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子育ての距離感~武道に学ぶ

「余暇時間を人間が用意したもの(テレビ・YouTubeなど)ですごす。用意した側の戦略にまんまとハマってどれくらい幸せになれるのか?」

息子は学校から帰るとわたしの様子を伺い、「30分いい?」と聞きます。
「30分」というのは、一日に30分だけ自分の好きにスクリーンを見るのを許される「30分」です。息子は大体30分弱のアニメを見ます。今気に入ってみているのは「ドクターストーン」「ゴールデンカムイ」です。ふたつともおもしろいと思うし、そういう時間が一日30分であるのは長いほうではないとも思いますが、それでも息子がその30分に支配され、しかもそれ以外は大体マンガを読んでいるので、その状況に焦ります。

子育てをしていると、すぐに答えが出ないことがたくさんあります。
理想はわかっているけど、「そんなこと言ったって」と思ったりして妥協に走ろうとしてしまうこともあります。
息子の時間の使い方については、いつもマンガとかテレビとか受け取ること中心で、暇な時間を「潰そう」としているのをもったいないなと思ってしまいます。何か面白いこと見つけて、できればいいのだけど。自分がもっと関わればいいかもしれません。あと確実に一つ言えるのは、家の中をもっと息子が居心地よく何かできるように環境設定をしなくてはいけないのでしょう。

焦ってすぐに解決を試みて子どもを振り回してはいけない。
先日の徒然草講座の帰り、しゅりさんが「お母さんは近視眼的になってはいけない。武道も相手にあまりに近いと技が決まらない、間合いが必要なんです」と言いました。なるほど。世阿弥が能の極意を記した秘伝書である風姿花伝にも書かれているのもそういうことなのかもしれません。

七歳
~ ふと為出さんかかりを、うち任せて、心のままにせさすべし。
さのみに、よき、あしき、とは教ふべからず。あまりにいたく諫むれば、童は気を失ひて、能、ものぐさくたちぬれば、やがて能は止まるなり。

昨日は月曜で天真体道でしたが、曾禰田先生は「願いは必ず叶うんだよ。どうしたら願いは叶うと思う?」と子どもたちに聞きました。
お恥ずかしい話、わたしはこの手の曽禰田先生の問いに正解を考え付いたことはないのですが、昨日も例にもれず、でした。
子どもたちも色々答えていましたが、先生が伝えようとしたことを言い当てた子はいませんでした。

「身体と心が一致した時に願いが叶うんだ」

と先生は言いました。身体だけでも、心だけでも叶わない。
ほう!とは思うけど、正直どういうことなのか実感はありません。
それでも信じられる。風姿花伝に通じる気がします。
息子もわたしも身体を二の次にしているかもしれない、だから今天真体道が必要なのか。

周りの人が投げてくれる言葉はわたしを成長させてくれてありがたい限り。
そして、これらのアドバイスをこれだ!と吸い上げられる自分の勘は自慢だったりします。

先週土曜日、誕生日の日、うちでのレッスンのために来たしゅりさんはシャクヤクの花を一輪持ってきてくれました。まん丸いつぼみのシャクヤク。
「すごく水を吸うので、水を切らさないように。」と花屋さんのアドバイスを伝えてくれました。台所の傍らに置き、いつも見ています。今日がくに当たる部分が少し浮きました、大輪の花が咲く過程も楽しみです。

シャクヤクが水を吸い上げ花を咲かせるように、日々出会う言葉などから栄養をいただき、咲かせたい花を咲かせられるといい、植物もそっと教えてくれたよい日でした。


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