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火おこしで知る自分〜変わり者なんだろう

何かに夢中になり、その話をシェアしたい!周りの人にその熱量そのままに話していると、相手が半分呆れていることに気が付きます。
意気投合という高みに達することはあまりなく、「今それが好きなんだねぇ」と引き気味にそれでも最大限のリスペクトを表したコメントをいただきます。

説明能力の問題もあるのかもしれませんが、わたしの心どころか身体まで持っていかれそうな、「これすごい!」「おもしろい!」「大好き!」の高波に警戒、「注意報」を発動して近寄らない方がいいと思うのかもしれません。

ここ数年は家事も放り出して英語学習に狂い、昨年から日本語音読を広める活動を始めたり、つい最近は稲垣えみ子さんの「家事か地獄か」に絆され突如断捨離が始まり、家族に自分の後始末は自分でせよと各自食後の皿洗いを習慣づけたり。そうそうちょっと前はマインドマップに夢中になり、マインドマップ以外のメモはほとんど取らなくなりました。

昨夜、上記のような行動を引き起こすと思われる自分の性質を目の当たりにしました。

まだ那須の別荘に滞在中、夫が外で火を起こし肉を焼いてくれ、中でわたしが作ったおにぎりと共に夕飯を食べたあと、火で遊びたがった息子に夫が大きめの薪を2本与え、じゃあこれを燃やしてみよとダンボールも渡しました。
考えなしの息子は燃えやすいダンボールをあっという間に全部燃やしてしまい、薪はほぼそのまま。本当ならばダンボールを燃やし、その火を薪に移らせて薪を燃やさなくてはならないので、ダンボールは少しずつ大事に使うべきでした。
それでも火吹き棒を火に突っ込みふうふう吹いてます。その吹き方も見てて色々突っ込みたくなる。

「火がつかないよ〜」
「当たり前だ!」
「もう諦める〜」

そんなやりとりを聞いていたら、これで終わらせてはいけないという気持ちがむくむくと湧き、外に出ました。こうしたらいいんじゃないの?などと口を出しながら息子を鼓舞し自らもふうふう息を吹きかけました。
炎が上がります。「やったぁ!」息子は喜び、湿った新聞紙を次から次へと投入します。
「違うでしょ!薪に燃え移らさなくちゃ!新聞紙もそんなひらひらの入れたらすぐ燃えて終わりでしょ、ねじるとかボールみたいにしたらいいんじゃないの?」
やっとあがった炎を保つためにわたしも必死です。
少し薪に火種が移り、ふうふう吹きましたが消えてしまいました。

息子は完全に諦め家に入ってしまいました。
でもまだ夕飯作ったときの炭が赤いので、そのそばに新聞紙を置き空気を送れば火がつくかもしれない、火吹き棒で懸命に吹きます。

自然の中のサバイバルで火を起こす心境になってしまいました。何とか火をつけないと食べられない凍えてしまう、何が何でも火をつけるんだ!!!

高湿度で湿った新聞紙、なかなか火がつかない、それでもこれくらいの息の強さならこうなる、こんな位置からだといまいち、次の息を送るタイミングがこうだといい、火がつかないながらも赤く光る火種を見ながら色んなことがわかってきます。たまに火がつきます。慌てて薪のそばにその新聞紙を置きふうふう吹きましたが、雨も降り始め空気も湿っているためか、薪には火がつかず。じゃあせめてゴミ箱に入ってたティッシュを燃やしてみよう、石油製品なんだしすぐ燃えるはず、と思ったけれど鼻水で湿ったティッシュと湿った環境、それすらなかなか火をつけられず格闘、明日は絶対筋肉痛だなと思いながら吹き続けました。とうとう火がつきました。それも薪を燃やすまでには至らず、炭も尽きてきて、家の中の様子を伺うと夫も息子も入浴も済ませてくつろいでいました。仕方ない、ここはサバイバルの場ではない、十分に疲れた、ここまでにしよう。

不甲斐ない火おこしとなりましたが、火種は吹き続けてればかなり長い間保てることがわかりました。これなら雪山で遭難しても何とかなるかもしれません。

家族はわたしの異様な執念を遠巻きに見ていました。一体どれくらいやっていたのだろう、火おこし前と後に送ったLINEメッセージがあったので確認したら、わたしは1時間半火のそばでふうふうやっていたようです。

こりゃ正真正銘変わり者なのかもしれない、「注意報」が発動されても仕方ないと納得しました。

息子の将来の夢は探検家、これじゃわたしが探検家志望みたいではないか。何かがおかしいぞ。息子よ〜。

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