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人生最後の一食

「人生最後の一食は?」という質問に何と答えるか?

私は迷わず「うな重」と答えて来ました。
理由は世界一好きな食べものが、子供の頃からうなぎの蒲焼だから。

関東風に焼いたうなぎにさらっとしたタレ。
硬めに炊いた米がよく合います。
うなぎが二段になっていれば、人生最後の一食として申し分なしです。

「新選組最強の男」吉村貫一郎を描いた映画「壬生義士伝」。
浅田次郎原作の時代小説を、中井貴一主演で映画化したものです。

「愛する者のために涙を切り、人を切るーーー浅田次郎の同名時代小説を『おくりびと』の滝田洋二郎監督が手がけた時代劇大作。

幕末の世、新選組に入隊した盛岡・南部藩出身の吉村買一郎の波乱の生涯を、悲痛なまでの家族愛とともに描く。

その男、名は吉村貫一郎。幕末の混乱期に、尊皇攘夷の名のもと、京都府中守護の名目で結成された新選組の隊士である。幕府の力が弱まるにつれ、明日をも知れない運命に翻弄される隊士たちの中で、貫一郎はただ一人、異彩を放っていた。

名誉を重んじ、死を恐れない武士の世界において、彼は生き残りたいと熱望し、金銭を得るために戦った。全ては故郷の妻と子供たちを守るためだった。

大義名分、権力、名誉。そんなものはどうでもよかった。愚直なまでに「愛する者のために生きる」。家族だけではない。友、仲間、心を通わせた相手のために貫一郎は生き抜いた。
やがて「守銭奴」と彼をさげすんでいた隊士も気づき始める。
この男の「義」は、「人としての愛」なのだと。

波瀾の運命をたどりながらも、見事なまでに純粋に生きた男の物語。」(Filmarks解説より)

この映画が封切られたのは2003年1月。
予告編の最後に映し出される、

「この日本人の慟哭を聞け。」

というフレーズに誘われて、平日に仕事をサボって同僚と2人で映画館に足を運びました。

結果、隣同士並んで座ったおっさん2人が、あろうことか映画館で声を出して何度も泣いてしまい、お互い「お隣の日本人の慟哭」を聞き合いながら鑑賞することに。

あれから20年。
この映画を何度も観るうち、「人生最後の一食」は「塩むすび」にしたいと思うようになりました。

炊きたてのご飯で握った、大きな塩むすび。
壬生義士伝を観ると、その訳が少しおわかり頂けるかも知れません。

人生を振り返りつつ噛みしめてゆっくりと頂くのか?
温かいうちに喉が詰まるような勢いでがっついて喰らうのか?

それは、当日のお楽しみにします。

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