《Transformation by Design》デザイン思考に触れてみた②
こんにちは、昨年4月から金融機関のデジタルマーケティング担当になったJUNです。
こんなご時世です。このタイミングでの発信に葛藤もありますが、「思考を止めない」「思ったことをシェア」をnoteのモットーにしていますので、引き続き発信していきたいと思います。
前回に引き続き、ノンデザイナーがデザイン思考の片鱗に触れて(富士通さん制作の「Transformaiton by Design」を読んで)感じたこと・学んだことについて書いていきたいと思います。
前回の記事はこちら↓
はじめに
今回は第4章からの内容を読んだ所感や学びについて書いていきます。
第4章 未来を描き出す:シナリオ手法
未来を描き出す「シナリオ手法」のトリセツについて解説しています。第5章 形のないものをデザインする:サービスデザインの方法論とツール
サービスデザインの方法論とツールについて解説しています。あとがき
富士通さんの「Transformaiton by Design」はこちらから
こんな人には気づきがあるかも
チームや部署、そして会社など身近にデザイナーの方がいない方(ノンデザイナーの人)
富士通の「Transformaiton by Design」をまだ読んでいない方
デザイン思考って何だっけ?というビジネスマンの方
「Transformation by Design」を読んで(第4章から最後まで)
シナリオのつくりかた:第4章
第4章は未来を描く「シナリオ手法」について解説しています。
未来を描くためのシナリオと聞くと、「もし~だったら、○○となる可能性がある」といった記載の仕方がまず思いつきます。
ですが「どう仮説を作るか(どういう可能性を中心に据えるか)」という部分は自己流でやっている、という方も少なくないのではないでしょうか(私はそうでした…)。
こちらの章では、「未来を描き出す」手法をより体系的に取り上げてくれています。シナリオ手法の実践的プロセスは以下の通りです。
プロジェクト課題を定義する
状況を分析し原動力(変数)を特定する
カギとなる対立要素を探す
最も妥当な変数を選択する
シナリオのマトリクスをデザインする
物語としてシナリオを肉づけする
私がシナリオの作り方(プロセス)で学びになったことは以下の部分です。
重要な変数をいくつか挙げて、正反対となる変化を考える(ステップ3)
最も重要と思われる変数で2軸、4象限を作り、4つのシナリオを掘り下げていく(ステップ4,5)
私の業務でも将来的なシナリオを検討しながら、事業戦略・投資計画を考えることがあります。
ですが、どういった可能性を考慮するかは担当者次第となっていた部分が大きく、変数を特定して対立要素を探し出し、2軸化して4つに絞り込んで考えていくという一連のプロセスは目から鱗でした。
こちらの章で取り上げられている手法はシンプルでわかりやすく、そのまま使えそうなフレームワークですので、ぜひ業務で取り入れていきたいと思います。
サービスデザインの方法論がわかる:第5章
第5章は実践的なサービスデザインの変遷と事例、そして手法を紹介しています。
第5章で取り上げられていたサービスデザインツール(手法)は全部で5つあります。それぞれ気になったことなどを書いていきます。
また、金融機関に勤める人間としては、(海外ですが)保険や銀行の事例も参考になりました。
もちろん詳しくはぜひ原本を読んでみてください。
こちらの手法は初めて目にしました。サービスの価値をアウトプットするという手法なので、初めてやるには意外と難易度が高そうです。
そのため、ちょっとnoteなどで情報収集したり、チームで一緒に実践してみたいと思います。
こちらは広く普及している一般的な内容が記載されています。
個人的には、ペルソナ作成についてはこちらの記事も勉強になります。
こちらは「カスタマージャーニー」と言われたりもする用語です。
ポイントは、「ユーザーエクスペリエンス」のステップにフォーカスして全体像を描くことだと思いました。
次に出てくる「ユースケースストーリーボード」や「サービスブループリント」の存在を知って、今まで知っていた「ジャーニーマップ」はユーザー側の一部分を切り取るフレームだったんだな、と初めて理解できました。
こちらは初めて聞いた言葉でした。
ただ、記載の通りジャーニーマップでは語れない細かなユーザーフローを洗い出すことを目的としたフレームのようです。
重要なのは、サービス上のステップだけではなく「顧客がたどるすべてのステップ」をまず洗い出し、そのうえでサービスとのタッチポイントを視覚化することだと思いました。
さらに初見の用語です。。
ですが、こちらは掲載されている図がわかりやすかったのですぐにイメージができました。
確かに、今までジャーニーマップを作成してユーザーが体験するサービスの流れをまとめることはありましたが、バックエンドで動かすシステムの仕組み(フロー)もまとめて説明することはできていませんでした。
そのため、バックエンドの仕組みを解説するために別でPowerPointで資料を作ったりしていましたが、別々の資料で説明したことで周囲の理解や認知がうまく進まない、スライドを分けて書くことで全体像が掴みづらい、といったことが少なからず生じてしまっていました。
担当としては、こういったことが積み重なることで負荷やストレスになっていました…。
サービスブループリントを理解していくことで、こういったストレスが解消できるのではと感じましたので、このフレームも取り入れていきたいと思います。
サービスブループリントの役割については、はまちさんがまとめてくれておりわかりやすかったです。
あとがきを読んで
あとがきは富士通共創プログラムグローバル責任者 ジョキアム・ボックスさんが書いています。
そのなかで、こちらの言葉が胸に刺さりました。
まさに、「Transformaiton by Design」。
タイトルに込められた想いが伝わってきます。
その後:サービスブループリントを作ってみた
その後、さっそく部門横断で取り組んでいるお客さま向けサービスの一つでサービスブループリントを作成してみました。
詳細はまた別の機会にまとめてみたいと思いますが、作成した際に気を付けたことは以下の通りです。
ユーザーのユースケースを意識して挙動を記載する
(1枚絵にこだわらない)ツールの枠組みのサイズにとらわれない
(whiteBoardのような感覚で作る)今あるツールの中で誰でも見れて作れる状態にする
(いいツールがないか探すのは後回し)
私の会社はOffa365がベースのインフラになっているので、結局Excelで作りました。
見栄えはちょっといまいちですが、SharepointやTeamsを使えばクラウドベースでチームメンバーがいつでも見れて、履歴管理もできるので便利に運用できそうだと思っています。
※別部門の実務担当からは「わかりやすい!」「これならみんなで作れそう!」ととってもいい反応をもらうことができました!
さいごに
「Transformaiton by Design」は約150ページと、気軽に読むには歯ごたえのあるボリュームです。
ですがノンデザイナーである私にとっては、ボリュームがあるがゆえに「デザイン思考」とはを理解するために非常に有意義な冊子でした。
携わった方々の情熱の結晶だと素直に思いますし、これが無料だなんて富士通さんの企業の本気も感じます。
せっかく心に灯ったこの火(やる気)をどうしていくか、私自身としては一番大切な課題です。
まずは今担当している業務の中で(デジタルマーケティング領域とパートナー向けのWebサイトなど)、シナリオ設計やサービスデザインのフレームワークを取り入れてサービスを再整理・改善していこうと思います。
もちろん、その内容も(お見せできる範囲で)noteで書いていければいいなと思っていますので、また読んでいただければ嬉しいです。
今回の内容が皆さんのデザイン思考への関心につながったら幸いです!
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