ある男の日記

昼間に食べたポップコーンのかけらが歯の隙間から取れた。取れたのはベッドで明日に備えてもう寝ようと思っていたときで、かけらが歯に挟まったのはその日の夕方のことだろうと思う。ポップコーンを食べていたのはA町の比較的広い映画館だ。恋人の綾と一緒に映画に行き、そこでポップコーンを買ったのだった。
ポップコーンのかけらが歯に挟まっていた理由はおおよそ予想がついた。ひとつは、そのポップコーンの量が思いの外多く、とても1人で食べ切れる量ではなかったこと。綾にも少し食べてもらったが、ほとんど僕が食べてしまった。映画が見終わるまで食べきれないのは困る(廃棄するのは心が痛む)ので、映画の前半部分の内容はあまり頭に入らないまま、黙々とポップコーンを口に入れ続けた。隣で映画に集中している綾は、そんな僕を見て時々笑みを浮かべており、そんな綾を見て僕も笑みを浮かべた。ふたつめに考えられる理由は、単に歯磨きをしっかりやってないこと。もう寝ようとしているのに、歯にモノが挟まっているのはそれだけ歯磨きが足りないということになる。最近はフロスだったり、マウスウォッシュだったりと歯磨き回りに凝っているつもりで、口内の清潔さには自信があったのだが、磨き方から根本的に見直してみる必要がありそうだ。

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