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ベトナムの教育格差と日本の高齢社会の孤独と共生社会問題が一発で解決するんじゃないか説

以下の記事で、オンライン英会話について書きました。

そこでも書いた通り、オンライン英会話は確かに安いですが、無料で英語を学べるアプリで何かおすすめない?と聞かれたら、私は「Duolingo」と答えます。理由は、創業理由に深く共感して応援したいからです。

その共同創業者は、グアマテラ出身のLuis von Ahn(ルイス・フォン・アーン)さんで、もともと「reCAPTCHA」を開発された方。「reCAPTCHA」とは、応答者がコンピューターでないことを認識するために「ゆがんだ文字」を利用し、さらに人間が判読する労力を書籍の電子化につなげた技術です。

10秒の作業を「偉業」に変える!天才ルイスのクラウドソース思考

「ひとり10秒 × 1日2億回 = 50万時間」。
ゆがんだ文字を判読するために費やされていた膨大な人類の“脳力”を活用して、フォン・アーンは書籍の電子化を行う新技術「reCAPCHA」を発明した。

最初にこの話を聞いたとき、「すごい!」を通り越して「美しい!」と思ってしまいました。Win-Winにもほどがあると。

中学生のころに「ジムを『発電する場所』にできないものか?」と考えていたことがあります。ジムのエアロバイクやランニングマシンなどから電気を生成して電力会社に売ることができれば、無料で利用できるジムがつくれるかもしれないと思ったのです。結局、人間の力だけでは大した量の電気を生み出すことはできないとわかって諦めましたが、…

この考え方をこれから勝手にリサイクル思考と呼んでみます。無駄なものをいかに価値あるものに生まれ変わらせるか。

そして彼が次に挑戦したのが「Duolingo」です。ここまで読んでくれば、どんなサービスを想定しているかイメージがつくかもしれません。

『人が外国語を学ぶ』という行為を、何か別の目的に使えないか?」と。外国語を学ぶとき、母国語では何と言うかを考えながら学びます。それをうまく活用すれば、世界中のウェブサイトをさまざまな言語に翻訳できるかもしれない。

自分が外国語を無料で学べば、それだけで誰かの為になる。まさにリサイクル思考ですね。この発想を実現するだけでも美しいのですが、私が好きなのはその動機です。

ぼくはグアテマラという貧しい国で生まれ育ったこともあり、お金持ちの家に生まれたら優れた学校に通うことができて、逆に貧しい家に生まれたら読み書きもろくに学べないような状況は、どうにかすべきだと思っていました。
調査した結果、外国語を学んでいる人は世界で約12億人もいます。そのうち8億人は、次の3つの項目を満たしていました。1)英語を学んでいる。2)その目的はより良い仕事に就くためである。3)社会的・経済的な弱者である。つまり、彼らはより良い仕事に就いて、貧困から抜けだすために英語を学んでいるのです。

無料で成立する外国語学習サービスを作れば、多くの貧困から救える可能性がある、と。

しかし、実際にオンラインメディアとも提携して何とかマネタイズも進めていたものの、やはりサーバー代や従業員の給与といったコストが厳しいようで、有料の語学試験も行っていました。

そして、2017年7月にこちらの記事が。

Duolingo、7億ドルの評価額で2500万ドル調達——マネタイズ方法は未だ模索中

Duolingoはもともと無料サービスを利用する言語学習者を活用し、有料顧客に向けて翻訳サービスを提供しようとしていた。しかし結局そのアイディアはうまくいかず、去年同社はアプリ上に広告を掲載し始め、広告の表示されない有料プランをローンチした(Android版アプリのみで、iOS版にはこれから導入予定)。

現在は、広告でマネタイズすることになったようで。ユーザー数2億人ってすごいですね。

広告付きでも基本的に無料で外国語学習の機会を提供することには変わりないので引き続き応援していきたいと思います。今はなんとベトナム語学習にも使えます。

Language Exchange(言語交換)でお互いに母語を教えあうというのは、もともとあるんですけど、これは学んだ後に教えてあげないといけないですね。学びっぱなしでいい、というのが「Duolingo」の挑戦でした。

この貧富の格差による教育格差というテーマについては、ベトナムでもまだ大きいことから、自分としても問題意識があります。

3年前くらいに、「Speaking Exchange」というブラジルの英語学校がやっていたプロジェクトに関するニュースがありました。今はまだやっているのでしょうか。

Brazilian Kids Learn English by Video Chatting With Lonely Elderly Americans

これは、ブラジル人が英語を学ぶことでアメリカのお年寄りの話し相手になる、というリサイクル思考ですね。

これがうまくいくなら、ベトナム人が日本語を学ぶことで日本のお年寄りの話し相手になる、というのも成立するかなって思っていました。

以下の記事にも書きましたが、日本におけるベトナム人の人数は急激に増えています。

ベトナム人が日本語を学ぶことで日本のお年寄りの話し相手になる」という仕組みのが成り立つのなら、

①日本語学習の無償提供による教育格差の是正
②日本における高齢者の孤独感の緩和

③相互理解を深めることによる共生社会の実現

と、ひょっとしたら良いことばっかりなんじゃない?

最後に、Speaking Exchangeの動画を載せておきます。



 







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