9月某日ーーー
オタクは朝から自宅で端末の設営に追われていた。

オンラインミート&グリート。
通常ミーグリ。推しとファンが触れ合えるヤバイベントである。
奇しくも当世「アイドルと推し活」というやつは実に多方面に議論を呼んでおり、一理あるなあという鋭い見識から「ただの誹謗中傷じゃねーか」と言わざるを得ない的外れなチラ裏まで様々な批判の対象となっている。本稿ではもちろん(どうでもいいので)ボーイズグループはアイドルか否か、アーティストはファンと触れ合うべきかみたいなところには言及する気がないのだが、思うにこういうのは雑な一般化をしてもどうしようもない。それぞれの界隈にそれぞれの空気感があり、それぞれの良さも悪さもあるからだ。
ということでこれを読んだ他の界隈の皆さんがどんなことを思うかわからないが(そもそも他の界隈の人が読むのか？　こんな辺境の与太記事…)、いかに自界隈が当人とファンの間で良い関係を築けているか、運営側にその信頼があってこの種のイベントが成り立っているか、というのが言語化できていれば幸いである。羨ましいだろ。いつでも来いよ。

先に言っとくと私は基本的に推しに激甘のオタクなので、彼の言行動の一個一個に心の底から癒やされており、時々それが横溢している。わかってくれる人はわかってくれると嬉しい。

【この記事を書いてる人】
30代女性。本来は土曜日だろうと深夜まで仕事がある職種。普通に半休とってサボって参加した。ちなみに前日は15時間働いてた。

【推し】
WOLF HOWL HARMONYのRYOJIくん。歌がうまくて声が最高に良くて渋くてカッコよくてユーモアに溢れる愛情豊かなグループのリーダー。ぱっと見シベリアンハスキーみたいな雰囲気だけど話し始めるとサモエドに似てる。

【今回の使用アプリ】
WithLIVE Meet&Greet
とにかく使用方法がわかりにくく前日まで不安そのものだったが、使い始めるとなんとかなった。アプリを信じろ。大丈夫。

【イベント本編まで】
フォロワーと見え方を確認すべく1時間ほど前からリハーサル。ただしこの時の使用ツールはLINE。WithLIVEアプリはマジでその時になるまで使えない。リハーサル機能とかあればなあ…と欲張りなことを考える。
検証を助け合ったフォロワーは会議用の個室をレンタルしていた。気合いが違いますね
文字の反転の有無や照明の加減をお互いに確認し、緊張を和らげるべく雑談…と言いつつ8割がたウルフの話をしていた
話題の確認なんかもできて良かったです　持つべきものは頼りになる友達
お互い本日の健闘を讃えあいながら別れました　ちなみに彼女は同じグループのSUZUKIくんを応援しています　RYOJIとSUZUKIでりょじすーと巷では言われているのですがまたこの話は長くなるので別の機会にします。これはこれで致死量のエモ案件です。

WithLIVEのアプリでは接続前にスタッフさんの本人認証があります　身分証明書を準備して接続確認をするわけですが、この際に諸注意を受けてからは本人に接続されるまでアプリを繋いだまま放置する必要があります
元々この本人確認までの人数が結構少なくて、割と早々に認証終了したんですが…あの…アホ極まりないことに準備してるときに薬指が赤いボタンに当たってですね……一回切っちゃったんですよね……とりあえず冷静に対処したのでなんとか並び直しで事なきを得たんですが、あれで一枠消費されるかと思うとマジで血の気が引きました　ああいう時こそ冷静にならなきゃダメだ　まずは深呼吸　そして同じようなイベントに参加されるオタクの皆さん　画面は触るな　もしくは画面を触りかねない位置にスマホを置くな　これです　自分の手を切り落としたくなるくらい恨む前に！
オペレーターのお姉さんは優しかったです　2〜3人で回してたのか同じ人に何回か当たりました　その度に「もう本人認証お済みですね〜」と流されたりしたので　きっとオペレーターさんも「こいつ何回来んねん」と内心思ったことでしょう…すみません…こういうイベント今まで幾度となく申し込んできたんですがとにかく当たったことがなくて、しかし今回ばかりは絶対当てたかったので9枠フルに申し込んだら7枠当たったんですよ……こういうこともある……

【いよいよ本編】
だんだん「何番目」の表示数が減ってくる　というかおそらく「1番目」はもうあっちに写ってると思う(確信)
相手が写ったところから25秒始まるから体感はマジで秒　あれ1回だけでちゃんと意思疎通出来る人は適応力高すぎです　普通はテンパると思う　だって！　本人が！　目の前に！！！
今日のリョージくんの装いは白シャツです　シンプルで良い　ああ広告見に行ったのは今日の朝なのかあと納得する次第　全く奇遇ですが直前のフォロワーとのリハーサル(?)で「渋谷に広告見に行ってたときのビジュアルめっちゃ良かったこういう感じで今日来られたらちょっと死ぬ」と盛り上がっていたので思わず手を口で覆ってしまいました。オタクが尊い推しを見た時によくやるやつです。今あなたがイメージしたやつでだいたい合ってます。
シルバーの髪色もめちゃくちゃ良い感じでした　あなたのシルバーヘアが世界で一番好きだ…

【1部1回目-通算1回目】
今日7回あります！　いっぱいしゃべります！　からのよろしくお願いしますの打ち合い　2往復くらい頭を下げてしまいました　多分ですがあちらも緊張が…だろうね　初めてですもんね　いや特典会等々はこれまでもめちゃくちゃ行ってたんだけど、私がずっとマスクしてたのと本名を名乗ったことが一度もなかったから多分同定されてないと思うんですよ　知らん人と話すの緊張するよね〜！　わかる！
真面目さが出ましたね…こういうとこめちゃくちゃ親近感感じた……話の中身は打ち解けてくるとだんだんはっちゃけるんだけど最初の入りをちゃんとしときたいから固めで行きがち　わかる(わかりすぎる)
「○○さん？」って本名言われて時が止まったしその瞬間ハンドルネームを名乗るのを諦めました　全然違うから「なんで？」ってなってもアレだし
残り秒数表示されてやばい！　挨拶しかしてない！　と焦ったオタク、「今日もめっちゃ良い声ですね」と心の声を素直にぶちまけましたが、「今日もめっちゃ良い声って？　ありがとうございます」と丁寧に復唱してくれた　声が好き〜〜〜　いや本当良い声してるんですよ　歌ったときの声は言わずもがななんだけど独り言みたいに何か言うときの出力が力まず抜きすぎずで本当に好きな声してる。
まず最初にこの人に興味持ったのがなんか話してるときの声だからそれが自分に100%向けられてるってだけで贅沢すぎて恐れ多かったです　いやー良い声してた　喉に保険かけといてくださいね…

【1部2回目-通算2回目】
今回はボードと小道具を用意！
［亮司くんの声いい音で聞きたくてヘッドホン買った］

えーありがとうございます〜とゆるーく入ったのでこれです〜と現物を見せる(SONY MDR-CD900ST)
あーそれ！(声でかくなる) すご！　ソニーさんのだ！　僕らがレコーディングとかで使うやつですよ！　やば！　いっぱい聴いてください！
とテンション高めに来られてこっちのテンションも上がった。
この人はかねてから「自分の声の低さでスマホを振動させたい」と言っていて、音質や声そのものの再現性に拘りがあるんだろうなと思ったので「じゃあレコーディング環境に寄せて聴けばいいんじゃね？」と発想の転換をしてレコーディング用のモニターヘッドホンを買いました
このヘッドホンを使用してレコーディングに臨む様子は詳しくはこちらの動画等をご覧ください。

DEEP SQUAD時代のカバー動画でも使われている

ていうかこれ自体がそもそもめっちゃスタンダードな機械なので他の現場でもよく見る　UNISON SQUARE GARDENの鈴木さんもライブで使ってるし
家庭用で使うときは6.3→4.2の変換プラグを忘れずに…

【1部3回目-通算3回目】
［元々音楽好きでCLの亮司くんの配信から興味持ったあれめっちゃ好き］
「マジすか　えーめっちゃ嬉しい　すぐにでもやろ(?)」
「そういう方の声聴くたびに僕のラジオの夢が叶うんで」
叶えて〜！マジで需要しかないから！！！
笑顔が白い歯剥き出しでめちゃくちゃかわいかった　この笑顔だけでもう　プライスレスじゃないですか？　プライスレスです　これを拝みに来たまである
そもそも私がこの人に興味持ったのはiCONZのやや前、DEEP SQUADとして活動してた頃の深夜のチル配信がきっかけなので、あれが中断されてたのは割と深刻に寂しかったです(配信は配信で毎日配信やってたけど！)
選曲が最高なんですよね　もう今すぐにでもどっかの局で番組持てるよってくらい　自分自身もアーティストでありながらあれだけ感度高く色んな楽曲聴いてるのはアンテナの張り方が良いんだろうな〜と思いますし研究熱心でそういうところが素晴らしいです　やっぱり良質なアウトプットって良質なインプットから生じるものだから
毎回SIRUP楽曲かけてくれるたびに唸ってます　ウルフの夢者修行とSIRUP、TERDRE、Shin Sakiuraの出演ライブをハシゴするオタクは惹かれるべくしてここに集ってますからね
ぜひ継続してください。何なら有志で出資しあってラジオの枠買いたいくらいですほんとに

【2部1回目-通算4回目】
［コラボしてみたいアーティストは？］
「ぼくね最近あいみょんさんめっちゃ好きなんすよ　だから女性のアーティストさんがいいな」
「絶対合う！　すごいたのしみ」
「ソニーのヘッドホンでいっぱい聴いてください笑」
ヘッドホンつける所作すんの！　ねえ！　かわいいかよ！　まじで！　めっちゃかわいい！　もう存在がファンサ！！！
ていうか前の話の内容結構きっちり覚えてますね…？　ありがとうございます　任せてください　DEEP SQUADのDolby Atmos音源もこのヘッドホンで聴いてますんで　へへ…今後出る音源が楽しみでならないな…

【2部2回目-通算5回目】

［これから仕事なんで気合いの出る一言を…］
今回唯一の要望系でした(すみません)
「えっ何のお仕事されてるんですか？」
「××を…」
「わ〜それ体力いりますね　でも〜○○さんなら絶対大丈夫　頑張って(ガッツポーズ)」
効く…どんな栄養ドリンクより効く……滋養強壮杉山亮司……
しかしほんとに名前呼ばれ慣れてないので挙動不審ですみませんでした尊くてリアクション取れないくらいテンパってました
しかしわかります？　「お仕事頑張って」って推しに言われる世界線あるんですよ　すごくないですか？
すでに推しは2時間もオタクの相手をしてお仕事頑張ってるのに！！！(すまん…)
なんて優しい人なんだろう
そういえば前に金山行ったときも6連勤明けで6連勤頑張ったよ〜ってボード見せたときも激励してもらったんでした
あのときも推しは少なくとも表に出てる日数だけでも8連勤だったのに！！！(本当にすまん……)
なんかだいたい私がしんどがってるときは彼の方がしんどい気がするんですが、そんなときも労りの心を持ってファンに優しくしてくれる彼の人間性の素晴らしさに拍手でした　良い人なんだよな〜　どれだけ活力になり力になってくれてるかという話…ほんとに友達励ましてるみたいに優しい。絶対幸せになってほしい。

【3部1回目-通算6回目】
唐突ですが私は亮司くんの粒揃いの歯が大好きで歯を見せて笑ってるのがめっちゃ見たいので(フェチいなあ…)ほんとはここで「歯見せて」ってやりたかったんだけど、1部の最後で極上の笑顔と健康そうな歯を見せられちゃったので(満足)趣旨変えてちょっと個人的な報告をさせてもらいました
そしたらなんかめちゃめちゃ喜んでくれて　えっあんたが当事者か？　ってくらい喜んでくれて
「うぇ〜おめでとうございます！」ってクソデカ拍手とともに言ってくれてちょっと泣きかけました
「やばいっすね！　なんか逆にありがとうございます」って手まで合わせられた
めちゃくちゃ良い人だな？！　いやなんかさっきも思ったけどファンとはいえ他人の報告にそこまで言葉尽くしてくれるアーティストってなかなかいないと思う　迷ったけど言ってよかった〜　がんばれそうです　なんか本当親戚の兄ちゃんみたいに喜んでくれたんだよな…これは杉山亮司神エピソードとしていずれどっかのタイミングで広めたいです
本当にありがとう

【3部2回目-通算7回目】
これでラスト〜って出してたら
「あのちなみになんですけど…さっきの○○ってもう決まってたりします？」ってこっちが喋る前にあっちから言われてクソ笑った
先週って言ってんじゃんwww
何でそんなソワソワしてんのwww
まだ私何も言ってないwww
これからずっと応援してます！って言ったら
「ありがとうございます！　一緒に頑張りましょ！」
って自分ごとに引き込むように言ってくれたの嬉しかった〜もちろん頑張ることの質は違うわけですが…
一緒に頑張るよ、こっちも頑張るよ(君だけじゃないよ)って言うようにしてるの、自分も心がけてるので
なんかその倫理観というか言葉選びの近さを感じてすげー嬉しかったんですよね
この人のファンで良かったなーと思った
これからの人生一緒に頑張れそうな気がしました！
なんかそういう　本当に前向きな力をいただけて　この上ない時間を過ごせました…やばかったなあ

そんな感じで7回のミーグリを終えたわけですが(やってる)、その後の仕事は割と夢見心地のランナーズハイで乗り切れました
露悪的な言い方をすると言うてもファンサなんで、どんな対応してもファンは好意的にくると思うんですよね　でもそこに胡座かいたりすることなくめちゃくちゃ丁寧に接してくれてるの、控えめに言って最高…と思いました　なんだろう神対応とかいうのもちょっとレベルが違うというか　応援する人される人という最低限の線引きはありつつも、同じものを愛するアプローチで内側に入れてもらえてるというか　なんかファンであること以前に一個の人間として大事にされてるなーという感覚があり　それって偏にこの人の人徳なんじゃないかなーと思いました　ショービジネスであるからには何かしらのスターダムの追求ってあるんだろうけど、なんかそこでひとつ地に足がついてるというか　アイドル的消費に終始しない礼節　それはただ挨拶ができるとかそういうことではなくて(挨拶もめっちゃ丁寧でしたが…) 応援してる一人一人を数としか見ないのではなく　認知ともまた違う　画面の向こうにいる人をちゃんと人間扱いしてる　その心遣いの豊かさが素晴らしいな…とまたひとつ称えたい要素が増えてしまったのでした。

要約すると推しが自慢の推しですという話ですが、なかなかちゃんと推しと「話した上で人徳を語れる」機会ってないので、これからは胸張って「人となりも好きです」と語っていきたいと思います！
RYOJIくん最高！　ずっと応援してます！

以上です。