シネマトゥデイより。

「ウルトラセブン」の魅力を語った庵野秀明

　庵野秀明が17日、TOHOシネマズ池袋で行われた、庵野セレクションによる55周年の4K版「ウルトラセブン」上映＆トークイベントに登壇し、セブン愛あふれるトークを繰り広げた。

【画像】庵野秀明が選んだ傑作エピソード！「円谷映画祭2023」上映作品

　円谷プロダクションの創立60周年を記念し、代表作を上映する「円谷映画祭2023」内のプログラムとなった本上映会。「ウルトラセブン」全49話の中から庵野自らがセレクトした4つのエピソード（第4話「マックス号応答せよ」、第8話「狙われた街」、第14話「ウルトラ警備隊西へ 前編」、第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」）を上映した後に、庵野によるトークが行われた。
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✅庵野監督セレクトの4サブタイトル

ここからの解説は筆者が記憶をたどり、また失念した部分については、各種サイトからの引用も付け加え補足しました。

ウルトラセブンのストーリー要約をお答えします。庵野監督自らがセレクトした4つのエピソードは以下の通りです。

• 第4話「マックス号応答せよ」反重力宇宙人・ゴドラ星人登場

  • ウルトラ警備隊のソガ、アマギ、タケナカ参謀が乗った地球防衛軍の新造原子力船マックス号が、反重力を操るゴドラ星人によって宇宙空間へ拉致される。ダンはウルトラアイを奪われてゴドラカプセルに閉じ込められるが、脱出してウルトラセブンに変身する。ウルトラセブンはゴドラ星人を倒し、マックス号に仕掛けられた爆弾を持って宇宙へ飛び、タケナカたちを救出する。

• 第8話「狙われた街」　幻覚宇宙人・メトロン星人登場

  • 本作の監督は映画「帝都物語」等でも有名な実相寺昭雄氏。1967年11月19日に放送された。脚本は金城哲夫氏、特殊技術は大木淳氏、監督は実相寺昭雄氏。東京都北川町で、重大事件が連続して起こる。なぜか、その犯人はみんな北川町の住民だった。その北川町をパトロールするフルハシとソガ。ライフルを乱射する男に遭う。タバコと赤い結晶体。フルハシは、作戦室でタバコを一服。その直後に大暴れして失神する。更にソガもタバコに火をつけたとたんに半狂乱、そして失神！ダンは2人が吸ったタバコが気になる。そのタバコには、人を狂わせてしまう赤い結晶体が入っていることが判明！ダンとアンヌは、北川町駅前のタバコの自動販売機前で犯人を張る。犯人らしきワゴン車を追い、アバートへ。夕焼け空の下町ダンはメトロン星人と対峙する。地球侵略計画を語るメトロン星人。夕陽の中、アパートからは円盤が現れる。ダンはウルトラセブンに変身。舞台は夕焼け空の下町。セブンとメトロン星人が対峙した。

  • 当時の日本では現在と違って喫煙者に対する社会的規制がほとんど無く、第8話で「人類の約半分はタバコを吸っている」とのセリフがある。

  • 浦野光氏によるエンディング・ナレーションは下記、網掛け部。

• 第14話「ウルトラ警備隊西へ 前編」

• ペダン星人・ペダン星人のロボット(キング・ジョーと後から命名された)　登場

  • ワシントン基地がペダン星に観測ロケットを送り込んだことで、ペダン星人が地球への報復を開始する。彼らは地球防衛軍の科学者を殺害し、ドロシー・アンダーソンという女性科学者に変身してウルトラ警備隊に潜入する。ドロシーの偽情報によって、南極から日本に向かっていた原子力潜水艦アーサー号がペダン星人のスーパーロボットに襲撃される。ダンはウルトラセブンに変身してスーパーロボットと戦うが、エメリウム光線もアイスラッガーも効かない。

• 第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」

  • スーパーロボットは一時撤退するが、ペダン星人の脅威は去らない。ドロシーの姿をしたペダン星人がダンの前に現れ、新兵器の開発を中止すれば地球を立ち去ると約束する。しかし、本物のドロシーは記憶を奪われており、ペダン星人は約束を破って地球に宇宙船団を呼び寄せ、スーパーロボットに神戸港を襲わせる。アンヌの尽力で記憶を取り戻したドロシーと土田博士が新兵器ライトンＲ30を完成させる。ウルトラセブンとウルトラ警備隊が力を合わせてスーパーロボットを破壊し、逃げるペダン星人の円盤もワイドショットで撃墜する。宇宙船団は恐れてペダン星へ引き返す。

  • キングジョーはウルトラマンのゼットンと互角の強さとの説明があった。合体変形スーパーロボットの先駆者でもあり、東映のジャイアントロボや、同アニメーションのマジンガーZよりも早い登場であるが、宇宙人の尖兵のため、正義のスパロボにカウントされない。ネーミングは脚本家の「金城」から、キングジョー。

  • なお、この前後編のウルトラセブンは、上西弘次氏でなく、帰ってきたウルトラマンを演じた菊地英一氏がスーツアクターをしている。上西 弘次（うえにし こうじ、1938年11月24日 - 没年不詳）は、日本の俳優および殺陣師。剣道の有段者で、数多くの映画・テレビ作品に関わる。その後、プロデューサー業に転向し、テレビCMなどを制作。企画会社を設立する。死因や没年の詳細は不明である。

  • ドロシー・アンダーソン博士役は、リンダ・ハーディスティー（英語: Linda Lee Hardisty, 1947年6月5日 - 1986年8月29日]）は、日本で活動したアメリカ合衆国出身の女優。。アイダホ州ボイシ出身。留学生として日本の上智大学に在学中の1967年に、『ウルトラセブン』にゲスト出演。翌1968年には刑事テレビドラマ『キイハンター』第1話「裏切りのブルース」（エレナ役）と日米合作映画『ガンマー第3号 宇宙大作戦』（看護婦役）に出演した。上智大学卒業後は英語教師をしていたが、その後は帰国してボイシ州立大学で学士号を取得した。『ウルトラセブン』で共演したひし美ゆり子がその後の消息を探っていたが、1986年9月発行の地元紙「Idaho Statesman（英語版）」は、同年8月29日にワシントン州バトルグラウンドの自宅にて39歳で死去した、と報じている。

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庵野監督談の続き。

本編上映後、ステージに登壇した庵野は、背後のスクリーンを見上げながら「（画面の比率が）4:3なので、ちょっと横が足りないのが残念ですが、でもこの大きさで見られるのはいいですよね」とあいさつ。1967年から68年にかけて放送された「ウルトラセブン」をリアルタイムで観ていたと語る庵野は、「今回選んだ4本は、特撮が大画面向きの作品。普通に選ぶなら最終回（「史上最大の侵略」）の前後編とかを選ぶと思うんですけど、それは今までも上映されてきたんでいいかな」とその意図を説明した。

　「大人向けのエピソードが多い」と言われることが多い「ウルトラセブン」だが、庵野自身も「当時は小学校低学年だったので、今ウケているようなエピソードは、難しいなと思って観ていました」と告白。ドラマパートよりも、宇宙人とのファイトシーンなどを楽しみにしていたという。

続けて、大人になって「ウルトラセブン」の良さがわかるようになってきたと力説。セブンは、ウルトラマンのように最初から巨大化するのではなく、相手の宇宙人に合わせて、等身大で登場することも多かったが「ウルトラマンは大きくなるものだと思っていたんで、等身大で活躍するというのが衝撃で。子どもの頃は不満だったんですけど、大学生になると『これでいいんだ』と、その良さに気付きました。

『ウルトラセブン』は押井守という人も大好きで、中学生（くらい）の時になんでこれを観ていたんだろうと思うんですが、それくらい魅力があったんだと思いますね」としみじみ語った。

またこの日の4つのエピソードの中には、女性に変身した宇宙人にウルトラアイを盗まれてしまったり、やはり女性に変身した宇宙人と友好関係を築いたと思ったら騙されて、逆に地球侵略の危機に陥ってしまうなど、主人公モロボシ・ダンのお人好しエピソードが次々と登場。そのことについて、「これはダンが甘いんですよ。女性に弱いんだなと思います。まんまと騙されてますからね。ちょっと本人に問題があるんじゃないかと思いますね」と指摘して会場は大笑いとなった。

　そんなセブン愛あふれるトークを繰り広げた庵野は、あらためて「ウルトラセブン」は創作活動の原点である、と明かす。「やはり侵略者というテーマに初めてキチンと触れたのが『ウルトラセブン』でした。地球防衛軍という組織があって、毎回宇宙人が攻めてくるというテーマにすごく惹かれましたね。その前には東映が『キャプテンウルトラ』というのを作っていて、あれも侵略がテーマだったんですけど、舞台が宇宙だったから。『ウルトラセブン』は地球に来てくれるので、すごく腑に落ちて観ていた気がしますね」と明かす。

　そして最後に「本当にウルトラシリーズは面白いんですよ！」と力を込めた庵野は、「僕らの歳だとそんなに評価されていないけど、『A（エース）』も『タロウ』も『ティガ』も面白いんです。円谷さんのサブスクもあるので、観てないものがあったらぜひ」とオススメ。さらに「ウルトラシリーズだけでなく、『ミラーマン』も面白いですよ。ダメな回もありますけど、そこは我慢してもらって。あとは『ジャンボーグA』も『ファイヤーマン』も面白いですね。『ファイヤーマン』はいい回少ないですけど（笑）。あと『怪奇大作戦』もいいんですよ。円谷さんのイベントで今度トークをやりますんでぜひ来ていただけますと」と11月25日に開催予定の「怪奇大作戦」上映会もアピールしていた。（取材・文：壬生智裕）

「円谷映画祭2023」は12月14日まで全国劇場で開催中

✅ウルトラセブンと、円谷作品の魅力とは?

ウルトラセブンとは、1967年に円谷プロダクションが制作した特撮テレビドラマで、ウルトラマンシリーズの第2作目です。円谷作品の魅力とは、多くの人が挙げるのは以下のような点だと思います。

• 怪獣や宇宙人のデザイン：ウルトラセブンに登場する怪獣や宇宙人は、個性的で魅力的なデザインが多くあります。例えば、メトロン星人やキングジョー、エレキングなどは、ファンにとって忘れられない存在です。怪獣や宇宙人のデザインは、円谷プロダクションの創造力の高さを示しています。造型は成田亨氏。新宿の個展へと出向きました。鬼籍に入られています。

• メカニックの造形：ウルトラセブンに登場するメカニックは、緻密で美しい造形がされています。例えば、ウルトラホーク1号やウルトラガンなどは、当時の最先端の技術を用いて作られました。メカニックの造形は、円谷プロダクションの技術力の高さを示しています。

• 社会的なテーマ：ウルトラセブンは、単なる正義と悪の対決ではなく、社会的なテーマを取り入れた作品です。例えば、環境問題や人権問題、戦争や平和など、現代にも通じる問題について考えさせられるエピソードがあります。社会的なテーマは、円谷プロダクションのメッセージ性の高さを示しています。

以上のように、ウルトラセブンと円谷作品の魅力は、創造力、技術力、メッセージ性の三つの要素に集約されると言えるでしょう。これらの要素は、55年にわたって多くの人の心をつかんできた理由だと思います。もっと詳しく知りたい場合は、以下のサイトをご覧ください。

• 円谷プロに聞く、ウルトラセブンが55年の時を経て伝える「対話と共生」への思い

• 庵野秀明セレクションによる『ウルトラセブン』『ウルトラマンタロウ』の名エピソードを特別上映。円谷プロ60周年記念“円谷映画祭2023”開催決定

• ウルトラセブン55周年記念 中西 学写真展「55 years of ULTRASEVEN」

• なぜ『ウルトラセブン』は多くの人の心をつかんだのか

• 『ウルトラセブン』の魅力に迫る！「4K UHD＆MovieNEX」発売記念イベントレポート

ウルトラセブン以外にも、円谷プロダクションは多くの作品を制作しています。例えば、以下のような作品があります。

• ウルトラマンシリーズ：ウルトラセブンの前に放送された『ウルトラマン』や、その後に続く『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラマンA』『ウルトラマンタロウ』など、多数のウルトラマンが登場する特撮テレビドラマのシリーズです。現在も新作が制作されており、最新作は『ウルトラマンデッカー』です。

• ウルトラQ：ウルトラマンシリーズの原点となった作品で、1966年に放送されました。怪獣や宇宙人などの不思議な現象に遭遇する人々の物語を描いています。2004年には『ウルトラQ dark fantasy』というリメイク版が制作されました。

• 怪奇大作戦：ウルトラセブンの後に放送された作品で、1968年に放送されました。怪奇現象や超常現象に立ち向かう特別捜査班の活躍を描いています。円谷プロダクションの作品としては珍しく、ウルトラマンシリーズとの関連性はありません。

• エコエコアザラク：1997年に放送された作品で、魔法使いの少女・黒井ミサ(原作版)が悪魔や呪いと戦うホラー・アクションドラマです。2004年には『エコエコアザラク〜眼〜』という続編が制作されました。

以上の作品は、円谷プロダクションの代表的な作品の一部です。もっと詳しく知りたい場合は、以下のサイトをご覧ください。

• 円谷プロダクション - Wikipedia

• ウルトラシリーズの作品一覧 - Wikipedia

• 円谷英二 : 関連作品（映画） - 映画.com

• 円谷エンターテインメント - Wikipedia.

ウルトラシリーズ最高傑作の呼び名も高いウルトラセブン。
まだ未見でしたら、ぜひ、全ストーリーをご覧ください。

「ミラーマン」「ファイヤーマン」「ジャンボーグA」「怪奇大作戦」も!!

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