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1/2 終活のススメ


私が47歳の時、母が脳出血で倒れて片麻痺になりました。倒れる日の朝までプールで泳いでいた健康な母が突然要介護4の障がい者になり、自分で立つことも歩くこともできなくなったのです。

幸い父が健在で頭もはっきりしているので、それをきっかけに様々なことを整理して終活を進めていますが、やはり何か起きてからではできないことがたくさんあるな、というのを身近で見て、自分も何か準備をしておいた方がいいなと強く思いました。

私の子供たちがそれぞれ10歳になった時に、小学校で「1/2成人式」というのをやってくれました。そこからヒントを得て人生100年時代の半分で「1/2終活」というのを始めることにしました。

一般的な終活はもうそろそろお迎えが来るよという前提なので相続、葬儀、遺産など事務手続きがメインになるかと思いますが、私の考えた1/2終活はそのもっと前段階で「今までの人生をひとまず整理をする」という目的で行っています。

写真の整理

まず取り掛かったのは写真の整理です。かつて写真やデジタルカメラの仕事をしていたこともあり、撮るのは下手なんですがPCの中やクラウドにはとんでもない量の写真があります。それをイベントごとにフォルダを作って、整理していくというのをマイペースでコツコツと進めていきました。

写真の整理って、「いつかやらなきゃ」と思いつつなかなか取りかかれないことの一つだったのですが、「1/2終活」と思ってやると意外と楽しくできることがわかりました。

子供の成長や、自分のやってきたこと、昔お世話になった人、旅をした場所、仲が良かった人などの写真を眺めながら、自分の半生を振り返るのも悪くないなという感覚になります。

我が家は毎年結婚記念日にスタジオで家族写真を撮影するという習慣があり、違う年に同じ場所で同じポーズで撮った写真を並べてみたりとかして遊んでるとあっという間に時間が過ぎてしまいますが、それも終活という言い訳があると許せてしまいます。

6年後に同じ場所で同じポーズで撮った家族写真

色々試しましたが、整理は現在から過去に遡りながら行うのがいいと思います。近い記憶の方がもちろん鮮明ですし、そこから遡ることで過去の記憶も少しずつ蘇ってきます。

人との再会

次に行ったのが、同窓会の参加です。アラフィフになると、25周年、30周年といった行事の案内がきます。それまでほとんど参加していなかったそういった会にも「終活だから」という言い訳で足を運ぶようにしました。そこで、本当に懐かしい友人や上司などに再会することができ、やり残したことが一つ減った気持ちになりました。

かつて住んだ場所を訪れる

もう一つすごく良かったのは、長女を連れて過去に住んだ街を巡って旅行をしたことです。私は幼少期をフランスで過ごし、ビジネスマンになってからはシリコンバレーを中心に活動していたので、それぞれ1週間くらいの旅をしました。高校生だった娘に学校を休ませて連れていくことになりましたが、これも「終活だから」ということで強行しました。あちこち連れ回したので、もう2度と一緒に来てくれそうにありませんが。

好きの再認識

それ以外にも、好きだったアーティストのコンサートは時間が合えばノータイムポチ、東京から九州まで親友と10日間かけて車でキャンプ旅行したり、高校以来弾いていなかったギターを持ってステージに立ったりと、体力があるうちにできる楽しいことは積極的に50歳までにやりきってしまえという勢いでアクティブに行動しています。

「いつかやりたい」をやってしまう快感

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが主演のコメディドラマ「最高の人生の見つけ方」という映画が好きです。余命宣告を受けたことをきっかけにおじいちゃん2人が、人生でやりたかったリスト(英語でThe Bucket Listと言います)を一つ一つ潰していくことで、悔いのない形で人生を終えようとするお話です。

1/2終活のように、健康で体の自由がきくうちから期限を決めて「いつかやりたい」と思っていたことをやってしまうのは、大切に取っておいたおやつを食べてしまうような快感があります。

いつかやりたかったことをやり終えてしまうと、その後に虚無感があるのかなと思っていたのですがそんなことはなく、逆にその後の人生の選択肢が増えるというか、新たな「やりたいことリスト」が見つかってきました。

私の場合は、今まで自分や家族や会社のためにという気持ちで生きてきたのを一区切りできたような感じがして、この1/2終活を通じて「残りの人生を若い世代を応援することに費やそう」という決意が生まれました。

ポジティブなアラフィフ時代を送るという意味でも、この1/2終活はお勧めです。ぜひお試しあれ。

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それでは今日も素敵な1日になりますように!ジャンプ!🚀

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