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番外編:ラズパイでDnoteLR⁺

こんにちは、「DnoteLR⁺」のマーケティング・アプリDnoteLRのモニターにご協力頂きありがとうございました。モニターに関連した開発秘話の連載も一旦最終回とさせて頂きましたが、今後も時折DnoteLR⁺に関連したコラムを不定期で掲載して行きたいと考えています。よろしくお願い申し上げます。

マーケティング・ツール

以前に、コロナ自粛の間に湧いてきた「このままではいけない!」との恐怖感からマーケティング・アプリDnoteLRの開発が始まったこと、ヤフーのLODGEチームに相談してサポートを受けたことをご紹介させて頂きましたが、iOSのアプリを開発する前に手がけていたのが、リアルタイム・デモ用のツール開発でした。

開発したDTSCやDnoteLR⁺を、お客様に評価してもらいマネタイズする為には、いくつもの壁を乗り越えなければなりません。

第一段階は、「おお!面白いね」と興味を持ってもらうことです。この段階のプレゼンやデモは、第一印象が大事。展示会やビジネスピッチのように短い時間の間で、ベストなデモとキャッチなトークで、次の打ち合わせの機会を得ないと先に進めません。
第二段階は、「なるほど〜」と技術やバリューを納得してもらうことです。この段階では、技術的な仕組みや他社との違いをプレゼンとデモで強調することが大事です。説明をする間に、お客様が困っていることを汲み取って行くことが重要です。その上で、お客様のエンジニアにも評価してもらえるデモ機材の提案を納得頂ければ、第三段階に進めます。
第三段階は、「ほ〜、そうなんだぁ」と、お客様のエンジニアにイロイロと試しながら、提案した効果や価値をお客様のシステムに組み込んで確かめてもらうことです。この段階のデモは、ターゲットの製品に限りなく近く、リアルタイムに実行出来ることが大事です。

第一から第三段階まで、どうやって進めるか?お客様との会話を通じて作戦を練りつつ、最適なデモ機材を提案していくことが重要です。

ターゲット製品が携帯電話やタブレットならiOSやAndroidのアプリがデモ機材になりますが、それ以外の音響機器では最初からお客様のシステム向けのアプリを開発することができないのは明らかでした。

頭を捻ってたどり着いた結論=ラズパイ

ラズパイであれば、ドングル(間に挟む)デバイスとして、音響機器のメインボードと音響システムの間に組み込むことが容易です。最初に考えたのは、USB->BTのラズパイ、TVやPCからBTスピーカーの間に挟むデモ機材です。

自分が UNIX 系を長く触っていることも理由にありましたし、DSPとかで組むよりも、LINUXであればイロイロと工夫ができることも理由です。実はラズパイのDnoteLRアプリはWiFi経由でUDP通信もしています。

そして、USB->USB、BT->BT、I2S->I2Sとインターフェースを変えたシリーズのデモ機材を開発しました。ラズパイでの処理とインターフェースによる遅延が入りますが、お客様のシステムに応じたラズパイを選べば、第三段階のデモとしては十分です。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

本日、第三段階のお客様と打ち合わせしてきました。システム構成を公開する訳には行きませんが、納品したデモ機材をお試しして頂き、大変喜んで頂けました。感謝です。

もっと、詳しいDnoteLRの理論的な背景を知りたい場合

以下の LinkedIn のページに技術論文がおいてあります。

https://www.linkedin.com/in/jun-ichi-okamura-6b8bb2b/

それでは、次回のコラムをお楽しみに。


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