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視覚障害者の選挙

皆さんは視覚障害者がどうやって投票をしているかご存知ですか?
恥ずかしながら、私は全く知りませんでした。

私は2年程前から視覚障害者の事業所で週に2回アルバイトスタッフとして働いています。

うちの事業所に来る視覚障害者の方々(以下"利用者さん")には全盲の方や弱視の方などさまざまなな見え方の人がいて、1日6〜8名程の人が利用しています。

2年程の短い間ですが、私は色々な事を利用者さんから教えてもらい、他の人より視覚障害についての知識はある方だと思っていました。
ですが先日、視覚障害者がどのように選挙に参加しているかを知って衝撃を受けました。

皆さんにも知ってほしいと思い、ここに書く事にしました。

全ての視覚障害者の方が同じアプローチをしているかは分かりませんが、
まず公示になってから自分の住んでる地域の役所に電話をします。そこで今回出馬する政党や議員の情報(点字又は音声)の情報を送ってもらうように頼みます。
何日かしてそれが届き、読み聞きして投票に行くそうです。
なので、頼まなければ選挙の情報は送ってくる事ありません。

そして投票所ですが、その市区町村で対応は少しづつ違うようですが、
点字や音声の情報が置いてある場所もあれば、全く何も置いていない場所もあるそうです。
ある利用者さんは投票所に行って何も情報が置いてなかったので区役所の方にその場で読み上げてもらったそうです。

私達健常者はTVやネット、新聞、外に出れば顔と名前が載ってるポスターなど、
こちらから頼まずとも選挙に必要な情報が手に入り、自分の意思で投票ができます。

一転、障害者になると、自ら頼まなければ情報が得られない。少ない情報で投票をしている方が多いです。

そしてそれが何十年もの間続いています。

これは人権侵害と言っても大袈裟ではないと思いました。

それを私は2週間前に知りました。

勿論、場所によっては投票所に点字や音声の物が用意してある所もあるようですが、何十年も国に訴えて、このような状況。
まだまだ道半ばです。


試しに私の住んでいる区役所の方に聞いてみたところ、「事前に連絡をいただいた方には広報を送っているので投票所には置いてないんです。」と当然の様に言われました。
本当にショックでした。

でもきっと、私もボランティアを始めていなければ無頓着で他人の不自由を普通として見過ごしてたと思います。

今回の経験は私のこれからの生き方や考え方を大きく変える出来事でした。

ボランティアを始めてから、「この世界は、私達健常者やマジョリティの行きやすいように作られていて、障害者やマイノリティの人達はそれに合わせて生活してくれているんだ。」と気付きました。

健常者に便利な世界を作ったのは私達なのだから、障害者が生きやすい世界を作るのも私達なのでは。と思います。

小さな事でいいと思います。例えば
*歩きスマホをしない
*点字ブロックの上に乗らない(信号待ちとか無意識にしてしまう)
*困ってそうなら一声かける

これだけで全く違った未来が広がると思います。
私も自分に何が出来るのか小さな事から少しづつ変えて行けたら良いなと思います。

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