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自分のラクダが留め飾りになりました

ライカというカメラとFacebookを通じて3人の芸術家と巡り会うことができました。
常世隆画伯
人形師(ビスクドール制作者)岡馬勲先生
根付師向田陽佳氏 (noteも始められました)
昨年は常世画伯の絵を、そして今年ついに向田氏の留め飾りを手にすることができました。

根付は実用品ですが、江戸時代に奢侈禁止令が出されて豪華な着物でお洒落出来ない時にも「着物に凝れないのなら小物に凝ろう」と細工や素材やモチーフにこだわり、洒落を効かせた実用装飾品として発展しました。
そんな根付ですから、単なるコレクションとしてではなくとことん使い込めるものを考えてみました。そこで毎日使っている手帳の留め紐のアクセサリーとして、思い出深いラクダの留め飾りを向田氏にお願いしました。
向田氏はラクダについて詳しく調べ、その上でなんと私がかつてサハラ砂漠横断の旅で使ったラクダを当時の写真から忠実に再現してくださいました。

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1984年、モーリタニアをラクダで横断していた時の写真

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写真にそっくりに仕上がった留め飾り

小袋にはサハラ砂漠の満点の星と地平線があしらわれています。
裏地は水や青空を思い浮かべますね。

トゥアレグ(サハラ砂漠の遊牧民)の諺を思い出しました。

アマン・イマン
(水は命)

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僕にとっては、苦楽を共にしたこの自分のラクダに勝る意匠はありません。それを手にする依頼者を慮る向田氏の深く暖かい思いやりに胸が一杯になりました。
そして実用品としてもとことん考え抜いて下さり、手帳にぴったりと張り付き、鞄に入れても邪魔にならず壊れにくく、それでいてラクダらしい立体感がしっかりあります。大切にしかし毎日使い込んで、使うことによって表れてくる「なれ」を楽しみたいと思います。

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素晴らしい芸術品を毎日使う贅沢をありがとうございます。

本当に感動したので、向田氏にはマリ共和国の子ラクダを一頭贈らせていただきます。とは言え寒い日本では世話をするのも大変ですので、取り敢えずマリ共和国の妻のいとこの遊牧民に世話してもらいます。大きくなりましたら、そして治安が安定しましたら、是非一度見に行って下さい。乗ったり、ミルクを飲んだりして楽しんでいただきたいと思います。
気に入っていただき、日本で飼える場所がありましたら日本にお送りします(笑)

素晴らしい作品を本当にありがとうございました。
来年は人形師岡馬勲先生に「リデル」か「ねこ」のビスクドールでも依頼しましょうか(このネタが分かる人が何人いらっしゃるでしょうw)

追記

このラクダは、根付師による根付技術に基づく、根付の心に通じる実用装飾品です。しかしその用途から厳密に根付ということには議論の余地があります。従って根付と書いていたものを留め飾りに変更させていただきました。

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