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自粛によるカラダに起こる弊害

テレワーク、リモートワーク、在宅ワーク、、、
いろいろな呼び名がありますが、要は出社せずに自宅で仕事をするということですよね。
 政府による緊急事態宣言を受け多くの方が、突然にこの状況に置かれていることと思います。
その結果、一瞬「出勤しなくてラッキー」などと感じたものの、「あれ?なんかカラダがだるいぞ。。。」と感じている方も少なくないはず。
 環境が大きく変化したことで、おきた身体活動量の減少について、まとめてみました。


こんな変化が起きている

これまでと大きく働き方が変化することで、どんな変化が起きているのか、まずはまとめてみましょう。

1、 そもそも通勤しなくなる
当然として一番の変化がこちら。東京都の平均通勤時間は43.8分だそうです(統計情報リサーチより)。これが丸々なくなるわけです。
その結果、起床時間が遅くなっている人も多いのでは?

2、いわゆるデスク周りがこじんまり
家の作業デスクには、目の前にパソコン、同じデスクにプリンター、余程大きな家に住んでいるならともかく、デスクからトイレの距離もきっと近いはずw

3、MTGの9割がオンラインに
これが意外と曲者。。。
打ち合わせ自体の効率は上がっても、実は細かいところで身体活動が制限されています。しかしツールとしてzoomは便利です。
zoomの弊害については、別でお話ししましょう。

いかがでしょうか?
こんな変化を受けて身体活動にはどのような変化が起き、結果としてどんな状態が予想されるのでしょうか、、、?
またそうならないための対処法、予防・改善のためのエクササイズなどをご紹介します。

あるく

 スマホを持つことで日々の歩数を簡単に計ることができるようになり、活動量の指標として簡単にチェックできるようになってきた歩数
 在宅ワークになることで「あるく」機会が圧倒的に減ってしまいます。
圧倒的にです。

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 このグラフは友人のiPhoneに標準搭載されているappヘルスケアの歩数のグラフです(もちろん許可を経て掲載させていただきました)。
リアルなデータです。彼女は都内で通勤に約25分かけている女性です。そのうち電車に乗っている時間は約15分。平日は特にこれといって運動はしておらず、週末には少し身体を動かすという生活でした。

 ではグラフを見てみましょう。
 上段は直近4月の4週目のグラフです。月末のためどうしても出勤しなくてはならず、出勤した曜日があります。木曜日がその出勤日です。29日は祝日のためお休みでしたが、在宅で過ごした日(月曜、火曜)との歩数の差が説明するまでもなく明確に出ました。約1/4ですね。
4月の中で最も歩数が少なかった日は258歩。。。これはとても少ない数字です。通常の通勤日と比べると1/20以上に少ないことがわかります。
確かに在宅なので、スマホを置いたままという時間もあるでしょう。家なら一度置いたら用事があるまでそのままの可能性もあるでしょう。オフィスならデスクに置きっぱなしにはしないかもしれません。しかしそれだけで、20倍も開くことはないのでは。。。
明らかな活動量の現象が想像できますね。

ちなみに下段右のグラフは、3月の通常出勤をしていた頃の1週間。
グラフの形は似ているけど、縦軸の間隔の違いに注意してみてください。

このような差が生まれる理由について、もう少し詳しく見てみましょう。

もちろん通勤での歩行がなくなったのは、1つの大きな原因でしょう。
僕は日頃から、通勤での歩行は運動として脳が認識しにくくなると思う。だから通勤だけじゃダメ!と言い続けて来ましたが、、、こうなってくると多少は運動効果があるんだなと、考えを少し改めました。

 続いて、冒頭にお話しさせていただいた、変化に沿ってお話しすると、デスク周りの変化があります。
 おそらくオフィスでは自分のデスクとプリンター、コピー機までにそれなりの距離があり、プリントアウトをする度に立ち上がり、数歩歩きまた戻るを繰り返してはいませんか?
それが自宅ではどうでしょう?
PCを置いてあるデスクから手を伸ばせばプリンターに触れることができるはず。これでは立ち上がることもせず、歩数も伸びません。

デスクワーカーの方が通常業務中に立ち上がる必要性といばトイレ。オフィスと自宅ではトイレまでの距離も大きく異なるでしょう。
suumo調べによる首都圏の20代社会人の住まいの広さに関するデータを見ると25㎡以内が50%以上を占めているのがわかります。間取りでいうと1K〜1LDKがほとんど。こういったデータからもトイレまで数歩で行けてしまうのがわかりますね。

多くの方がお楽しみのランチもそうです。
オフィスであれば、お昼の時間に外出するのも当たり前。しかし自宅ならどうでしょう?
自粛期間だし、家で簡単に済まそうかなという日が多くなります。
わざわざ自宅にいるのにランチに出かけたりはしないですよね?
そもそも自宅の周りではお店も少なく、この時期空いているお店も少ない。デリバリーを頼む方も多いのでは?
すると、、、調理すらしなくなり、ますます歩く歩数が減りますね。。。

移動という観点で、歩数について注目してみました。
次は、動く前に必ずする「立ち上がる」という動作に注目してみましょう。

たちあがる

幾つかの研究期間が、こんな尖った研究データを発表しています。
・1日6時間以上座っている人は、3時間以内の人に比べて15年以内に無くなる確率が40%増える
・肥満の人はそうでない人より1日2時間半以上長く座っている
・デスクワーク中心の人は心臓疾患のリスクが2倍になる
・「120分座ったまま」「50分座る10分立つ×2」を比較すると疲労感と作業の正確性に有意差が出た

要するに「立ちましょう」「座ったままではダメですよ!」ということ。
自宅でのデスクワークでは、先ほども述べたように移動することが無くなることで、明らかにたちあがることがなくなります。
 印刷物を取りに行く
 会議室に移動する
 同僚や先輩に相談に行く
 ちょこっとサボる。。。w
これらの活動の全てを、自宅ではその場でできてしまうので、立ち上がる回数が極端に落ちる可能性が考えられますね。
その結果、疲労感や仕事の正確性、効率にも影響が出てきてしまうようですのでやはり注意が必要です。

からだをねじる

実は僕が何よりも心配だなと思うのがこれ。
「カラダをねじる」という動作が減るということ。
「立ち上がる」ことや「歩く」ことは、それでも自然と取り入れる動作であるはずですが、、、
「カラダをねじる」という動作はただ歩くだけでは不十分になりがち。
なぜからだを捻らないと行けないのか、、、については、また別の項で話しますね。

では、みなさんオフィス環境を想像してみてください。

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自分のデスクの周りには、同僚がいます。様々な会話が飛び交うでしょう。上司が自分の背後から、名前を呼ぶこともあります。
バレないようにゲームをやりながら周りの様子を伺うこともあるでしょう。
また会議室の様子も想像してみましょう。

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ちょっとこの写真は大規模ですが、、、
この中でしゃべる人が誰かによって、顔の向きを変えるでしょうし、ホワイトボードやスクリーンへ顔やカラダを向けることもありますよね?

そんなちょっとした動作で、これまではカラダをひねって、捻ってきたみなさんも今はどうでしょう?
仕事中も会議中も基本的には、同じ画面を見続ける。周りをきにする必要もないので、見渡すこともない。
これでは一切カラダを捻らないような日が出てきてもおかしくありません。
姿勢が悪くなる、呼吸が浅くなる、血流が悪くなる、四十肩・五十肩・ぎっくり腰を起こしやすい、、、そんな原因にもなっていくのです。

めをうごかす

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パソコン作業をし続けていると、後頭部が痛い、首が張るなんていう経験はほとんどの方がされていると思います。
目からの刺激、後頭葉にある視覚野、モニターを覗き込む姿勢、などなどが影響しあって、先の現象を招いています。
今では、デスクワークによる症状を総称してVDTS(Visual Display Terminal Syndrome)と呼ばれるくらいに一般化してきています。

目の構造について少し説明します。
目にはレンズがありその厚みを調整して、ピントを合わせています。その厚みを調整するのも筋肉が行っています。
もちろん眼球自体の運動(右を見る、左を見る、より目をする)も筋肉の収縮が必要となります。
筋肉が動いてさえくれれば血流が促され(この説明も別の場所で)、目の疲労感を抑えることができます。眼球の運動も必要なのです。
しかし、PCの画面を見続けていると、ピントの調整が必要なく、また眼球を動かす必要もありません。
手元を見て、相手の顔を見て、ホワイトボードやスクリーンを見て、、、という会議の際に通常であれば行われるべき目の運動が、オンライン会議によって全てなくなります。
小さな画面の中を動かす程度に止まり、ピントの調節に限っては、ほとんどその必要がなくなります。物事を立体的でなく、平面的に見ることになるので、ピントの調整が最小限となるのです。
要するに目の周囲の筋肉がほとんど使用されずに、凝り固まり、肩こりならぬ目のこりという状態になっていきます。結果として、目の周囲の筋肉も萎縮し、様々な悪影響をカラダに及ぼすことになります。
普段何気なくやっている、周りを見渡す、キョロキョロする、近いもの遠いものを交互に見るなどの目の運動がとても大切なのです。

ミニマムの対処法

これらの弊害に対する「せめてこれぐらいはやってね」というおすすめ対処法を、ご紹介します。
あくまでミニマムなので、足りないのですが、、、これすらできない人はきっとこれよりもハードなこと、時間がかかることはやらないですよね。。。という前提で、こちらの3つをご紹介したいと思います。

まずは立つ
これはもはやルールです。1時間に1回は立ちましょう。
自分に課してください。
どうしても眠くなることもあるでしょう。にんげんだもの。。。
ということでそんな時こそ立ってみましょう!にんげんですから。
そして背伸びをしてみてください。
股関節の前やお腹を伸ばすように、ストレッチをしましょう。

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カラダを横に倒す
次にして欲しいのは、カラダの横を伸ばすこと。
脇の下から腰にかけて、ここが硬くなると肋骨の動きを制限してしまいます。こうなることで起こる弊害は実はたくさん。肩甲骨も固定され、肩の動き、首の動きも制限されがちです。背骨の硬さは腰痛にもつながります。
立ち上がったついでに、カラダを横に倒してみましょう!

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欲を言えば、カラダをねじることもやってみてください。さらにその効果はアップします!

アイトレーニング

「めをうごかす」の章でもお伝えした通り、眼球運動の減少は実はカラダにたくさんの影響を及ぼします。
目のトレーニングもとても大切。
まず近くにあるものと遠くにあるものを決めて交互にピントを合わせてみましょう。これだけでも目の筋肉が動いて筋肉が緩んできます。
続いて顔は動かさずに、壁の4隅を順番い見るように目をぐるっと回してみましょう。

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できるだけ、とにかく大きく目を大きく動かします。ゆっくり大きくです。中には目が回ってしまうという方もいると思います。そういう方は目を閉じて行っても構いません。

このように目をしっかりと動かして、固まってしまった筋肉をほぐしてあげましょう!

まとめ

 リモートワークでかなり便利になっていることも多いでしょう。
 時間的に、移動コスト的に、準備する資料などの面から見てもかなり効率的にはなっているでしょう。
 ただ、便利になるということは、それだけヒトとして動物としての機能を使わなくてもいいということ。
 その結果、カラダの機能は衰え、血流が乏しくなり、筋肉は固まり、いざ動かそうと思った時に異常をきたす。
現状多くの方が、多くの企業が、リモートワークをより便利に、より効率よく、せっかくある機能を使わないと損してる、ばかりに気を取られがちです。。。

これからはリモートワークによる弊害にも着目し、ココロとカラダにもメリットのあるオンライン会議にしませんか?

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