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スポーツ医学塾番外編 江戸川野球ひじ検診

📚はじめに

 2023年2月12日(日)に江戸川区学童少年軟式野球連盟主催・NPO法人江戸川スポーツ医学研究会共催および運営の江戸川区野球ひじ検診が行われました!⚾️
 スポーツ医学塾講師の上村先生、内田先生のご引率のもと、順天堂大学から学生6名、国際医療福祉大学から学生3名が参加させていただきました!

✅野球肘とは 

 野球肘とは投球に起因する 肘障害の総称です。ボールを投げる際に手投げなどの悪いフォームで投げたり、過度の練習量により肘に負担がかかることで靭帯や骨が損傷してしまうことがあります。子どもたちの野球肘の多くが上腕骨内側上顆の障害ですが、なかには上腕骨小頭に離断性骨軟骨炎を生じる場合もあります。

✅検診

 本検診の一番の目的は離断性骨軟骨炎を早期に発見することです。参加者は、まずアンケート用紙に肘や肩の痛みがあるかを記入し、ストレステストとエコー検査を行いました。

ストレステスト

 ストレステストでは、以下の9項目を行いました。
・上腕骨内側上顆の圧痛
 →上腕骨内側上顆障害(リトルリーグ肘)
・腕頭関節の圧痛
 →離断性骨軟骨炎
・肘関節の屈曲/伸展、前腕の回内/回外
 →筋肉の炎症や内側側副靱帯損傷による可動域制限
・外反ストレステスト、MovingValgusTest、MilkingManeuverTest
 →内側側副靱帯損傷

🖋ストレステストを実施してみて
 触診の仕方を理解しても、実際にやってみると被験者の腕の支え方や自分の立ち位置などを含め正確に行うのが難しかったです。しかし、このことを意識しすぎてしまうと小学生に緊張が伝わって怖がってしまうため、まず自分がリラックスして優しく声をかけることが大切だと学びました。また、評価したい靭帯がはたらく肢位を事前に知っておくことがスムーズな検診に繋がると感じました。

ストレステストの様子

エコー検査

 エコー検査は、以下のように行いました。
 ・座位、肘伸展および屈曲位で手置台を使用して行う
 ・長軸は外側から内側、短軸は遠位から近位へと移動させて全体を把握す 
  る
 ・上腕骨小頭に垂直にプローブを当てるようにして同定し、軟骨下骨の不
  整、途絶、欠損、遊離体の有無がないか左右隅々まで検索する
  非利き手でも生じることがあるので、注意して検索することが重要

🖋エコー検査を実施してみて
 エコー検査の手伝いをしながら、隣で見学させていただきました。
 初めはよく分からなかったエコー画像も、先生方に解説して頂きながら解剖の復習をすることで、理解できるようになりました。
 また、空き時間には生徒同士でエコーを練習し、対象物に垂直に当てて綺麗に映し出すことの難しさを感じました。実際に手技を体験し、とてもよい経験になりました!

エコー検査の様子

🖋全体を通して
 実際にストレステストやエコー検査の練習をさせていただき、野球肘について多くのことを学ぶことができました。医療を勉強していない被験者を相手に実施することはほとんどないため、伝え方や目線がとても大切だと感じました。今回の検診を通して予防医療の重要さを知り、来年もぜひ参加させていただきたいです!

📚最後に 

 今回の野球ひじ検診では300人以上の方に参加していただきました!来年以降もできる限り多くの野球チームに参加していただいて、1人でも多くのこどもたちの怪我を予防できればいいなと感じました。今回はこのような貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました!

集合写真📸

最後までご覧いただきありがとうございました。
                          文責:忰田・金井

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