩き方が
おかしい。

苦痛に顔を歪める人、逆に痛すぎて笑いながら歩く人、全てのツアー参加者が筋肉痛に襲われている。
ツアーバスのたった3段の階段が、地獄の3段になっている。

さすが海外は女性に優しい。ガイドのエジプト紳士は両手を差し出して助けてあげている。

この非常事態には、分け隔てなく男性にも手を差し伸べてくれても、全く構わない日本男児達である。

足腰が全く言う事を聞かない状態で、王家の谷やカナルック神殿など、見逃せないポイントをどんどん回っていく。

ご存知の通り、ピラミッドや神殿周辺は人工物とはいえ、真っ平に整備されている訳ではなく、ちょっと階段があったり少し登りだったりするのだ。
登りは良いのだが、降りが最悪で、皆んな止まれないのだ。

歩いているのに勝手に加速がついてしまい、
筋肉痛が酷すぎて自分で止まれない。

「止めて〜〜!」と言って止まっている人に
抱きついて止まるのだ。
もうコント以外のなにものでもない。
昨日までそれほど親しくなかった参加者同士が
助け合わないとやっていけない状況になっている。

まだ3日目。バスタブの無いホテルだが、なんとか持ってきた湿布を融通し合ってペタペタ貼って、少しでも早く回復する事を願ったのだった。

この旅は、この筋肉痛以外にもトラブルがあったが、思いのほか長文になってしまったので
別の機会に。

 エジプトに行こうと思われている方、
 体力のあるうちにどうぞ。


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