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『新川玄規』個展~鑑賞レポート

SNS-201010_15_京都_『新川玄規』個展

昨日10月10日に『新川玄規』個展を鑑賞してきました。
当記事はそのレポートです!

京都平安神宮の隣に位置するアルクギャラリーさんの階段を上り木の香りを感じながら扉を開けると、カラフルかつパワフルな作品群が迎えてくれました。

展示サブタイトルは「20年間生きてきた中で色々思いついた1人遊び。その一切れを表に吐き出し展示しています」。

京都芸大在学中にコロナ禍に遭いながらも、ほとばしる制作意欲から今年生み出されたシンカワハルキさんの芸術作品の数々。

パッと見た感じでは、社会不安に起因する鬱屈した恐怖の芽をポップに抽象表現した画風で楽しませてくれます。しかし個々の作品を見れば見るほど、見る側に何かが引っかかろうとしてきます。

それは何だろうと考えていると、ポスターの作品(写真左)に見られるような目、口、指といった人体部位のモチーフが、個人的な葛藤の破片をぶつけてきているのでした。

そう、抽象表現だと思っていたどの絵も、熱い視点を注いで3分たつと具象画へと変貌していたのです!

ここで新川さん(写真中央)と写真を撮らせていただいたお気に入り作品(掲載許諾済)について、頭に浮かんだことを書き記しておきます。

ウィルスらしき構造体のような“かけら”たちが乱雑に結合しながら蠢く混沌の世界の中に、突如現れた正方形の枠に取り込まれて秩序が訪れる。取り込まれなかったかけらたちはなおも周囲で浮いている。
正方形枠の内側世界は、例えるなら、草むらの中の鉢植え、ティーンの中のマジメ集団、山奥の近代建築旅館、自由の中の伝統、世界の中のいわゆる先進国。
枠を飛び出した外側世界で流動的に浮いているかけらたちは混沌ながらも自由を謳歌しているように見える。
そんな外側の混沌の世界ですら、黒い額の中に収められて展示されているので、お釈迦さんの手の範囲を超えられない孫悟空の心境のようだと感じる。

ここで3分経過。

近寄ってよくよく見ると、かけらたちの正体が分かりました!
具象画へと変身する瞬間でした。
(ネタバレを避けるため正体は明かせません、すみません!)

こういう脳内アハ体験を提示することをシンカワさんが意図されていたかどうかは不明ですが、アートとは作家さんと対峙することなのだと確信を深める京都の夕暮れ時でした。

今後のご活躍が楽しみなアーティストさんです♪

火曜日まで開催中ですのでお近くの方は是非!

★『シンカワハルキ』 新川玄規 個展
https://alc.tkcnf.com/schedule
 日時:令和2年10月8日(木)~10月13日(火)
    12:00~19:00 (最終日16:00まで)
 料金:無料

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