子供のいない空間を望むという狂気

私は表現家としての写真家でありたいため、表現の多様性を肯定して生きていたいと思っています。

そのため、出来る限り批判的な意見は発信しないように努めているのですが…

日本の「食」事情において、唯一どうしても理解できないのが「子連れNGのお店の存在」です。


誤解がないように申し上げておきますと、「子連れNG」を掲げる個々のお店を否定するつもりはありません。それぞれの経営判断があってのことでしょうし、むしろ理解があるつもりです。

ここで申し上げたいのが、お店側が「子連れNG」という判断に至った背景について。それを望む市場の存在、その社会の価値観のありようが狂っていると言いたいのです。


もう一つ誤解を解いておきたいのが、安全上、あるいは風紀的に子供にとってリスクとなるような場所が子連れNGであることは、とても理にかなっているので、ぜひそうしていただきたい。

ここでは、おしゃれで洗練された空間と食を提供する、その代わりに子連れNGとしているカフェやレストランのようなものを想像してください。


「子供はうるさいから、静かに落ち着いて食事をしたい」

いいでしょう。よくわかります。

つまり、その人らにとっては「コミュニティの中に子供の姿がいて、元気はつらつとしていること。そんな未来の世代が本物の食を経験すること」はとてもストレスフルなことであって、自身が快適に食事をすることが何よりも優先されるという価値観なのですね。と。

それも、10代20代じゃなく、子供や、孫がいてもおかしくない年代。次世代のためのサステナブルな社会を作る立場となったであろう先輩世代。さらにそんな洗練されたお店で外食を楽しむほどの、ある程度裕福で、そのために社会的影響力ある仕事もしている(してきた)であろうセグメントが、そういう価値観を抱いてるのですね、と。

どこまでいっても、いくつになっても、一番大事なのは「私」。


これを狂気と言わずして、なんと解釈したらよいのか。


反対に、ジジイババアNGの店って聞いたことないのですが、あるんですかね?

(あ、一個ありました!日本を代表するパティスリー、エスコヤマが運営する、子供の目線で楽しめる、子供のためだけのお菓子屋さん「未来製作所」が!大人の覗き窓すら設けない子供だけのプライベート空間…どうなってるのか気になる気になる気になる…)


とにかく、古今東西、健全な社会の指標の一つは「元気な子供たちの姿を街中で見かけること」でした。そのために健康な子供たちが相当数いて、安全に外で遊びまわれる治安や衛生が整っている状態ですね。

そんな子供、次世代の芽の存在を拒絶する「子連れNG空間」の存在、それを奨励する価値観は、私は断固否定します。

うーん、違うな。否定するって決意表明がやっぱ違和感ある。そんな子供をつまはじく価値観は狂ってるし日本の恥なのでさっさと見直してください。これですな。

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