「福島原発問題」


 今日、韓国の視察団が福島原発に入った。
 事故発生から12年。福島県を始め、原発周辺地域の人たち、被害を今も受け続けている人たち以外の大多数の日本人にとって、日常生活の中で、福島原発事故の記憶が薄れ始めている。しかし、この事故処理には、日本国民全体に関わる問題が現に存在しているのだ。
 この事故処理費用が膨らみ続けていることを会計検査院が指摘した。21年度までに約12兆円が賠償、除染、廃炉作業などに費やされた。年1兆円規模の費用が投じられたのだ。22年度末で累計4兆円を超えた除染費用は23年度以降兆単位で増える可能性がある。賠償費用も増える。文科省原子力損害賠償紛争審議会は22年12月、国の賠償基準である「中間指針」の見直しを決めた。最高裁で、22年3月に中間指針を上回る額の賠償を東電に命じる7件の判決が出たためだ。東電側は新たに5000億円規模を被災者に支払う方針だ。
 23年度後半には原発内のデブリの搬出も始まる予定だ。政府はデブリ回収に6兆円、廃炉全体で8兆円と費用試算しているが、回収はかなりハードルが高く、さらに費用は増える可能性が強い。政府は原発事故による賠償や除染などの費用として13兆5000億円の国債発行枠を確保している。原子力損害賠償・廃炉支援機構を通じ、約10兆円を東京電力に交付している。そして、全国の電気代や復興特別税などから国債の償還財源を捻出する。帰還困難区域の除染は別枠で国費を投じて行う。これらは全て国民の負担が増える方向に進んでいるのだ。
 一連の政府の動きを見ていると、相変わらず行き当たりばったりで、事故処理や廃炉の最終的な姿を全く示していない。したがって、費用総額は見えないのだ。この処理には国民に負担が課されているのだから、私たちは、しっかりと監視し続けなければならない。
 この原発事故処理の全工程を明らかにして、それに伴う費用も計算し、その上に立って、日本のエネルギー政策に原発をどのように位置づけるかを議論しなければならないのだ。
 
こんな状態で、原発推進できるはずがないのに、岸田首相は突っ走っている。大丈夫???

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?