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【このマンガはすごい!】「リングにかけろ!」近代少年マンガのフォーマットを作った迷作

✅概要


「リングにかけろ」は、車田正美による日本の漫画作品です。この作品は、1977年から1981年にかけて週刊少年ジャンプで連載され、ボクシングを題材にしたスポーツ漫画として人気を博しました。

また、この作品は、後にアニメ化され、2004年から2005年にかけて放送されました。この作品が人気を博した理由は、主人公の高嶺竜児が、プロボクサーだった亡き父の遺志を継いで世界チャンピオンを目指すべく、姉の菊の教えを受けて成長していくストーリーが描かれていることです。

そして、この作品は、現実的な試合の内容と超人的な戦いを繰り広げる内容が混在しており、多くの読者から支持されました。

ジャンプの発行部数を大きく飛躍させ、最終回を巻頭カラーで飾った最初の作品です。この作品以外では「SLAM DUNK」と「こち亀」くらいしか、そのような有終の美を飾った作品は見当たらなかったですね。

✅リアル・ボクシング・マンガから、荒唐無稽なSFバトルマンガへ それが成功!

「リングにかけろ」には、多くの人気キャラクターが登場します。主人公の高嶺竜児や、彼のライバルである剣崎順。高嶺竜児の姉であり指導者でもある高嶺菊などがその代表例です。また、この作品には多くの個性的なキャラクターが登場するため、読者から支持されたと考えられます。

「リングにかけろ」には、現実的な試合の内容と超人的な戦いを繰り広げる内容が混在しています。作品の初期には、現実的な試合の描写が多かったとされていますが、途中から路線を変更し、実際のボクシングとはかけ離れた技を持ったボクサー同士が超人的な戦いを繰り広げる内容へと変貌しました。このような展開が多いため、作品内で描かれるボクシングの試合は、現実的ではないと言えます。


✅黄金の日本ジュニアの5人と影道総帥

「リングにかけろ」には、多くのキャラクターが登場します。日本ジュニアの5人と影道総帥について教えます。

日本ジュニアの5人は、高嶺竜児、剣崎順、香取石松、志那虎一城、河井武士です。彼らは、チャンピオンカーニバル(全国大会)に出場し、日本代表として戦いました。剣崎は東京都の大会で優勝しますが、腕を負傷してアメリカへ治療に向かい、準優勝の竜児が代理で出場となります。

影道総帥は、「影道」という拳闘集団の総帥であり、剣崎順と双子でうり二つの容姿をしています。彼は、「世界連合Jr.」というチームを結成し、十二神と対決しました。


✅個性派揃いのメンバーたち


高嶺竜児 
心優しき貧しい育ちの少年。天才女性トレーナー菊の弟。
特徴がなく存在感は希薄であり、他の4人の個性に埋没している。
ドカベンいうところの主役、山田太郎か。
フィニッシュ・ブローはブーメラン・フック、ブーメラン・スクエア、ブーメラン・テリオス、ウイニング・ザ・レインボー。

剣崎順 
剣崎コンツェルンの跡取りで大富豪の子息。天才、スーパースターの名を欲しいままとする、竜児の最大のライバル。主役以上に人気が高くインパクトのあるキャラ。移動は常に運転手付きのリムジン。初期の彼の性格は口汚く傲慢。底意地が悪く、弱者に対して容赦ない。しかし、卑怯な手は使わず、あくまで実力で敵を倒す。わがままなお坊ちゃまだが、送電室での謎の特訓や美意識の強さは天下一品で、己惚れている分、行動や結果で相手を納得させる持ち主。正に有言実行である。
なぜか、べらんめぇな江戸っ子言葉を多用する不思議な富裕層の倅。
ふと垣間見せる優しさや仲間思いがギャップ萌え。
フィニッシュ・ブローは右のストレートのギャラクティカ・マグナムと左のギャラクティカ・ファントム。
彼の必殺技は当時の子供たちの間で大流行した。女性にモテ過ぎるキャラとして有名であり、また、オレ様キャラとしてマンガ史上に残っている。
「イケメン」「天才」「金持ち」の3大モテ要素を全て兼ね備えた見本のような男。

最後に一言。「アンタ、ほんまに中学生なの??」

答え。連載当時は中学生から高校生相当。
昭和40年7月4日生まれ。
身長 164cm

リングにかけろ究極解説書「炎の魂」 集英社 
にメンバー全員のデータが明記されている。

日本ジュニア結成時の学年は以下のとおり。
志那虎 中3
剣崎・河井・総帥 中2 ※総帥は義務教育を受けていない。May be….
高嶺・石松 中1


世界タイトルマッチ。チャンピオンのジーザス・クライストから、開始ゴングそうそういきなりのパンチを喰らってダウン。しかし、ほどなく立ち上がり、剣崎は油断したジーザスに対して、強烈なアッパーカットでお見舞いする。そして、この絶叫だ。

✅「世界チャンプを背負ったおめえのパンチより、我が友ケンカ石松の拳のほうが、なん十倍も強烈だったぜーーーーーーーー!!」


にはみな泣いて感動したものです。

そして、ジーザス、空中高くブッ飛びます。


途中から竜児の姉の菊とは恋仲となり、世界タイトルマッチの防衛戦にて、竜児と激戦の末に敗退、最終回では結婚式場で息絶えた。

志那虎一城 
京都出身のいぶし銀。格式ある名家の子息。父親に強引な特訓を強いられて、片腕が使えなくなるも、数々の必殺パンチを生み出す仲間の最年長。
フィニッシュ・ブローはローリング・サンダー、スペシャル・ローリング・サンダー、円月拳。

河井武士 
越後の若武者。美少年としてファンが多く、ピアノの名手。冷徹な攻撃で敵を仕留める。姉は美形の貴子といい、菊のライバル。やはり良家の子息。
フィニッシュ・ブローはジェット・アッパー、ジェット・ラベンダーというアッパー・カット。

香取石松 
千葉県のケンカチャンピオン。背は低いが跳躍力とボクシング・センスで敵を翻弄して徹底的にブチのめす。竜児の最も信頼すべき理解者的存在。剣崎とは菊をめぐってタイマン勝負に出るも惜敗して引退を決意する。
しかし、剣崎は彼の実力を称えて、世界チャンピオンのジーザス・クライストに挑みます。
フィニッシュ・ブローはハリケーン・ボルト、スパイラル・タイフーン。

影道総帥 
本名は剣崎殉。順の弟であり、その実力は日本ジュニアを上回るほど。続編で唯一生き残った主要キャラ。相手のパンチをコピーできる。
フィニッシュ・ブローは、影道雷神拳、影道冥王拳のアッパー2種。敵を数時間後に死に至らしめる心臓打撃ストレートの影道鳳閣拳、敵の動きを止める影道龍極破、パート2では蘇生術も披露した。
漢字で呼称するという当時的には斬新だった「~拳」などの必殺技や、急所を突き、時間差で息の根を止める攻撃などの多彩な技も、のちの「北斗の拳」に与えた影響が大きい。この人、おそらく一番強い。。。。

また、主役が一人ずつ、ライバルと出会い、次々と仲間として巨大な敵に向かっていく。敵の強さがケタはずれになり、強さのインフレーションを起こすという流れや、時として「5人組の団体トーナメント戦」などのフォーマットは、下記のジャンプマンガへの影響やオマージュが強く見られる。

キン肉マン、ドラゴンボール、SLAM DUNK、前述の北斗の拳ほか。

また、少女マンガでも、美少女戦士セーラームーンなどのコミカルさとシリアスさが混在したバトルヒロイン、SF、ファンタジー、ギャグ風味あり、神話や伝奇ロマン。努力もしないでいきなり獲得する技や、説明もなく繰り出される謎の必殺技。しかも謎解きや伏線の回収も一切なし。この無責任さこそが、スポーツマンガの常識を覆した反スポ根マンガの開祖とも言えよう。

敵がベルばらのような外人美形少年などからも、近似点が指摘されていたりする。しかも、なぜか短足。さらに付け加えると、初期メンバー5人に追加、追加を繰り返す新キャラメンバーなどが、セーラームーンや東映戦隊パターン。それもまた、酷似している要素の一つ。

もちろん、作者・車田正美の大ヒット作である、リンかけの発展版「聖闘士星矢」に直結した作品であることは言うまでもない。

✅パワーリストとアポロエクササイザー

作中に出たリアルな特訓アイテムが、竜児のパワーリストと剣崎のアポロ・エクササイザーでした。

「巨人の星」の星飛雄馬が身に着けていた、貧乏日雇い人夫手作り、児童虐待大リーグ養成ギプスとは異なり、れっきとしたトレーニング・アイテムで、コチラは、きちんと国の認可も受けた正規スポーツ用品です。

🥊パワーリスト 謳い文句「キミもこれで竜児になれる! さぁ、買おう!」

パワーリストとは、手首に装着して使用する筋力トレーニング器具です。手首に砂や鉄粉を入れたバンドを巻くことで、手首の筋肉を鍛えることができます。

パワーリストが売れた理由は、マンガの影響もありますが、その効果にあります。パワーリストを使用することで、手首の筋肉を鍛えることができます。手首の筋肉が強くなることで、握力やグリップ力が向上し、スポーツや日常生活でのパフォーマンスが向上する可能性があります。

作中では、その効果で、コーク・スクリューを獲得する竜児でしたから、当時の中学生や小学生もみな、パワーリストをスポーツ店や通販で購入して、自慢しあっていましたが、コークスクリューやブーメラン・フックを身に着けた子供は、日本全国誰一人としていなかったようです。金返せー!!

🥊アポロエククサイザー 謳い文句「キミもこれで剣崎になれる! さぁ、買おう!!」

アポロエクササイザーとは、筋力トレーニング器具の一種で、コア(体幹)の機能向上に特化したマシンです。金属製の筒に通されたロープにかかる摩擦抵抗を負荷とする鍛練具で、筒を回転させることで、ロープがよじれて負荷(摩擦抵抗)を増加させることができます。

1980年代にアメリカから輸入され、当時爆発的な人気を博しました。また、ボクシング漫画『リングにかけろ』にも登場し、多くの人々に知られるようになりました。

作中、菊にパンチの軽さを指摘された剣崎が、このマシーンを使用して猛特訓の末に、それを克服、マグナム、ファントムといった驚異の破壊的パンチ力を身に付けました。


✅1週1ページ、1コマでさっさとケリがつく、タイパ時代に即した先駆的作品!!

それまでのスポーツマンガは一つの勝負にかなりの時間を要していました。巨人の星や、あしたのジョー。また、ジャンプのアストロ球団などは、一試合で連載が1年かかったりと。。。そんなじれったさを一気に解消したのが、このマンガ。技の名前をいちいち叫んで敵を仕留めるという、マジンガーZ的な部分も多分に含まれていたのも、子供にウケた理由でしょう。

✅まとめにかけろ!

この作品が後継作品に与えた影響は大きく、繰り返しますが、多くのジャンプ作品に影響を与えたと言われています。例えば、「はじめの一歩」や「イーグル」などのボクシング漫画が登場するきっかけとなったと言われています。また、「リングにかけろ」は、現実的な試合の内容と超人的な戦いを繰り広げる内容が混在しており、多くの読者から支持されました。

今見ても面白く、激アツにしてクール。バカバカしいけど本気になってしまう。泣けて笑えるという最高のエンタメマンガのひとつであると言えます。

リアタイ世代だったオジサン、ゆとり世代も、Z世代もみな楽しめる一作。

何度でも繰り返して、マンガとアニメをぜひ!!

最後まで、お読み下さり、ありがとうございました。よかったらスキ、フォローよろしくお願いします😉

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