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コンテンツビジネスにおける法と戦略

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著作権法改正担当者であった筆者が、実務に役立つ視点、経営に役立つ視点から、最新の著作権法の動向やコンテンツビジネスのリーガルマネージメントについて、わかりやすく書いていきます。現… もっと読む
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記事一覧

知財リスクマネージメント入門[5]-「炎上」してしまった場合のリスクマネージメント

5回連載で、著作権業務を専門に扱う部署がない企業を想定して、明日からでも取組める著作権リスクマネージメントについて解説するこの企画ですが、最終回の今回は、著作権侵害の疑いをかけられ「炎上」してしまった場合のリスクマネージメントについて書いてみたいと思います。 実際に著作権侵害「疑惑」炎上案件を担当した経験をもとに私なりの一つの対処法を書いてみたいと思います。 この部分は、「知財管理」では紙幅の都合上、それほど書けませんでしたので、note記事では大幅に追記していますので、

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知財リスクマネージメント入門[4]-社内セミナーをどうマネージメントすべきか?

5回連載で、著作権業務を専門に扱う部署がない企業を想定して、明日からでも取組める著作権リスクマネージメントについて解説するこの企画ですが、第4回目の今回は、社内セミナーについて書いてみたいと思います。 私が知財リスクマネージメント上もっとも重要であるのが社内教育でその有効な方策の一つが社内セミナーです。 著作権に関する社内セミナーを実施していない企業も多いと思いますが、著作物を利用しない仕事はほぼないこと、そして昨今の著作権絡みの「炎上」ニュースをみてもわかるように著作権

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知財リスクマネージメント入門[3]-著作権侵害の疑いをかけられたら

5回連載で、著作権業務を専門に扱う部署がない企業を想定して、明日からでも取組める著作権リスクマネージメントについて解説するこの企画ですが、第3回目の今回は、著作権侵害を疑うレターを受け取ってしまった場合の対処法について書いてみたいと思います。 こうした事案について著作権業務を専門に扱う部署がない企業の場合、初動を見誤り、結果として「こじらせてしまう」というケースが多く散見されます。 どの事案にも共通していえることではありますが、こうした侵害対応においては「初動」がもっとも

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知財リスクマネージメント入門[2]-著作権業務担当者が、まず取組むべき2つのこと

2回目の今回は、(不運にも?)あなたが著作権業務の担当者になった場合を想定して、何をすべきか考えてみましょう。 あなたは、著作権業務担当者として、まず何をすべきでしょうか。 ①著作権法の本を購入しに本屋に行く ②著作権法に関するセミナーに参加する ③月刊コピライトに連載されている「コピライト・ビギナー」を読む(笑) など著作権法の解釈に詳しくなるための取組みに飛びついていないでしょうか??(でも、③はぜひ・・・) 法律の本をいくつか購入して、机の前に積み上げてみる

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知財リスクマネージメント入門[1]-著作権の「炎上」時代の到来と著作権リスクマネージメント

1.はじめにこの「知財リスクマネージメント入門」シリーズでは、これまで私が弁護士として経験してきた知財リスクマネージメントに関して、実務に使えるものを書いていきたいと思っています。 まずは、5回連載で、著作権業務を専門に扱う部署がない企業を想定して、明日からでも取組める著作権リスクマネージメントについて説明したいと思います。 著作権の「炎上」時代を生き抜くために必要なポイントをぜひ押さえて、昨今、多くの報道で見受けられるような「炎上」を回避すつための仕組みを社内で構築して

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ウェブ地図の著作権・利用規約との上手な付き合い方-自治体・企業がとるべき実務対策を考える

2016年11月、香川県が利用している「地図」について物言いがついたことを受け、香川県は自ら調査を行ったところ、香川県のウェブサイトから閲覧が可能な各種情報において、各地図情報提供業者の利用規約に違反して掲載しているものが 147件(地図1,562枚)あることが判明したと報じられた。 香川県は当該地図を全て削除し、各社に連絡して、著作権者としての権利を害したことをお詫びしたという。 こうした香川県の事例を受け、全国のいくつかの地方自治体において同様の調査が行われ、新たに宮

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最新・著作権法改正の動向-ICT教育/障害者の情報アクセス/アーカイブについて

著作権法改正の最新動向というと、どうしても「柔軟性のある権利制限」に注目が集まってしまうが、それ以外にも重要な改正が控えている。 それは、①ICT教育の推進、②障害者の情報アクセス機会の充実、③アーカイブの利活用である。 これらの検討事項についても文化庁に設置された審議会で議論されており、今回「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会中間まとめ報告書」(以下「中間まとめ報告書」という。)として取り纏められている。 今回は、中間まとめの概要と今後の法改正の見通しについ

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最新・著作権法改正の動向-柔軟性のある権利制限の行末〔4〕

最終回:立法内容と法案成立のタイミング 前回は、柔軟性のある権利制限規定が及ぼす影響と効果について書いた。特に立法事実を構成する上場企業等の幅広いプレイヤーに対して行ったアンケート結果の位置付けを分析した。 「柔軟な権利制限の行末」の最終回となる今回は、具体的にどのような立法がなされる見通しなのか、そしてその立法のタイミングはいつなのか、といったことについて考察する。 (※本連載は、個人的な見解を好き勝手に書いてみようと思っているので、転載は禁止、他言無用とさせていただ

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最新・著作権法改正の動向-柔軟性のある権利制限の行末〔3〕

第3回:柔軟性のある権利制限規定が及ぼす影響と効果第3回となる今回は柔軟性のある権利制限規定が及ぼす影響と効果について書いてみたい。 前回は、法改正の対象として優先的に検討すべきサービスの詳細を概観したうえで、そのサービスが今後のビジネスにどの程度影響を及ぼすか、という考察を行った。 これらのサービスについて、アメリカ型フェアユースのような柔軟性が求められるのか否か、上場企業3,693社をはじめ多くの関係者にアンケートを実施した結果から考察してみたい。 また、フェアユー

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最新・著作権法改正の動向-柔軟性のある権利制限の行末〔2〕

第2回:ニーズ調査からみる立法事実遠くミュンヘンから日本の国会の状況を見ていると国会は紛糾しており、到底、改正著作権法の審議を行うことができるような雰囲気ではないように思われる。 このままでは法案の提出自体が難しい状況も考えられるかもしれない・・・。 2回目となる今回は、改正プロセスの目玉の一つである「ニーズ調査」について書いてみようと思う。 このニーズ調査によって抽出されたサービスが、今回の法改正によって権利者の許諾なくしてできるようになるサービスである。 したがっ

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最新・著作権法改正の動向-柔軟性のある権利制限の行末〔1〕

第1回:検討の経緯2017年2月24日、文化庁法制基本問題小委員会において、ある報告書の内容を踏まえた中間まとめが承認された。 この報告書とは、「新たな時代のニーズに的確に対応した権利制限規定の在り方等に関する報告書」(以下「報告書」という。)である。 これは「新たな時代のニーズに的確に対応した制度等の整備に関するワーキングチーム」(以下「WT」という。)で取りまとめられたものである。 何より報告書もWTも名前が長い。 名前の長さに比例して、この報告書の裏には、多くの

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TPPと著作権⑧-改正法成立/実務上の問題と今後の見通し

1.改正法案の可決と成立12月9日、TPP協定が賛成多数で可決・承認され、関連法も成立しました。 これにより、TPPに伴う改正著作権法も成立したことになり、これまで解説してきた各規定は著作権法の一部となります。 NHK News Webの報道によれば、自民・公明の他、日本維新の会なども賛成としたとのことでした。 「TPP協定は自民・公明両党と日本維新の会、それに、日本のこころを大切にする党などの賛成多数で可決、承認されました。合わせて関連法も可決、成立しました。」 こ

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TPPと著作権法⑦-法定損害賠償-

1. 損害賠償に関する規定の見直し今国会の成立は絶望的な改正案ですが、この連載が中途半端になってしまうのも悲しいので、最後のトピックスである法定損害賠償について書いてみました。

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TPPと著作権法⑥-配信音源と二次使用料

1.配信限定のデジタルシングルの時代最近では、CDでは販売せず、配信限定で販売されているものが増えてきています。 例えば、最近では、福山雅治さんの「何度でも花が咲くように私を生きよう」は、デジタルシングルとして配信だけの販売でした。

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