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活版印刷に感動したはなし

久しぶりの投稿になってしまいました。

少し前になりますが名刺を作りました。
そしてその名刺を作るプロセスと出来上がりにとてもとても感動したので覚書です。


名刺の紙との出会いに始まり、印刷してくれたくれたお店のご主人と奥様の人柄、専門性、伝統、技術などなど、そして完成した名刺のぬくもりに感激したので文章に残してみようと思います。
本当はプロのライターさんにその印刷屋さんを取材してもらって、たくさんの人に伝えたい!という気持ちです。


岡山で開催された工芸エキスポで津山の横野和紙の名刺の紙と出会い購入。(工芸エキスポもとてもわくわくする時間でしたが、それはまた改めて・・・。)


その名刺の紙は耳付きといって、一辺がまっすぐではなく和紙独特の整えられてない切りっぱなしのような状態の素敵な名刺です。
そのお店の方に、印刷屋さんによって印刷できるところもある(出来ないところもある)ということだったので、以前にお願いしたことがある近所の印刷屋さんに電話でお訊ねしました。電話でも丁寧に対応していただいたのですが、とりあえず持って行ってみることにして電話を切りました。

そこでは一般的なパソコンに取り込む印刷もされているようですが、活版印刷という印刷をされているということ。
しかもこの大きな機械があるのは岡山で唯一だということ。
活版印刷をご存じですか?
(私は銀河鉄道の夜でジョバンニが働いていたイメージがすぐに浮かびました。)

大きいとはいえないお店の一角には文字の型?がずらりと並んでいます。大小いくつかのサイズがあり、辞書の順番に並んでいるそうです。
とても素人の私には探せそうにない数の文字が気持ちよく並んでいます。

私はそこから選ばれた文字を並べて名刺を作ってもらいました。
文字の配置も私の意を汲んでくださり微調整をして、納得の仕上がりに。

ちなみにロゴマークやそこにない文字も他の方法でできるそうです!色もつけれるそうですが、色ごとに刷らないといけないので、手間はかかるようですが、そちらもステキな仕上がりになりそうで気になります。

活版印刷の機械にインクをつけ、微調整をして、準備が整ったら、1枚1枚の吸盤に吸い上げられた名刺の紙が規則正しいリズムで刷られていきます。
刷り上がった名刺は足元の受け皿に落ちてきますが、重なってインクがつかないように1枚1枚ずらされ、奥さんが全体を見渡しながらお世話をして刷り上がっていきます。
奥さんはお姑さんがされているのを見て、ひとつひとつ教えてもらったわけではなく、見て覚えろの世界で、習得されたそうです。

刷り上がった名刺は、触ると文字の部分が凸凹して、インクの香りもして、なんとも味わい深いものが完成。
こちらは全く気にならなかったのに、メールアドレスのドットが薄いものは、やり直してくださるプロ意識。

完成した名刺はもちろん、プロセスやお店の方の想いや対応、お人柄も含めてこうゆうのが私好きだな〜♡と改めて実感し、自分が在りたい姿を投影する出来事でした。

岡山で大きな機械で活版印刷をやってるのは今はそのお店だけ。
今は職人さんもいなくて、文字版?を作る所も日本で数社あるのですが、こちらのお店のものとは字体が違うので、今ある文字を大切に使わねばだそうです。

まだまだ社会では早い安いということに価値が優位になりがちですが、こうして大切に受け継がれていくものに共鳴する社会であったら、今の色々な社会課題がよい方向にいくのかな。と思います。

印刷に限らず私が知らない良いものもたくさんあると思いますし、助産院の分娩や乳房ケアもそれに通ずるもがあるな〜と作文しながら思い巡らせておりました。

いいものは残る!!と信じていますが、ぜひともこの活版印刷の技術がもっと知られて、受け継がれることを切に願います☆

渡辺栄文堂さん、お話聞くのも楽しかったですし、愛情たっぷりのステキなお名刺をありがとうございました〜!

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