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コナッコルの分析

みなさん、この動画をご存知でしょうか?
今回はこの動画を分析、解読していきたいと思います。


【南か北か】
北インドのヒンドゥースタニー音楽と、南インドのカルナータカ音楽は有名です。
ざっくり言うと、ヒンドゥースタニー音楽は後半に向けてテンポが早くなりどんどん盛りあがっていきます。また、宮廷音楽です。
カルナータカはテンポは変わりません。寺院を中心に拡がった歴史があります。
コナッコルはカルナータカ音楽になります。

【konnakol(コナッコル)】
タブラの「音の名前」を口で歌う事をTabla bol(タブラボル)と言います。インドの民族音楽は楽譜ではなく口頭伝承であるという点も重要です。
コナッコルとは、タブラボルにターラ/タール(Tala/Taal)というリズムサイクルを加わえてできる音楽です。


【タブラ】
主に北インドで使用される民族楽器。太鼓を2つ使用し演奏します。アフリカのトーキングドラムのように「話し太鼓」であり、言語的・社会的に重要な役割を持っています。
奏法の種類はna/tun/tete/baya/ke/gheがあり、これらの奏法を複合して鳴らすこともあります。

【タブラボルの音】
約20種類あると言われてます
Dha/Dhi/Ti/Ta/Gu/Ge/Nu/Na/Ne...など
タブラの複合された音も言語化しています。


✋次に進む前に、タブラとタブラボルの違いを復習してみましょう✋


次に進みます

【Kriya(クリヤー)】
リズム周期を手の動きで表し、周期と拍の感覚を身体かする技法
女性の左手(後半は右手でも叩いている)は7/14(3+2+2)で叩いており、中盤からは(50秒〜)右手で7/7(4+2+1)で叩いているの分かりますでしょうか?
右手が1サイクルしているうちに、左手は2サイクルしてますね。ちなみに、女性の左手と男性のリズムサイクルが一致しています。


【回帰・輪廻】
・手のリズムと歌がズレているように感じると思います(緊張をうみます)
Sam(サム)とKhari(カーリー)を繰り返しています。
サムとは、「最も強調されるターラの1拍目」であり(緊張から緩和します)、リズムサイクルの中間(空虚)であるカーリーと円を描くようにして演奏します。
コナッコルの動画を最初から最後まで見てみましょう。
98拍+35拍+140拍+182拍+196拍+84拍+84拍+91拍+28拍で演奏されてます。全て7の倍数で完結し、次のセクションに移行していますね。


【Tihai(テハイ)】
インドの音楽では、3回繰り返して1拍目に戻ることがよくあります。このテハイによってソロを切りかえたり、エンディングを迎えます。即興演奏なので合図が必要です。


🔥まとめ

コナッコルの動画に映っている人達は

①タブラボルを歌い
②両手別々に7拍子のリズムサイクルを感じ
③更には7の倍数拍で歌と手拍子を完結させ
④ソロの切り替わりがわかりやすいように合図までだし
⑤即興演奏している

という感じです

みなさん、理解出来ましたでしょうか?

(追記)
動画では使われていない技法ですが、せっかくなので紹介します。

【Theka(テカ)】
ターラのリズムパターン(リズムの数え方)。
7拍子のリズムサイクルの場合はミスラチャープ・ターラ(Rupak Taalとも呼ぶ)で数えます↓↓↓
3+2+2=Tin tin na, dhin na, dhin na

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